こんにちは。ひとりで.comです。
2016年12月24日放送の日経スペシャル夢職人は「200年企業の挑戦!ストーリーを売る老舗 – 」と題して玉川堂を特集します。
玉川堂の基本情報
企業名 | 株式会社玉川堂 |
住所 | 新潟県燕市中央通2丁目2番21号 |
代表 | 代表取締役社長 玉川 基行 |
資本金 | 10,000,000円 |
売上 | 非公開 |
従業員数 | 25名 |
創立 | 創業1816年(文化13年) |
事業内容 | 銅製器物製造 |
無形文化財 鎚起銅器とは
鎚起銅器(ついきどうき)とは、1枚の銅板を鎚で叩いて作られた銅器の事を表す。この技術は、新潟県の燕三条市にある企業が持つことから、1980年「燕の鎚起銅器の製作技術」として、国の記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に指定された。
また、この国の無形文化財に指定される前にも、1958年「玉川堂の鎚起銅器」が新潟県指定無形文化財に指定されている。
ひとつ数十万のやかんに注文殺到
玉川堂の鎚起銅器は、他に類をみないほど高額だ。やかんひとつで10万円以上。ものによっては50万以上するものすらある。それだけ高額にも関わらず、予約は数ヶ月待ちというからその人気は絶大である。
なぜこれだけの人気があるのか…。もちろん、無形文化財として社会からの注目を集めている…という部分もあるだろう。しかしそれ以上に、職人がお客様としっかり向き合った上でできている商品だからだと言えるのではないだろうか。
玉川堂では、職人が、商品開発から製造、販売までのすべてを手がけ、キャリアに関わらずチャンスを与えている。また、一般的に職人といえば、客との対話を苦手とする人が多いイメージだが、玉川堂では、職人が積極的に対話ができるオープンファクトリー化を進めている。そうすることによって、職人とお客様の距離が縮み、お客様の生の声を聞くことができる。お客様は一体どんな商品を求めているのか、どういった要望や機会を求めているのか、そういった声を聴くことによってまた新たな製品が生み出される、その仕組みがオープンファクトリー化である。
こうした戦略は、現社長である玉川 基行氏がバブル時代に行った施策がきっかけだった。当時、主力製品だった贈答用の伝統工芸品は注文が激減。注文先は企業であるし、営業先は問屋に任せっきり、これでは一向に売上を戻すことはできないと考え、社長自ら百貨店での実演販売のチャンスを掴んだ。そこで直接お客様と対話をする機会を手に入れ、そこで得た情報をもとに、これまでの工芸品中心だった商品を日用品中心の品揃えに変更した。
鎚起銅器はひとつの銅を何千回、何万回と打ち付けてようやく形ができてくるものである。よって、何十万円するという価格もほとんど人件費が占めているのである。しかし、その職人によって、長い間叩かれ磨かれてひとつの製品ができあがっていく。そんな製品にお客様もひかれ、今でも人気が絶えないのである。