[未来世紀ジパング]アジアの危機!そのとき日本は?– 2017年1月30日 –

未来世紀ジパング
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年1月30日放送の未来世紀ジパングは「アジアの危機!そのとき日本は?」と題してバングラディッシュに進出しテロ事件に巻き込まれた日本企業を追う。

 

アジアの途上国を襲う危機。その時日本企業は…

 

テロが起きたバングラデシュでの日本企業の挑戦

 

新興国への進出を次々に行う日本企業。しかしそれには常にリスクが伴う。それを痛感させられる事件が昨年バングラデシュで起こった。去年7月1日夜、イスラム過激派組織がレストランを襲撃。治安部隊が突入し、実行犯を射殺した。しかし、日本人7人を含む人質20人が犠牲となってしまった。

犠牲となった日本人はJICA(国際協力機構)を通じて派遣されていた7名。ダッカの交通渋滞を解消するための鉄道建設事業を担当していたという。JICA(国際協力機構)は事件後日本人スタッフの渡航を禁止していたが、2016年12月から渡航を再開させた。

 

 

2017年1月、バングラデシュのダッカであるお祭りが行われた。ビッショ・イジュテマと呼ばれる世界で2番めに大きいイスラム教の巡礼祭で約800人が参加した。アジアの中でも最貧国と言われていたバングラデシュも今や年率6%の経済成長を果たしている。

バングラデシュの経済成長を支えてきたのはアパレル産業。バングラデシュ国内にある縫製工場は5,600ヶ所、輸出額は中国に次ぐ世界2位だという。急成長の秘密は、中国の4分の1とも言われる人件費の安さ。H&MGAPZARAユニクロなど多くの大手アパレル企業が進出している。

 

 

 

工業団地にある丸久のバングラデシュ工場、従業員の所持品チェックなどが行われており、厳戒態勢が敷かれている。工場の中では2,500人もの従業員が働いている。大手メーカーから生産業務を移管され、大きく成長してきた。

 

丸久のバングラデシュ工場で働く日本人は12人。日本からのバイヤーの訪問は事件後全くなくなってしまったという。

 

 

日本のペガサスミシン製造の現地代表井上氏は、テロ事件の前までは夫婦で暮らしていたが、今は一旦妻を日本に帰国させているという。そんな状況下でもチャンスがあるので、バングラデシュに残っているという。

井上氏は…

「やったらやっただけの結果が伴ってくる市場なのでやりがいは大きい」

という。

 

 

バングラデシュでのテロ以降、日本企業はどのような対応を取っているのだろうか?

JICA(国際協力機構) 日本人の駐在・出張を限定
ユニクロ 安全に配慮して情報非公開
ユーグレナ 警察と民間による”二重警備”
テラモーターズ 駐在員家族の帰国・外食禁止
日本ポリグル 飲酒禁止・安全な行動

 

 

 

 

驚きの”ガラクタビジネス”

 

バングラデシュ チッタゴン
バングラデシュ チッタゴン

 

港町のチッタゴン。新鮮な魚介類が取引されている。

船の墓場。役目を終えた大型船が世界各国から運ばれている。バングラデシュは世界一船を解体している国で年間200隻以上が解体されている。チッタゴンは世界でも有数の遠浅な海を持っており、潮の満ち引きが激しい。満潮時に船を岸辺近くまで持ってくることができる、いわば天然の解体ドックである。

ここでの日当は日本円でおよそ700円ほど。解体作業はほとんど手作業で行われる。解体現場から運ばれた鉄くずは燃やして鉄筋へと変化する。この鉄筋がバングラデシュでの今の建設ラッシュを支えているのだ。

 

船着き場の近くには、船から取り出された”ガラクタ”のようなものが山積みになっている。例えば、船に取り付けられていた階段がそのまま売られている。この階段は住宅用として売れるらしい(中古価格:約1万 – 2万)。船の中で使われていたキッチン用品や、ポット、灰皿までもが中古品として売られている。

 

なんと解体する予定の船を復旧させて、そのまま船として販売する会社まで存在するという。バングラデシュにはこうした造船会社が200社ほどあり、そのほとんどが国内で使われている。

 

造船会社:カルナフリー・シップビルダーズ。この会社は、これまでの船の解体技術を活用して、ゼロから新しい船を作る技術を生み出すことに成功したという。この会社は、いま海外に船を売り出そうとしている。そのウリは…人件費。例えば、日本で船を作ろうとするとその35%は人件費になる。しかしバングラデシュで作ればそれはたったの3%となる。近い将来バングラデシュは世界の造船の中心になるだろうとラシッド社長は意気込む。

 

 

実は、日本と造船業は歴史的に見ても深い関係にある。戦後の経済発展で日本の造船技術の発達は目覚ましく、1950年代から1999年代までおよそ40年以上に渡って、世界1位の実績を誇ってきた。しかしながら、2000年代に突入して以降は、韓国や中国の台頭によって、いまや世界第3位となっている。

日本の技術や人材移転によってうまくいき始めている例も出てきている。それが神戸にある尾道造船である。尾道造船はスリランカの造船所を買収し、技術移転を行っており、スリランカで1番を誇る造船業にまで成長しているという。

 

 

 

 

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もうひとつのアジアの危機:トランプ大統領

 

トランプ大統領が大統領選から散々掲げてきた「アメリカ・ファースト」によって、アジアのお金がアメリカに流れ込むようになってきている。そうしてドル高の状況になってきている。

ドル高になることによって、本来は通貨安となって、輸出が伸びるため、アジア地域はより潤うのではないかと考えられるが、トランプ大統領は、海外からの製品に対しては高い関税をかけると宣言しており、そうなると通貨安となってもアメリカへの輸出が伸びず、通貨安の恩恵に預かれないという状況に陥っている。

また、通貨安となることによって、海外からの輸入製品が高くなる、すなわち工作機械や原油などの価格が高騰し、コスト高の構造となってしまうのだ。