[ガイアの夜明け]外食の〝新勢力〟あらわる~快進撃の裏に秘策あり~ – 2017年2月28日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年2月28日放送のガイアの夜明けは「外食の〝新勢力〟あらわる~快進撃の裏に秘策あり~」と題して常識の逆を行くことで急成長する外食企業を特集します。

 

不利を有利に。逆転の発想で勝ち抜く

 

徹底的な効率化を求める未来食堂

 

東京都千代田区のとあるビル。地下街に「未来食堂」という店舗がある。一風変わったサービスで注目を集めている。

 

未来食堂
未来食堂

 

お客さんが来るなり、注文もしていないのに、里芋のあげまんじゅう定食が出されている。おひたしなどの付け合せが3品もついており、食べごたえがありつつもヘルシーな料理でもある。

この店には、メニューは1日1種類だけだという。店主の小林氏が目指すのは徹底した効率化である。

お客さんが入ってきて注文を受ける。そこから調理がはじまる。この時間が非常にもったいない。従って料理は1種類にし、その時間の短縮化を行っている

という。

このお店での効率化はこれだけではない。ご飯はおひつに入れられて出され、お客さんは好きなだけよそうスタイルを取っている。店員がよそってお客さんによそうと10秒かかるため、混雑時にはこの時間さえももったいないと感じる事になる。

また、客席は1歩歩くとどのお客さんにも手が届くコの字型スタイル。こうした仕組みはお客さんにとっても嬉しい事になるという。

こういった効率化の仕組みの導入によって、ランチタイムは通常3回転、多い日には5回転するという。

 

これだけに留まらない。

この店では「まかない」というサービスを行っており、お客さんが50分間店の手伝いをすると食事代が1食分無料になるというサービスを行っている。

朝は、出勤前の会社員が、ランチタイムには学生がよくこのサービスを利用している。

ここまで徹底した効率化を追求することで、他社では真似出来ない形で、勝っている。

 

 

 

 

バッドロケーション戦略:バルニバービ

 

東京都文京区の駅から離れた場所に大きなイタリアンレストランがある。ここはバルニバービという会社が運営する「青いナポリ」というイタリアンレストランである。

駅から離れた場所でも関わらず、お客さんで溢れている。9年前にオープンしてから口コミで年を追うごとにお客さんが増えている。

 

青いナポリ
青いナポリ

 

お客さんが来ないような不便な場所に敢えて出店する戦略を取っているバルニバービ。一般的にな飲食店では考えられない。しかし、バルニバービは敢えてそういった場所に飲食店を出店することで、お客さんにも特別感を提供することができ、それによってお店を気に入ってもらえるという。これをバッドロケーション戦略と呼んでいる。

 

バルニバービに持ち込まれる物件は約1,000件。そのうち出店にこぎつけるのは1%にも満たない。

 

バルニバービの佐藤社長は、元々アパレル会社を経営していたが、仕事で行ったフランスでカフェの魅力に取り憑かれ、飲食店の経営を展開し始めた。

飲食店の1号店は大阪市南船場にある駅から徒歩15分の賃料の安い材木倉庫をカフェに改装した。意外な場所にあると反響を呼び、瞬く間に繁盛店になった。

現在74店舗を運営し売上は約85億円となっている。

 

 

大阪府豊中市。次に出店を考えていたこの地に佐藤氏の姿があった。大阪の中心部から15キロ離れた場所に新たな店舗をオープンさせようとしていた。

しかし、この場所、飲食店にとっていわくつきの場所であった。目の前の道は大阪市と郊外を結ぶ通勤路として利用されているため、通り過ぎるだけの車が多い。また、周囲に建物が多く、店自体が気づかれにくい。

 

どの店も集客に苦戦し、店を出すたびに撤退を余儀なくされていたという。

 

そんな場所でも佐藤氏には秘策があった。これまでの店舗は車で通り過ぎる人たちを集客しようとしていたが、佐藤氏は、店舗の裏側に広がる地域の人たちを呼び込もうと考えたのである。

 

その為、店に大胆な仕込みを仕掛けることにした。敷地の大部分を占めていた駐車場の一部を大きなガーデンテラスにしようというのである。地域の人たちがいつでも気軽に足を運べる店にしたいと考え、レストランだけでなく、自家製のパンを提供する工房と売場を作ることに決めた。

 

更にそれだけではなく、飲食店の常識とは逆の発想を取り入れようとしていた。敢えて客席を少なくすという回転率を度外視した店舗にしようと言うのです。

 

まさしくバッドロケーション戦略。この場所は、坪単価が一般的な中心部からしたら何分の1レベルの場所のため、そこまで回転率を気にする必要もない。それであれば、むしろ無駄な空間がゆったり過ごしてもらえる時間に直結する

と考えている。

 

新店舗を任された店長は、地域に根ざしたお店を目指すというコンセプトをより精緻にするために、地域住民に挨拶と同時に、どういうメニューやパンがあったら良いかをヒアリングし、それを商品開発に活かすという事まで行っていた。

 

2017年2月6日、いよいよグランドオープン。開店1時間前から長蛇の列が出来ていた。オープン直後にお店は満席となり、この日の為に作った丸い食パンも開店1時間で売り切れてしまった。この店が今後どのように続いていくのか楽しみである。

 

 

 

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昭和なレトロの店舗設計と送迎サービスで差別化:昭和食堂

 

外食業界が厳しい中、それでも順調に業績を伸ばしている企業がある。

大阪名物の串カツを看板メニューにしている串かつ田中。2008年に1号店をオープンし、現在140店舗まで拡大している。衣、揚げ油、ソース全て独自の味を使っており、串カツ1本100円〜という低価格なのが人気となっている。

またサイコロを振ってゾロ目が出るとハイボールが1杯無料でもらえるなど、独特のサービスも展開している。

 

また、磯丸水産も独自の戦略で業績を伸ばしている。2009年に1号店をオープンし、現在148店舗まで拡大している。最大の特徴は24時間営業。早朝は夜勤終わりの人たち、昼はシニア層を集客し成功している。更に魚介類を席で焼く浜焼きスタイルを取っており、幅広い層に人気となっている。

 

 

名古屋市天白区の郊外に昭和食堂という居酒屋がある。昔懐かしいレトロな雰囲気を醸し出している。町外れにあるにも関わらず、店は満席。その秘密は客を満足させるさまざまな仕掛け。

刺し身の階段盛り。その日取れた魚を全8種類階段のように並べてインパクト抜群。その値段は1,860円。

壁一面に置かれた日本酒が2時間980円から飲み放題という激安価格。

座敷には子連れの団体客も来ている。親はビールで乾杯し、子どもたちはキッズルームへ向かう。子どもたちが遊んでいる間、親たちはゆっくりお酒を飲むことができる。

お店を出た後も、さらなるサービスがあった。それは、店から30分圏内の場所であれば、8人以上の利用で前日までに予約をすることで無料で送迎を行ってくれる。

 

 

名古屋市の中心部にある柳橋中央市場。全国から新鮮な魚が集まる東海地方の中央市場である。その一角でマグロをさばいているのが、昭和食堂を運営する海帆の社長。もともと飲食店向けに魚を販売していたが、その強みを活かそうと飲食店を展開し始めた。

 

グループ全体で社員はおよそ200人。昭和食堂を中心に18業態108店舗を運営し、売上は60億円。

 

この海帆では、送迎サービスをサービスの中核にしているということもあり、課長以上の社員は大型や中型の免許を必ず持っているという。

毎日夕方近くになると、各店舗の予約をまとめドライバーを割り当てる。ドライバーとバスを効率的に配置する。金曜土曜だと40件から50件の配車が必要となり、更に歓送迎会となるとその2倍以上にもなる。

中型と小型を合わせて36台のバスを保有している。この台数でも週末はフル稼働するという。ここまで送迎バスを保有する居酒屋チェーンは他にはない。

 

 

岐阜県大垣市のJR大垣駅前に昭和食堂が新店舗を出す事となった。駅前ということもあって、周囲には大手の和民や鳥貴族などが軒を連ねる。駅前の店舗で送迎バスをどのように活かすのか。

狙いをつけたのが、周囲5キロ圏内にあるビジネスホテルや企業。出張で来たビジネスマンを取り込もうというのです。また近くのスーパーに福利厚生として居酒屋の利用を売り込む。

 

料理にもある仕掛けを考えていた。

 

2017年2月21日。JR大垣駅前の昭和食堂がオープンする。仕事終わりに昭和食堂で懇親会が実施されると言います。普段は車で出勤してくるため、懇親会などを行うことがめったになかったという。

他の団体客も続々入店してくる。この日に合わせて作った新しいメニューはマグロ尽くし。お客さんからも反響が良かった。

駅前の立地であっても、敢えて競合と正面で戦うのではなく、他の場所から送迎を利用して団体客を連れてくる。そういった戦略で、他社との差別化を図っている。

 

 

敢えて不便なところに店を出して人を呼び込む。個人客を重視する店が増える中、団体客にも目を向ける。急成長している飲食店はいずれもフリな条件を自分たちの強みに変えて成功していることがわかりました。

これまでの常識の逆を行くことで新たな客を見つけ出す。外食不況の壁を突破するためには、そんな挑戦が必要なのではないでしょうか?