こんにちは。ひとりで.comです。
2017年5月28日放送のがっちりマンデーは「「月刊食堂」編集長プレゼンツ!儲かるフライヤー業態を特集 人手不足の飲食業界に一役買う、テクノロジーの進化とは?」と題してフライヤーでがっちり儲ける3店舗を特集する。
フライヤーで時間節約と原価低減を実現した3つの飲食店
恵比寿の天ぷら、喜久や
東京恵比寿にある喜久やというお店。駅から徒歩5分のところにあるこの喜久やは、立ち飲みスタイルの天ぷら屋さんである(株式会社一期一会が運営)。
海老の天ぷらは1尾300円、れんこんの天ぷらは2つセットで200円と手頃な値段設定となっている。
このお店の秘密兵器がDr.Fly(ドクターフライ)という揚げ物機器である。フライヤーの油に沈めた2枚の金属パネルが1秒間に5万回振動する仕組みとなっている。それだけでなぜ天ぷらがおいしくなるのだろうか。
天ぷらを作る際、一番調整が難しいのが、揚げるタイミングである。揚げすぎても揚げる時間が少なすぎてもおいしくなくなってしまう。揚げすぎると食材の水分が衣の中に溢れ出て衣が破れてしまう。ところがDr.fry(ドクターフライ)を使うと、振動によって水分が小さな粒にバラけ、衣に大きな穴が開かずにうまく揚げることができるのである。
衣に穴が開かないと更に良いことがあり、通常天ぷらを揚げる際は、普通のフライヤーだと食材のエキスが流れ出て食材同士で混ざり合ってしまうため、別の食材を同時に揚げる事はしないのだが、Dr.fry(ドクターフライ)だとその心配がなく、一度に複数の食材を揚げる事ができるのである。
したがって、一度にたくさんの注文が来たとしても、少ない時間でさばくことができるのである。実際、この喜久やでは、多いときで1日200人以上のお客さんをさばき、月商で1,000万ほどの売上になっているという。
更に、Dr.fry(ドクターフライ)を使うことによって今までに天ぷらにできなかった食材を天ぷらにすることができている。例えば、絹ごし豆腐や大根など水分量が多い食材である。こうした種類の豊富さが女性客にウケ、人気となっている。
また、これまで天ぷら屋は高単価の高級店か、単価の安い天丼チェーンしかなかったため、喜久やの約3,500円の客単価の店舗もなく、ちょうどよい価格設定になっているのである。
とんかつの弱点を克服した京都の牛カツ店:勝牛
JR京都駅から徒歩5分ほどのところにある牛カツ屋さん。ここでは、豚カツのある弱点を克服しているという。その弱点とは…
揚げ時間が長い
という事である。
特に豚肉は高温で長時間揚げる必要があり、それが店の回転率下げてしまう。すると店舗の売上にも大きく影響してしまう。実際、豚カツは1枚揚げるのにおよそ7分ぐらいかかる。しかし、牛カツの場合、60秒で提供が可能となっている。
更に牛肉なので、豚カツより高単価になるため、高単価×高回転を実現しているのである。
ただし、ここにもひとつカラクリがある。それは、仕入れである。
通常の仕入れだと牛の仕入れ単価が高く、販売価格が2,000円を超えてしまう。2,000円を超えてしまうと一般のお客さんには高すぎるため、商売として成立しなくなってしまうのである。
しかし、勝牛を運営する株式会社ゴリップはこれまでサムギョプサル専門店やハンバーグ店、ステーキ店などを成功させてきた肉のプロ。牛肉をまとめて仕入れることによって、客単価1,500円という価格を実現したのである。
勝牛は高単価×高回転を実現し、多い時で1日25回転とラーメン店並の回転率を実現し、月商は1,800万にもなるという。
驚異のF/Lコスト49%!素揚げや
東京JR小岩駅から徒歩10分ほどの場所にある素揚げやというお店。鶏の素揚げがメインのお店は北海道にはあるが、関東にはあまりないという。揚げ方は企業秘密だが、独自の温度で揚げるのがポイントとのこと。さらに別の鍋で2度揚げを行うことでおいしい素揚げができるのである。
そして、更にこの素揚げやのスゴイところは、F/Lコストが低い点である。F/Lコストとは、売上に占める食材と人件費の割合の事でFがFood、LがLaborを表している。
一般的に60%を切ると御の字、55%を切るとかなり優秀、50%を切るとエグい(相当低い)と言われている。実際、先程の勝牛は約55%、喜久やでも約52%となっており、どちらもF/Lコストが低いが、この素揚げやは49%を誇るという。
この素揚げやの店主、6年前に渋谷で懐石料理店を営んでおり、原価と人件費がかさんだ結果、借金5,000万を抱えてお店をたたむことになったという。その経験を活かし、F/Lコストの低い業態は何かを考え、素揚げの店を思いついたのである。
現状、年間の売上は3,500万ほどだという。