[未来世紀ジパング] 香港返還から20年”民主の女神”が再び対決…中国の巨大権力! – 2017年6月26日

未来世紀ジパング
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年6月26日放送の未来世紀ジパングは「香港返還から20年”民主の女神”が再び対決…中国の巨大権力!」と題して香港において民主化運動を続ける周庭(アグネス・チョウ)さんの活動から、韓国の未来を読み取る。

 

約束は守られるのか?

 

香港返還と民主化運動

 

香港
香港

 

1997年7月1日、およそ150年に渡りイギリスが統治してきた香港が中国に返還された。一国二制度という新たな歴史が始まった。

その時代に生まれた周庭(アグネス・チョウ)さん。1996年12月生まれ。彼女は中国になった香港で生まれ育った。そして15歳の時、初めて民主化運動に参加する。そして2014年、民主的な選挙の実施を求めた最大20万人の民主化デモ”雨傘運動”では”女神”と呼ばれ、民主化運動の先導に立つ。

 

香港は中国の一部であるものの、香港独自の法律システム・政治システムが保証されており2047年までの50年間、この制度を行うことが許されているのであるが、現状を見るとその状況も危うくなってきているのだという。

 

香港返還から20年たったいま、何がどう変わったのか…

1997年 現在
人口 649万人 737万人(中国本土からの移民が88万人)
観光客 1,040万人
(中国本土:229万人)
5,665万人
(中国本土:4,277万人)
報道の自由度 18位(2002年) 73位
一国二制度を信用しない 23.3% 45.2%

 

 

 

6月4日:天安門事件

6月4日は天安門事件があった日で香港にとって忘れられない日である。

28年前の1989年6月4日、北京の民主化デモを中国軍が制圧した天安門事件。この天安門事件で多数の死者が出た。

香港が中国への見方を変えたきっかけにもなったと言われている。

 

事件から28年経った2017年6月4日、香港でも天安門事件の追悼集会が開かれており、今年は11万人が参加した。中国本土では、天安門事件について知ることも語ることもタブーとされている。一方、香港では歴史として教えられるのである。

 

天安門事件をきっかけに、香港人が逃げるように向かったのがカナダの第三の都市バンクーバーである。現在250万人が暮らしているが、1997年前後には香港からおよそ30万人の人々がカナダへ移り住んだのである。

いつしか”ホンクーバー”とも呼ばれるようになった。

 

 

 

香港市民は”返還20年”をどう思っているのか?

 

50代女性

良いか悪いか、50年代生まれの私たちにはどうなのか…実際は中国も香港も同じ中国人で見た目も同じ。

 

40代男性

香港と中国に文化の差がある。中国に返還されたが、ずっとイギリスの教育を受けてきたので時間が必要

 

20代女性

いろいろな面で中国化が進んでいる

 

20代男性

この数年の政治を見ていると将来が不安

 

60代男性

絶対に良くなった。中国本土からの観光客がいなければ香港経済はすでにダメになっていた。香港は中国に返還されてもう家族同然だ。お互いを分けて考える必要はない

 

上記のように世代によって大きく見解が異なる結果となった。

2003年はSARS(新型肺炎)が発生し、香港九龍地区のマンションなどで死者が出るほどだった。これを機に、香港への旅行者が激減したところで、中国政府は個人旅行解禁を行い、現地の観光業が発展した。

また2009年、リーマンショックにより世界的金融センターだった香港は大打撃を受け、それを救ったのが、中国政府による救済策だった。人民元の決済を香港で行う事で香港の銀行が手数料収入で潤ったのである。

 

 

一方、2012年には愛国教育を取り入れた。それまではイギリス式教育を取り入れていたが、中国共産党を賞賛する内容を取り入れた教育をしろと迫った。さらに、先のアグネス・チョウさんが行った雨傘運動を警官隊を導入して排除する動きを行った。

 

この雨傘運動は、ある動きに対する反逆運動であった。それが香港の行政長官を決める選挙である。もともと、返還から20年経過したら普通の選挙、すなわち一般人が投票できる選挙に変えると約束していたのであるが、結局実現しなかった。

直近の選挙では、従来型の一般市民が参加しない選挙が行われ、選挙委員1,200人のうち、親中派が3/4を占めており、親中派の人しかトップに選ばれないという構図になっているのである。

 

現在の行政長官が林鄭月娥(キャリー・ラム)さんである。

 

 

 

 

行政官選挙の前哨戦:立法会選挙

 

雨傘運動の敗北から2年経過した2016年、雨傘運動の学生リーダーたちが政党「香港衆志」を立ち上げた。2016年9月に実施された立法会選挙で、70議席中35議席が普通選挙で行われるという事で、香港衆志が候補者を擁立した。

結果は…予想を大きく上回り、羅冠聡(ら かんそう)氏が当選した。選挙では、民主・反中派の若い候補が躍進した。

 

しかし、2016年10月の立法会の就任式で反中派の議員が「Honk Kong is not China」と宣誓し、中国政府が異例の会見を行い

香港市民は中国人として「国家統一」「領土保全」「安全保障」を守る義務がある

と発言。

結局、反中派2人の議員資格が剥奪されてしまった。さらに反中ではない民主派議員の4名に対しても宣誓に問題があったとして、資格剥奪か審査にかけられることになった。

 

 

 

 

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香港:行政長官選挙

2017年3月、行政長官選挙が行われる直前、林鄭月娥(キャリー・ラム)さんに周庭(アグネス・チョウ)さんが直訴した。まさに”女神と鉄の女”の構図である。
※林鄭月娥(キャリー・ラム)さんは、2014年の雨傘運動後の学生との対談で「香港は中国の特別行政区で独立した国ではない。自分たちで政治体制を決めることはできない」と語り、それ以来、”鉄の女”と呼ばれるようになった。

 

周庭(アグネス・チョウ)さんの訴えは

行政長官になったら市民に選ばれた議員の資格を剥奪しないと約束してください

ということ。

それに対して”鉄の女”林鄭月娥(キャリー・ラム)さんは

行政長官は法に照らして執行するだけ

と一蹴。

 

2017年3月26日、行政長官選挙当日に、周庭(アグネス・チョウ)さんたちは、自由な政治を訴えたが、林鄭月娥(キャリー・ラム)さんが前評判通り行政長官として就任することが決まったのである。

 

周庭(アグネス・チョウ)さんは、自分たちの未来を自分たちが決めた議員で決められる国を目指して、今後も活動を続けていくという。