こんにちは。ひとりで.comです。
2017年12月24日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜はキョーラク株式会社を紹介。
マヨネーズなどの容器を製造するプラスチックの魔術師「キョーラク株式会社」。
普段なにげなく使っているが、そこに隠された鮮度を保つための特別な技法と社長の理念とは?
プラスチックの魔術師「キョーラク株式会社」
どの家庭にもあるマヨネーズの容器。このプラスチック容器を製造しているのがキョーラク株式会社である。キョーラクが手がけた容器の底には必ず四本線のキョーラクのロゴマークが刻まれている。
キョーラクはマヨネーズなどの調味料の容器だけでなく、仮設用トイレ、ゴミ箱、医療用容器、自動車関連部品などさまざまな製品を手がけている。
自在にプラスチックを成形する技術を活かし、国内外に31の拠点を持ち、従業員はグループ合計で約2,300人、年商461億円を誇るガリバー企業である。
その原点はマヨネーズの容器で、実は60年以上、その形が変わっていないのだという。しかし、鮮度は年々長く保てるようになっているのだという。その技術のキーワードはブロー成形。
キョーラクのスペシャリティ
キョーラクの6代目社長は、長瀬孝充さん。キョーラクのモットーはスペシャリティの追求。すなわち他社と同じことをしない、ということである。
ブロー成形とは、プラスチックの原料に空気を入れ膨らませる技術のことを言う。例えるならば、風船を膨らませるイメージである。このブロー成形、単純に膨らませるだけでなく、キョーラクでは、場所によって厚さを変えているのである。
下部は自立するように厚く作られており、中部は押し出しやすいように薄くなっている。そして上部は蓋を開けるなど圧力がかかるので厚くなっている。
この厚さは100分の1mm単位で調整することができるのだという。
この厚みの調整がキョーラクのスペシャリティである。
創業大正6年のキョーラク。当時、プラスチック素材が日本に入ってきたばかりで、キョーラクはブロー成形の専門企業としてプラスチックを竹筒で吹いて成形を行っていた。
これまで食品のプラスチック製品を扱う上でキョーラクが気をつけていたことが、消費者が封を切るまで同じ味を保つことである。調味料の最大の敵は酸化である。容器に酸素が入ってしまうことで味と風味が劣化してしまうため、いかに空気を入れないかが重要なのである。
一見、単一素材で造られているように見える容器も、実は水に強いバージン層、酸素に強いバリア層といったようにいくつもの層を重ねて作っている。この多層構造もキョーラクのスペシャリティのひとつである。
キョーラクの自動車部品で自動車の軽量化に貢献
こうしたキョーラクの技術は、容器だけでなくそれ以外の分野でも活用されており、例えば、自動車のエアコンダクトにも活用されている。発泡ダクトと言われる冷暖房の空気を車内に流す部品をキョーラクは製造している。
自動車業界は、低燃費化に向けて、軽量化をすすめているがこのキョーラクの発泡ダクトはこれまでの製品に比べておよそ3分の1の軽さになっている。これが車全体だと2kgの軽量化に貢献すると言い、各車メーカーから引き合いがきているという。
キョーラクの新たな挑戦
いま、キョーラクが開発を進めている製品がハクリボトルと呼ばれる製品である。このハクリ容器、世界で2社しか作ることができないのだという。
このハクリボトル、外側のプラスチックボトルと内袋の二重構造になっており、こうすることで外部からの酸素吸収をより防ぐことができるのはもちろん、封を開けたあとも、これまでの容器と比較して空気に触れることが少ないため、より鮮度を保ったまま中の液体を使うことができるのである。
このハクリボトルの開発によって、これまでは引き合いがなかった化粧品の分野からも引き合いをもらえるようになり、現在化粧品用のボトルの開発をすすめているという。