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2018年10月27日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜はホーチキ株式会社の特集。
70m先の激しく燃える炎を消化できる巨大な消火設備や、学校・オフィスなどで見かける火災報知器といった防災製品のパイオニアであり、国内シェアトップクラスなのがホーチキ。火災による犠牲者ゼロを目指して取り組んでいて、創立100週年を迎えた。年商760億円にまで昇りつめたその真髄に迫る。
火災報知器のホーチキ株式会社
世界一の精度を誇る火災感知器
東京都品川区にホーチキ株式会社の本社がある。現在ホーチキ株式会社を牽引するのは、代表取締役社長の山形明夫さんである。2017年6月に社長に就任した。主な事業内容は、火災報知設備、消火設備、情報通信設備、防犯設備となっている。
火災感知器がきちんと鳴るべきときに鳴り、鳴るべきときでないときには鳴らない、基本のキではあるが、この精度で現在世界一と言っても過言ではないだろう。料理の湯気や小さな虫の侵入では鳴らないといった細かい正確さがホーチキの強みなのである。
製品を作る際には、小さなホコリが入らないように防塵設備で製品を作っている。
現在、社員数は約2,000人、売上高は760億円にものぼる。国内に36の営業拠点を構え、海外では129の国と地域で展開している。その技術は海外でも高く評価されており、イギリスの地下鉄にも導入されている。
ホーチキのルーツ:損害保険会社の要望があって設立
ホーチキ株式会社は今からちょうど100年前の1918年に東京有楽町で設立された。日本初の火災報知器メーカーとして誕生し、その2年後に日本で初めて日本橋に火災報知器が設置された。それまでの常識を大きく覆す商品で、火事の際の消化に大きく役立ったという。
しかし、戦争がはじまると街に設置された火災報知器は全滅。存続の危機に立たされた。特に戦時中は、軍需工場にしてはどうかと何度も提案されたが、もともとの趣旨が火災をなくすということもあり、軍需工場にはしなかったのだという。
戦後、わずかな素材で国民がすぐ欲しがるものとして弁当箱と小型の電熱器を製造し、耐えしのいだのだという。その売上金から再度火災報知器を作り出すと、転機が訪れたのである。
それが1961年の消防法の改変である。国民の防災意識が高まり、火災報知器などの設置が義務化され、より多くの需要を獲得することができたのである。