映画『シン・ゴジラ』は日本の意思決定に焦点を当てた映画|ネタバレあらすじ少々あり。

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こんにちは。ひとりで.comです。

今日は、映画『シンゴジラ』について感想を書いていきたいと思います。何かと話題にあがっていたシンゴジラですが…「たかがゴジラでなんでこんなに話題に?」と疑問をもっていたひとりです。

興味本位で見に行くことにしましたが、個人的にはなかなか楽しめた映画でした。

 

※以下、ネタバレ注意ですので、内容を知りたくない方は離脱してください

 

【目次】

1.シンゴジラが話題ってどのくらいすごいの?
2.今までのゴジラ映画との違い
3.フォーカスを当てる点が現代風である

 

 

1.シンゴジラが話題ってどのくらいすごいの?

話題の映画『シンゴジラ』を遅ればせながら見てきました。個人的には大変満足いく映画だったと思います。ニュースなどで話題になっているといいますが、具体的に何が話題なのでしょうか?

まずは、興行収入の面。

 アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明が総監督・脚本を務めた映画『シン・ゴジラ』の国内における累計興行収入が、2016年8月14日の時点で33億円を突破し、2014年夏に公開されたハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』の最終興収32億円を上回ったことが明らかになった。

7月29日の金曜日に初日を迎えた『シン・ゴジラ』は、初週の土日だけで動員41万2,302人、興行収入6億2,461万700円を記録。2週連続で全国映画動員ランキングのトップに立つなど落ちの少ない興行を展開し、公開17日間で累計興収33億8,297万5,500円、累計動員230万8,427人を記録した。

この興収はシリーズ最終作として2004年に公開された『ゴジラ FINAL WARS』(最終興収12億6,000万円)の倍以上。作品への評価も高く、一部では熱狂的な支持を集めていることからさらに成績を伸ばすことが予想され、初週の時点で40億円を見込んでいた最終興収も50億円が視野に入ったといえるだろう。今後、どれだけ数字を伸ばすことになるか、期待したい。

本作は、日本では初めて全編フルCGでゴジラを描いた特撮映画。長谷川博己、竹野内豊、石原さとみほか300名を超える豪華キャストが集結し、現代日本に出現したゴジラが、自衛隊の攻撃をものともせずに暴れる姿を濃厚な群像劇と共に描き出す。(ランキング・数字などは興行通信社、文化通信社、配給元など調べ)

 

そしてキャストの豪華さ

上記にも記載しているが、300名を超える豪華キャストが出演する映画で、最初から最後まで見たことある俳優さんばかりでした。

 

 

2.今までのゴジラ映画との違い

過去のゴジラシリーズは以下の通りで、今回でシリーズとしては29作目となります。

通番 題名 公開日 観客動員数 配給収入
第1作 ゴジラ 1954年(昭和29年)
11月3日
961万人 1.6億円
第2作 ゴジラの逆襲 1955年(昭和30年)
4月24日
834万人 1.7億円
第3作 キングコング対ゴジラ 1962年(昭和37年)
8月11日
1255万人 4.3億円
第4作 モスラ対ゴジラ 1964年(昭和39年)
4月29日
722万人 3.1億円
第5作 三大怪獣 地球最大の決戦 1964年(昭和39年)
12月20日
541万人 3.9億円
第6作 怪獣大戦争 1965年(昭和40年)
12月19日
513万人 4.1億円
第7作 ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 1966年(昭和41年)
12月17日
421万人 3.3億円
第8作 怪獣島の決戦 ゴジラの息子 1967年(昭和42年)
12月16日
309万人 2.6億円
第9作 怪獣総進撃 1968年(昭和43年)
8月1日
258万人 2.3億円
第10作 ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 1969年(昭和44年)
12月20日
148万人 2.6億円
第11作 ゴジラ対ヘドラ 1971年(昭和46年)
7月24日
174万人 3億円
第12作 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン 1972年(昭和47年)
3月12日
178万人 3.2億円
第13作 ゴジラ対メガロ 1973年(昭和48年)
3月17日
98万人 2.2億円
第14作 ゴジラ対メカゴジラ 1974年(昭和49年)
3月21日
133万人 3.7億円
第15作 メカゴジラの逆襲 1975年(昭和50年)
3月15日
97万人 3.3億円
第16作 ゴジラ 1984年(昭和59年)
12月15日
320万人 17億円
第17作 ゴジラvsビオランテ 1989年(平成元年)
12月16日
200万人 10.4億円
第18作 ゴジラvsキングギドラ 1991年(平成3年)
12月14日
270万人 14.5億円
第19作 ゴジラvsモスラ 1992年(平成4年)
12月12日
420万人 22.2億円
第20作 ゴジラvsメカゴジラ 1993年(平成5年)
12月11日
380万人 18.7億円
第21作 ゴジラvsスペースゴジラ 1994年(平成6年)
12月10日
340万人 16.5億円
第22作 ゴジラvsデストロイア 1995年(平成7年)
12月9日
400万人 20億円
第23作 ゴジラ2000 ミレニアム 1999年(平成11年)
12月11日
200万人 16.5億円
第24作 ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 2000年(平成12年)
12月16日
135万人 12億円
第25作 ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 2001年(平成13年)
12月15日
240万人 27.1億円
第26作 ゴジラ×メカゴジラ 2002年(平成14年)
12月14日
170万人 19.1億円
第27作 ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS 2003年(平成15年)
12月13日
110万人 13億円
第28作 ゴジラ FINAL WARS 2004年(平成16年)
12月4日
100万人 12.6億円

 

既に興行収入ではトップに躍り出ていますね。

 

なんといっても、今回のゴジラが以前までのゴジラと違うのが、焦点を当てているのが、ゴジラではない、ところかと思います。

今回の『シンゴジラ』の場合、もちろんメインはゴジラなのですが、これまでのゴジラVS◯◯といったように、いわゆる怪獣対怪獣の構図ではなく、怪獣対日本(世界)となっています。また、興味深い事に、ゴジラ自体を生み出したのは、とある日本の教授という事になっています。そしてゴジラを生み出した要因もいわゆる怨念に近いところもこれまでのあらすじとは大きく離れているかなと個人的に思いました(ゴジラシリーズを全て見たわけではないですが)。

 

 

3.フォーカスを当てる点が現代風である

特に印象的だったのは、日本という組織における意思決定プロセスです。特に各意思決定を行うのが、政府ということもあり、日本の意思決定プロセスの課題にフォーカスを当てているような気がして、大変もどかしい部分が多々ありました。

 

例えば、以下の様なやり取り

※前提として、内閣官房から各省庁へ会議で決定した議事を指示するのだが…

***「では、閣議で決定した通りで動いて頂ければと思います」

各省庁の担当者「今の指示はどの省庁に向けて言ったのですか?」

 

といったようなやりとりや

※前提として、前線でゴジラと対峙している自衛隊がミサイルを打ってよいかの判断を迫られている時に

前線の自衛隊「◯◯機、◯◯で待機。ミサイル発射準備よし、発射指示を待つ」

自衛隊基地の隊長「前線準備完了。ミサイル発射許可を求む」

閣僚会議での防衛庁長官「総理、発射指示を」

総理「まだ避難が終わっていないのに打つことはできん!」

 

といったような、垂直型の意思決定によって、何もできない…といったようなシーンがたくさん見受けられました(誤解を招くようですが、個人的にこれが悪いと言っているわけではないです)。

 

また今回登場したゴジラは、核を主たるエネルギーとして動いているという設定になっています。故に、出てくる用語が大変むずかしい…かつ敢えてわざと難しい言葉を早口で言うような設定にしているように思えました。そういう意味では、なかなかこどもが内容を理解するのは難しい、大人向けの映画だと感じました。

 

内容的には完全に日本向けに特化した映画であり、このままの内容ではおそらく海外ではまったくうけないのではないでしょうか?

 

とはいえ、内容的には大きな組織の中で、いわゆる「優秀」とは判断されないひねくれ者ばかりで集められたチームが次々にゴジラの謎を解明し、万が一の可能性にかけてすすめていくストーリーなんかは非常に見ていて痛快に感じました。

 

 

もうまもなく、映画自体は終わってしまうようですが、まだ見ていないという方は、ぜひ一度DVD等でも見られると良いかと思います。

 

 

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