こんにちは。ひとりで.comです。
2016年9月9日の「日経スペシャル 夢職人」は錦見鋳造の特集です。三重県桑名郡木曽岬町にある社員14名の錦見鋳造株式会社は「魔法のフライパン」を扱う小さな会社です。
※錦見鋳造=にしきみちゅうぞう と読みます。
注文してから24ヶ月待ちの「魔法のフライパン」を扱う錦見鋳造株式会社
【目次】
1.錦見鋳造株式会社の基本情報
2.魔法のフライパンとは?
3.社長の思い
1.錦見鋳造株式会社の基本情報
錦未鋳造株式会社の基本情報は以下の通りです。
会社名 | 錦見鋳造株式会社 |
設立 | 1989年9月1日(創業1960年) |
資本金 | 1,000万円 |
代表者 | 代表取締役 錦見泰郎 |
事業所 | 三重県桑名郡木曽岬町大字栄262番地 |
工場面積 | 1,650平方米 |
主な取引先 | (株)東急ハンズ、(株)三越伊勢丹、(株)アンレット |
主要製造品項目 | フライパン、北京鍋、真空ポンプ部品 |
2.魔法のフライパンとは?
魔法のフライパン…皆さん、この言葉を聞いたことがありますでしょうか? テレビ等のメディアにも度々取り上げられるこの錦見鋳造の魔法のフライパン…いったいなぜこんなにも注目されるのでしょうか??
魔法のフライパンの3つの特徴
この魔法のフライパンには大きく分けて3つの特徴があります。
(1)熱効率が良い
鉄のプライパンなので、もともと熱効率は良いのですが、その中でも熱効率が高いのが魔法のフライパンのひとつの特徴です。以下のグラフは魔法のフライパンとそれ以外のフライパンでの熱効率の違いを示したグラフです。
(2)焦げつきにくい
鉄のフライパンはスレンレス製のフライパンと比較して焦げがつきやすい特徴があります。しかし魔法のフライパンは卓越した技術によって、表面加工を工夫しており、焦げ付きにくい特徴を持っています。
ただし、口コミなどの評価では、焦げ付きやすいといった評価がついていたりもします。この評価の違いはどこから出てくるのでしょうか?
実は、鉄のフライパンというのは、特徴があって一般的には洗剤で洗ってはいけない…というのが鉄則です。これは、鉄のフライパンは油を鉄ににじませることによって味がでる、という特徴を持っており、これを洗剤で洗ってしまうとせっかくにじませた油がとれてしまい、結果的に焦げ付きやすくなってしまいます。またステンレス等のフライパンと比較すると鉄のフライパンは焦げ付きやすいので、そこと比較して焦げ付きやすいという評価になってしまっていると考えられます。
(3)一体型で丈夫で長持ち
柄の部分とフライパン部分をひとつの鉄から作り上げているというのも魔法のフライパンの特徴のひとつと言えます。
3.社長の思い
現在の社長は錦見泰郎社長。錦見泰郎社長は父の会社を継いだ2代目です。バブル崩壊を機にそれまで下請け専業の工場だった錦見鋳造の舵を切ることになった。
バブル崩壊とともに、元請け企業が30%の値下げを要求してきた。「嫌ならやらなくていい。代わりはいくらでもいる。」と宣告されたそうで、そのとき目にした新聞の社説が脱下請けの決心をさせた。
「生き抜くためには、価格競争なら3分の1に、技術競争ならば3倍難しいことをやれ」と書かれていた。社長は、技術競争へ舵を切り、販売価格、納期を自分で決められる自社製品の開発に取り組み始めた。狙いをつけたのは存在しなかった鋳物のフライパン。
開発に3億円をかけ、重くて主婦には使えない鉄製のフライパンを開発。開発には9年間を費やしたという。その試作に試作を重ねた卓越した技術を用いてできたのが魔法のフライパンである。いまだに魔法のフライパンは手作りにて製造されている。
というのも、鉄を流し込む感覚が機械での実現が難しく、タイミングがずれるとすぐに不良品になってしまうため、1日100個作ることが限界であるそうだ。これが、24ヶ月待ちとも言われる所以である。
しかしながら、錦見泰郎社長は、飽くなき追求心でこの部分の機械化にもチャレンジしている。誰もできないことに挑戦するのは、楽しいといい、今後の目標も魔法のフライパンを世界ブランドにすることとしてチャレンジすることをやめない。
今後も魔法のフライパンに目が離せないですね。