こんにちは。ひとりで.comです。
2016年10月8日放送の夢職人は「人材を人財に!遊び心が企業を育てる」と題して、岐阜県美濃市にある有限会社シオンを特集します。
難加工技術を得意とする有限会社シオン
【目次】
1.有限会社シオンの基本情報
2.山田社長の社員教育への思い
3.卓越した難加工技術とコマ
1.有限会社シオンの基本情報
有限会社シオンの基本情報は以下の通りです。
企業名 | 有限会社シオン |
住所 | 岐阜県美濃市御手洗936-8 |
代表 | 山田 健 |
資本金 | 300万 |
売上 | 非公開 |
従業員数 | 9名 |
事業内容 | 複合(NC旋盤・マシニング)加工(航空機部品 工作機械部品 印刷機械部品) |
2.山田社長の社員教育への思い
有限会社シオンの代表である山田健社長は社員への教育に非常に強い思いを持っています。
その思いは、山田社長自身の経験に由来します。元々両親がバスの部品を製作する会社を営んでいました。当時はオイルショックの時期で、なかなか安定した仕事ではなかったそうですが、それでも両親がやりがいを感じながら仕事をしている姿をずっと見てきました。
山田社長が最初に入った会社は規模も大きく、仕事も分業化されており、モノを作る喜びを直に感じられませんでした。そんな時、イキイキと仕事をしている姿を思い出し、両親の会社を継ぐことを決めました。
自身の会社では、従業員9人全員が企画開発を担当し、ひとりひとりがものづくりを体感する…という体制を敷いています。そして、開発の人間だからこそ、コミュニケーションを重要視しており、人に何かを伝える事や人に意見を聞くことを重点的に社員教育に取り込んでいます。
また、ひとりひとりにリーダーシップを取れるような仕組みも入れており、どう周囲を巻き込んでいくか、という力も身につけられるようにしています。
有限会社シオンではチタンやタングステンといった、通常、加工が難しい製品の加工を得意としている。その技術を応用して、ペンやコマ、マッチやアロマケースなどの生活雑貨を独自ブランド「NEIGHBOR」として販売しており、今では自社開発製品の売上比率は全体の10%にのぼるという。
3.卓越した難加工技術とコマ
自社の技術を宣伝する目的として、2012年に行われた「第2回全日本製造業コマ大戦」にて優勝を勝ち取りました。
航空部品を作る技術を応用して精密に作られたコマ。日本一の投げてがこのコマを回すと、900秒も回り続けるそうです。
コマは先端(接地面)が命。ここを如何にどのように仕上げるかが大きな課題でした。削りだしではどうしても滑らかさが出ない。少々磨いただけでは回転時間が伸びない。磨いた球を後から取り付けると同軸度が出しにくい。
などの問題を解決するため ボールペン先端の構造体そのものを活用することを思いつきました。
優勝した時のコマが以下です。
最終的な重さは61グラム。
回転力を高めるために中心付近に沢山の小さな穴を開けました。(深さは予選時の1,5倍の10ミリ)重いコマを回すのに最適な最も力を伝えやすい軸の太さ そこに掘り込む滑り止めの形状(投げた後の手離れもよくないといけません)はかなり試行錯誤しました。
通常は ローレットという比較的加工のしやすい方法を採用するのですが 力のかかる方向 投げやすさ 手離れの良さを考慮してオリジナルの加工プログラムを作り 高速ミーリングにて削りだしました。
この大会での優勝が有限会社シオンの技術力の高さ、そして社員のモチベーションアップに大きく繋がったそうです。