こんにちは。ひとりで.comです。
2016年10月15日放送の夢職人は「布施金属工業」(通称:フセキン)。インターネットを武器にアルミ加工の受注を取る中小企業を特集する。
インターネットで世界デビュー!アルミ加工の駆け込み寺(布施金属工業)
布施金属工業(フセキン)の基本情報
大阪府東大阪市にある布施金属工業株式会社。アルミ加工が得意な同社の基本情報は以下の通り。
企業名 | 布施金属工業株式会社 |
住所 | 大阪府東大阪市森河内東2-7-27 |
代表 | 代表取締役 西堀 一 |
資本金 | 1,000万 |
売上高 | 不明 |
従業員数 | 6人 |
事業内容 | アルミニウム及びアルミニウム合金を主材料とする各種製品の製造及び加工 |
アルミ加工に特化
布施金属工業は、創業昭和36年。東大阪市にある典型的な町工場のひとつである。
※余談ではあるが、東大阪市は「モノづくりのまち」と呼ばれるほど、いわゆる町工場が数多く存在する。
以下を見て頂くと分かる通り、事業所数ですと全国5位(しかも上位4つは政令指定都市)、また事業所密度で言うと、圧倒的に首位をマークしている。それだけ、町の中に町工場が多いということになる。
ではなぜ、東大阪に町工場が多いのでしょうか?
一説によると、東大阪は元々、旧大和川の河川跡を中心とした低湿地な土壌のエリアであり、農業はもとより住宅地としても開発が遅れいた地域です。したがって町工場などの、ある程度の広さとある程度の騒音公害などが許容できる地域であった、ということです。
そしてそういった町工場が集まった場所では、生き残りをかけて各工場が切磋琢磨した結果、職人技術が研ぎ澄まされた、ということになります。
布施金属工業株式会社もそのひとつで、元々は金属加工をメイン事業として展開してきた。
しかし、元請け企業の海外移転やリーマンショックなどにより一時は売上が3分の1に落ち込んだ事もあったという。
そこで、布施金属工業は、加工部品をアルミに絞込むことにした。
アルミの特徴としてまずあげられるのが、その軽さである。一般的に鉄と比較して重さは3分の1程度と言われており、その軽い性質を活かして輸送貨物製品に使われる。また、プロペラや工業機械といった分野の回転軸にも使われる。軽いとその分回転数があがるため、作業効率がアップする、という仕組みである。
2つ目の特徴としては、耐食性が高いという点である(すなわち錆びにくい)。従って、船舶や海洋開発分野にて使われることも多い。
3つ目の特徴としては、通電性が高いという点。アルミの導電性は銅の60%ですが、比重が3 分の1 ですので比重あたりの導電率は高くなります。従って、高電圧送電線にはほぼ100%アルミが使用されています。
4つ目の特徴としては、非毒性である、という点。非毒性という特徴を活かして、アルミは医療機器や医薬品の包装、飲料缶、家庭用器物に使われます。身近な例では、フィルムと張り合わせて食品の包装に多用されているアルミ箔があります。
上記以外にも鉄などのその他金属と比較して、優位な特徴を有するアルミですが、その分アルミ加工は、他の金属と異なり、加工・溶接には技術が必要とされる。
アルミ加工に自信を持っていた同社だが、それを伝えることができない。この技術の高さをなんとか伝えることができればきっと必要としてくれている人たちがいるはずだ…と考えていました。 ホームページを作ってみたが、特にアクセスもなく、途方にくれている時に、あるお客さんから問い合わせが入った。
「壊れたロードバイクを直して欲しい」
自転車屋では、アルミ加工の技術がなく、修理することができない。そこでインターネットを探して問い合わせをしてくれたお客さんからの依頼だった。
それほど儲かる仕事ではなかったが、直接お客さんから問い合わせを頂いたという事もあり、引き受けることにした。
しかし、なんとその成果が、SNSを通じて広まり、様々な問い合わせが入るようになった。
例えば以下のような例。バイクのタイヤを純正のものから市販品に変更した…しかしタイヤカバーの部分が純正のものだと入らなくなってしまった…アルミを使って代替品を作成する…といった具合にである。
もちろん、一般顧客の依頼だけでなく、企業からの依頼も増えたという。例えば以下のようなアルミの土台のテーブル。こちらも依頼をもらって布施金属工業で作成したもの。
こういった仕事が新たなSNS拡散を生み、なんとレディ・ガガの衣装まで依頼されることにもなったそうです。
※どの衣装かについての言及はないですが、おそらく以下のものと推察されます。
卓越した技術力、そしてそれを伝えるSNSによる拡散。この組み合わせによって、布施金属工業は町工場の復活を成功させた。