[がっちりマンデー!!]月刊食堂編集長が教える!儲かる飲食店、地方飲食店3選- 2016年10月21日

がっちりマンデー
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こんにちは。ひとりで.comです。

 

2016年10月22日のがっちりマンデー!!は「月刊食堂編集長が教える!「地方バラバラジャンル王」って?古河市内だけで7店舗!売上げ9億!秘密は「バス運転手」?」と題して、地方都市でバラバラのジャンルを経営する3つの企業を紹介します。

 

地方都市(姫路・古河・宇都宮)バラバラ飲食店で儲ける!

 

今回紹介された企業は、どれもドミナント戦略と呼ばれる手法を応用した形です。

ドミナント戦略

小売業がチェーン展開をする場合に、地域を特定し、その特定地域内に集中した店舗展開を行うことで経営効率を高める一方で、地域内でのシェアを拡大し、他小売業の優位に立つことを狙う戦略をドミナント戦略といいます。

引用:J-marketing.net

ただし、一般的に言われるドミナント戦略は、同じ業態の店舗を出店させるものである。コンビニのセブンイレブンが同じ地域にたくさん店舗を出店する、というのを想像して頂くとわかりやすい。また、靴のABCマートも同様にドミナント戦略を取っている。

 

今回紹介する飲食店については、これを応用した形で、同じ会社が同じ場所に別の業態の飲食店を出店しているケースである。通常、飲食店の場合、同じような場所に出店すると、顧客の取り合いになってしまうため、同地域への出店を避ける傾向にあるが、それを業態を別のものにすることによって、顧客の分散を図っている。

 

 

 

 

兵庫県姫路にある株式会社エイトリンク

 

株式会社ATE-LINK(株式会社エイトリンク)は2014年1月に設立した飲食店をメインに事業展開する企業。 代表取締役 松尾 守晃氏は、大手外食チェーンで10年間、商品開発や業態開発を行ってきた。その経験を活かして、兵庫県に業態の異なる飲食店を6店舗運営している。

 

エイトリンク まるまさ
エイトリンク まるまさ

飲食業定番の4大業態で入りやすい店舗設計

 

エイトリンクが運営する業態は4つ。焼き鳥、イタリアン、天ぷら、肉である。この業態は姫路の地方都市の特徴を活かしたもので、東京で流行りの最先端の飲食店ではなく、飲食の定番の上記4業態に絞ったところにある。

 

どうしても兵庫県は、東京都比較して、最先端の飲食業態は受け入れがたい傾向にあるため、地元民が誰でも入りやすい、定番の4業態に絞って展開をしている。

 

また、特にイタリアンなどは中年男性がどうしても入りにくい業態になってしまうため、店舗の設計を中年男性でも入りやすいような設計にしている。

例えば、入り口の看板は、提灯をあしらったものにしたり、店内は大衆居酒屋のような雰囲気を出したり、スパークリングワインをジョッキで提供する、といった具合にである。

 

 

徹底して考え抜いた商品設計

 

店舗設計だけでなく、商品設計に関しても代表 松尾氏の過去の経験が活かされている。それは、高原価目玉商品とサイドメニューの組み合わせである。

 

例えば、肉のお店「肉バルの肉屋まるまさ」では、目玉商品として「肉焼き盛り」というものを提供している。

肉家 まるまさ 肉盛り
肉家 まるまさ 肉盛り

 

赤焼き、白焼き、牛タン焼きの3種類が一つの鉄板で楽しめ、450グラムの肉が3,240円という価格で楽しめるとあって、非常に人気のメニューである。

 

この商品、原価率が78%と非常に原価率の高いメニューであるのだが、ここにも秘密が隠されていた。(通常、飲食店の利益率は30%が一般的)

 

このお店には3人でいらっしゃる男性のお客さんが多いという。ということは通常上記のメニューを頼むと、450グラム ÷ 3人 = 150グラムとなる。男性ひとりが150グラムというのは物足りない分量となるため、サイドメニューをひとりあたり2つぐらい頼むことになるという。サイドメニューはメインメニューと比較して原価率を低く作っているため、最終的に原価率が低くなる、という計算になる。

 

上記3人のお客さんの想定だと、概ね3人で9,000円の注文があり、原価率は48%まで下がるという。これで概ね20%の利益が出る…というのが松尾氏の計算である。

 

こうした緻密な店舗開発、商品開発によって、売上は6店舗で3億5千万を見込んでいる。

 

 

 

 

 

茨城県古河にある株式会社丘里

 

株式会社丘里は、茨城県古河市に本社を置き、7店舗を運営している。釜飯、とんかつ、お寿司などの和食を中心に5業態を展開しており、7店舗合計で年間売上は9億円を見込んでいる。

 

株式会社丘里
株式会社丘里

 

古河市という地域特性に併せ、宴会を狙う

古河市は、北関東でも有数の工業地帯である。山崎製パンやヤマザキナビスコ、積水ハウスなど、大手の工場が密集している。また積水ハウスの関連、下請け企業の工場もこの地域に多いのが特徴である。こういった地域特性を活かして、宴会需要を狙っているのが丘里の戦略である。

 

 

工場で働く人は、他の地域と比べて人の数が多い。その為、歓送迎会、忘年会、新年会、達成会など様々な宴会が多い。また、宴会はこの地域の一般的な客単価2,000円 – 3,000円と比較しても5,000円 – 6,000円と客単価が高いのも狙い目のひとつである。

この宴会需要を取りに行くためにも丘里では様々な工夫を行っている。

 

 

宴会需要を取る工夫

 

1つ目は、送迎である。丘里では、宴会注文のお客様には、自社のマイクロバス6台をフル活用して送迎を行っている。スタートの時間に併せて、工場までお迎え、そして終わった後には近くの駅までお見送り、といったようなサービスを行っている。

 

2つ目は、徹底した時間管理である。宴会はともすれば、時間がオーバーしてしまう事が多い。丘里では、この時間管理を徹底している。例えば、人数が多くなると、飲み物の注文ひとつとっても時間がかかってしまう。従って、「乾杯の際のビールとウーロン茶は無料で提供」という形式を取っている。これによって、スタートの時間を遅らせないようにしている。これで10分は確実に時間短縮になるという。

 

3つ目は、顧客の声に耳を傾ける、点である。これはどの飲食店でも当然の施策であるが、丘里の場合は少し違う。上記のサービスとも結びつくが、送迎を行っている事で、帰りのバスなどで「料理がおいしかった」「釜飯の量が多すぎだった」などといったように提供したサービスの感想が車内で話されることが多い。こういったお客さんの声を拾い上げてサービス改善に結びつけているという。実際にこの声を元に、釜飯の量を減らしたり、宴会の席(座敷)に椅子を置くなどといったサービス改善を行っている。 このお客さんの声を聞くにあたっては社長自らもバスの運転手となって、車内の声に耳を傾けているという。

 

 

 

 

 

 

 

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栃木県宇都宮市にある株式会社チームバリスタ

 

地元民から「バリ系」と呼ばれる株式会社チームバリスタ。

 

栃木県宇都宮市の駅前中心に、炉端焼き、カフェ、焼き鳥、ラーメン、エスニック居酒屋、バルの6業態6店舗を展開しており、年間売上4億5千万を見込んでいる。

 

 

チームバリスタ
チームバリスタ

 

 

 

チームバリスタが推進する2枚看板戦略

 

チームバリスタでは、6業態共通のポリシーとして、2枚看板戦略というのを取っている。これは宇都宮という地域の特性を捉えた商品戦略である。

宇都宮は、人口52万人。東京から新幹線で50分という「遠からず近からず」という場所に位置する。そういった位置関係を象徴するかのように、宇都宮にいる人たちは以下の2つの特徴にわかれるという。

新しいもの好き

保守派

こうした2つの種類の人たちのいずれにも嫌われないような商品戦略を取ることこそが宇都宮で成功する秘訣であるとし、各店でそれぞれの人にあった商品を提供している。

 

例えば、カフェにおいては、新しいもの好きの人には「ガレット」保守派の人には「パンケーキ」といったようにである。こういった商品設計はどの店舗でも実施されており、どちらの層にも人気となっている。

 

また、保守派の人に、お店に入ってもらいやすいように店の外から店内の雰囲気がわかるような店舗設計をしている。