[未来世紀ジパング]シリーズ「中国異変」日本人が知らない・・・中国の大転換! – 2016年10月24日 –

ジパング
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こんにちは。ひとりで.comです。

2016年10月24日放送の未来世紀ジパングは「シリーズ「中国異変」日本人が知らない・・・中国の大転換!」と題して、中国の産業進化についてに迫る。

 

シリーズ「中国異変」日本人が知らない・・・中国の大転換!

 

 

 

メードインチャイナ2025で政府が後押し

メードインチャイナ2025
メードインチャイナ2025

 

中国政府が打ち出した「メードインチャイナ2025」という経済の構造改革。2025年までに中国の産業を大転換していこうという取り組み。これまでの安いものを大量生産するのではなく、高付加価値のものを独自の技術で作ろうとしている。

 

これまでの中国の製品はどうしても「やすかろう悪かろう」のイメージが強くなってしまっているが、このイメージを変革したいというのが、上記試みの目的である。(実際、最近ではMade in Chinaでは売れなくなってきているので「Made in PRC」(People’s Republic of China)と書いている事が多い)

 

この「メードインチャイナ2025」は国を挙げてこの政策を後押ししており、国が積極的に補助金などで支援を行っている。

 

例えば、ロボットがそのひとつである。中国の「穿山甲ロボット」という企業は料理ロボットを製造販売する会社である。

刀削麺ロボット
刀削麺ロボット

 

上記は、見た目は非常に稚拙に見えるかもしれないが、中国伝統の料理である刀削麺を作るロボットである。御存知の通り、刀削麺は料理人が小麦粉の塊をもって、包丁で削ることに麺を作っているが、ひたすら肉体労働である。それを機械で代替するのがこの刀削麺ロボットである。こういったロボットを中心に年間8,000台ものロボットを生産し、年間売上は約8億円にのぼる。

政府がロボットを導入した企業に補助金を支払う政策を行っていることも後押しし、昨年よりも売上が3倍に伸びたという。

 

 

 

 

中国のシリコンバレー、深圳の海亀族

 

秋葉原の30倍もの面積を誇る中国最大級の電気街。元々人口3万人の漁村だった深圳だが、計画経済の限界を迎えていた社会主義状況下において、当時の最高指導者である鄧小平が「改革開放政策」を打ち出し、海外資本の導入として市場経済への移行を図った。1979年、深圳が初の経済特区に指定され、一気に発展を遂げる形となった。

 

 

深圳には、世界でも有数のハイテク産業が集まっている。例えば、スマホメーカーのハイウェイやZTE、電子メーカーのテンセント、ドローンシェア7割を誇るDJIなどが本社を構える。

 

 

そんな深圳で海亀族と呼ばれる集団がいま注目されている。海亀族とは、海外で博士号などを取得して中国に帰国し、ハイテク産業などで起業を目指すひとたちの事を指す。海外から帰国した人を「海帰(ハイグイ)」と呼ぶが、それが「海亀(ハイグイ)」と同じ発音であることから、この名がついたという。

 

その代表とされる企業がロイオル。2012年創業で既に社員は500人を超える。社長は劉氏、33歳。アメリカのスタンフォード大学で博士号を取得したエリート。帰国後深圳で起業。代表的な製品はフレキシブルキーボードフレキシブルディスプレイ(髪の毛の5分の1の薄さ)。

 

フレキシブルディスプレイ
フレキシブルディスプレイ

 

深圳には電子産業のサプライチェーンが集まっている。必要な部品の調達には非常に便利だと言う。劉社長曰く、いまや電子産業のハードウェアではシリコンバレーよりも充実しているという。

 

 

 

 

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中国による企業の爆買い – ドイツメーカーKUKA(クーカ)買収 –

KUKA ロボットアーム
KUKA ビールロボット

いま、中国による「企業の爆買い」が進んでいる。「爆買い」と言えば、中国人観光客が日本の家電量販店やドラッグストアで大量に日本製品を購入するイメージがあるが、企業買収においても、その動きが進んでいる。そのひとつが、中国企業によるKUKAの買収である。

KUKA(クーカ)はドイツにある、産業用ロボット世界シェア第2位の企業である。ドイツが進めるインダストリー4.0(第4次産業革命)という政策の中でも、KUKA(クーカ)は中核企業として位置づけられていた。このインダストリー4.0にはドイツ企業約6,000社が参加するほど、国をあげての政策であった。

 

しかし、2016年8月、この中核企業であるドイツのKUKA(クーカ)が中国企業に買収されてしまった。買収したのは中国広東省にある白物家電メーカーの「美的集団(ミデアグループ)」。売上は2兆円規模で家電メーカー世界第2位を誇る。2016年6月に東芝の白物家電部門を買収したことも記憶に新しい。

 

KUKA(クーカ)と美的集団(ミデアグループ)の買収契約では、7年半は顧客情報に何ら影響を与えない従業員の賃金低下や人員削減などを迫ってはならない、といった内容が盛り込まれていた。

しかしながら、中国という国の特徴から、政府の影響を受けやすいため、今後どのようになっていくのか不透明な部分があり、楽観視はできないとドイツの地元メディアは報じている。また、契約の制限である7年半後どうなるのかが不安視されている。