こんにちは。ひとりで.comです。
2016年11月14日放送の未来世紀ジパングは「世界に挑む 日本式販売!」と題してマレーシア・台湾・ベトナム・タンザニアの日本式販売方法を特集する。
アジアで注目される日本式販売!
マレーシア伊勢丹での御用聞き販売
2010年、マレーシアの経済成長率は7.5%だったが、2016年は4.3%が予測され、経済成長の鈍化が見込まれている。そんな時代だからこそ、”どう売るか”に着目され始めている。そこで白羽の矢が立ったのが日本式の売り方である。
マレーシアの伊勢丹は「The Japan Store」と銘打っている。その内装、店舗設計は日本のどの小売店よりも日本らしい店舗が立ち並ぶ。この伊勢丹には、クールジャパン機構も8億円の出資を行うほど、国を挙げての支援を行っている。
その伊勢丹マレーシアの最大の特徴が「チームなでしこ」の存在である。チームなでしこは、日本で接客を学び、礼儀作法・お茶の作法を学んだプロフェッショナルがおもてなしを行ういわば現代版の”御用聞き”集団である。
御用聞き
元々は江戸時代から地域の豪農たちがお城や大名屋敷に行っていろんな業務を請け負ってくる人々の事を指す。現代では百貨店の外商と呼ばれる職業で「外商」は一般的には年間500万以上購入してくれる上顧客を接客する。
台湾で日本式実演販売
経済成長が止まってきた台湾。景気は少し持ち直してきたものの、中国の経済成長に頼ってきたが故に、中国の経済成長が止まると同時に台湾の経済成長も鈍化してきている。
そんな台湾で実演販売を展開するのが、コパ・コーポレーション。
1996年創業で、実演販売士32人が所属する。年商は21億円。国内市場が縮小していく中で、海外市場を目指して動き始めている。
今回紹介されたのは台湾の駅ナカで行う実演販売。ここで抜擢されたのが25歳の早稲田大学卒の社員。着物を着ながら、日本語と台湾語を交えながら実演販売を実施。
実演販売の力というのは、国境を越えても充分通用するという。
実演販売
実演販売の歴史は平安時代に遡る。口上で物を売ると言う形態が確立されてきたのは室町時代からとされており、主に薬や化粧品を扱っていた。江戸時代に入るとガマの油などが登場し、明治時代になるとバナナの叩き売りなどの露天商が知られるようになった。その後、活動の場は神社の境内などで販売を行う的屋から、実演販売の聖地と呼ばれた秋葉原の屋外販売へと移って行く。そして1960年代から百貨店やデパートで販売を行うようになり、1970年代になるとアキハバラデパートの実演売り場が本格化する。1980年代にはラジオショッピングやテレビショッピングで販促するプロとして登場・出演する機会が増え、ヒット商品を多数生み出したことにより存在が広く認知されることとなる。2000年代にはCATVやBS当の多チャンネル化に伴い、24時間型のショッピングチャンネルが登場したこともあり、その活動は多岐にわたっている。
出典:Wikipedia
台湾で実演販売するのは…日本製汚れ落とし「ハイホーム」
魔法のコトバ=「白閃閃(ピッカピカ)」
を多用しながら、道行く人に特殊な洗剤を実演販売する。あっという間に人だかりができ、反応は上々。
今後、台湾で得たノウハウをもとに、香港や中国などにも進出していきたいと考えているという。
ベトナムの交通事故防止のための「道の駅」
ベトナムのハノイとホーチミンを結ぶ1,800キロに及ぶ国道1A号。車の増加とともに事故の数も年々増加している。この間を結ぶ長距離バスは40時間もかかるという。この国道には、2009年まで道の駅のような本格的な休憩所がひとつもなかったという。
日本のJICA(国際協力機構)はベトナム政府と共同でこの国道含めベトナムに”道の駅”を設置するプロジェクトをスタートした。2009年に3箇所の道の駅を作り、2016年現在、ベトナム全土に15箇所まで増えているという。
この”道の駅”の仕掛け人は道の駅のカリスマ、千葉県南房総市にある道の駅とみうら枇杷倶楽部の初代駅長である加藤氏。赤字の道の駅を黒字化した実績を買われプロジェクトマネージャーに抜擢された。
加藤氏によれば道の駅の成功の秘訣のひとつが、地域の特産品である。道の駅によって地域の経済が回っていくのが日本式の道の駅だという。
加藤氏は地域の農村に注目した。道の駅の近くにあるビンチー村はお米を特産品とする村であった。道の駅ができる前は平均月収4,700円ほどであった。お米を元に作られていたライスペーパーに注目し、特産品となるようにアドバイスを行った。
アドバイスにとどまらず、雨季でも安定的にライスペーパーが作れるようにライスペーパー用乾燥機を無償提供し、そのおかげで道の駅でも最大のヒット商品となったという。このライスペーパーを作る工場は以前の月収が4倍にまであがったという。
社会貢献につながる日本式富山の置き薬
置き薬とは、日本独自の医薬品販売業態である。一般的には配置販売業と呼ばれる。
配置販売業
配置販売業(はいちはんばいぎょう)は、医薬品の販売業の業態のひとつである。富山の置き薬(富山の売薬)がその典型である。日本独自の医薬品販売の形態で、医薬品医療機器等法第25条第2号、第30条~第33条に規定されている。
販売員(配置員)が消費者の家庭や企業を訪問し、医薬品の入った箱(配置箱、預箱(あずけばこ))を配置し、次回の訪問時に使用した分の代金を精算し、集金する仕組み(「先用後利(せんようこうり)」という。)である。配置員が配置した薬は、一般に「置き薬」(おきぐすり)と呼ばれる。出典:Wikipedia
日本国内でも200億の市場があるこの置き薬。この仕組みを活用しようとしたのがNPO法人のアフリメディコという企業である。
NPO法人アフリメディコは2015年9月からアフリカのタンザニアの無医村に日本式置き薬を配布している。
発展途上国の場合、都市を離れると医者がいない…という状況がまだまだよくある。したがってこの置き薬という日本式の販売方法が役立っているという。
御用聞き販売に実演販売、道の駅、置き薬…日本式の「売り方を売る」方式が国際貢献につながっている。