こんにちは。ひとりで.comです。
2016年11月17日放送のカンブリア宮殿は”全国に広がる健康食品ブランド 山梨発!独自戦略のローカルスーパー”と題して株式会社いちやまマートを特集します。
【目次】
いちやまマートの基本情報
株式会社いちやまマートの基本情報は以下のとおりです。
企業名 | 株式会社いちやまマート |
住所 | 山梨県中央市若宮50-1 |
創業年月日 | 1958(昭和33)年4月 |
代表 | 代表取締役社長 三科雅嗣 |
店舗数 | 13店舗(山梨県:11店舗、長野県:2店舗) |
従業員数 | 1,100名 |
資本金 | 4,995万円 |
売上高 | 225億 / 2015年(平成27年) 2月期 |
「美味安心」良いものだけを…地元に人気のいちやまマート
健康的な食生活をすすめるいちやまマート。いちやまマートでは、減塩コーナーや糖質カットコーナーといったコーナーが並ぶ。減塩コーナーでは、塩分40%オフのあじの干物だったり、塩分50%オフの塩辛などが並ぶ。
例えば揚げ物であれば、衣は小麦粉でなくて大豆粉を使う。それだけで糖質は6分の1になるという。また、米はこんにゃく米を入れ、糖質を抑えている。米とこんにゃく米の割合は6:4が一番美味しく作ることができるという。
これだけ手間をかけて作るため、利益率は下がってしまうが、なるべく良いものを安く提供できるように日々改善を図っているという。
いちやまマートで注目すべきは同社のプライベートブランド「美味安心」(未来を担うこどもたちのために…)
美味安心
美味しさを高めるために、品質の優れた素材を厳選。産地や味などにこだわった「安心・安全」な原料を使用しています。
製造方法にもこだわり、開発には時間とコストを惜しまず、何度も何度も試食を繰り返しました。そして、お客様に「美味しい!」と言って頂けるオリジナルの味を追求しました。
「美味安心」の品々はどれも化学調味料をはじめ、化学合成された添加物を使っていないため
素材の持つ自然な美味しさが引出されています。”あと味のすっきり”とした、美味安心の品々をどうぞお試しくださいませ。
化学調味料で調整した味でなく、本来の素材が持っている「本物の味・美味しさ」をお届けします。
プライベートブランド「美味安心」の誕生秘話
美味安心の商品数はいまや400種類以上。お菓子類だけでも60種類以上あるという。美味安心ブランドの商品は、山梨県の地域のメーカーに委託して製造してもらっている。
例として2つの美味安心商品が紹介されていた。
ひとつめは中部食品という地元メーカーが製造する、減塩の魚のぬか漬けである。減塩するとどうしても味が落ちてしまう…ということで、試作品を4度も作り直した。
結果、塩を通常の塩の4倍、5倍の価格の五島灘の塩を使うことで、減塩とおいしさを実現することができた。
ふたつめは「りんごジュース」。
青森県産のりんごをひとパックで6個も使用した1本409円のりんごジュース。人工甘味料・香料・水を一切使用せずに作られたりんごジュースで、市販のりんごジュースの2倍の値段になるという。それでも、いちやまマートのお客さんはプライベートブランドを選んで買っていくという。
いちやまマートお客さんは言う。
「確かに少し高いかもしれないが、お医者さんに費用をかけるよりもこちらの健康食材にお金をかける方が結果的に得になる。」
と。
美味安心は今では全国80社、1,000店舗以上で取り扱われているという。
では、どうやってこの爆発的ヒットを生み続ける「美味安心」というプライベートブランドが生まれたのでしょうか?
三科氏はプライベートブランドをはじめる際、プライベートブランドをやる意味についてよく考えた。本来、プライベートブランドをやる意義というのは、いちやまマートのブランド価値をあげるものでなくてはならない…という結論に達した。
それまで持たれていたナショナルブランドより安くて、それなりの味…というプライベートブランドの発想を転換し、おいしいプライベートブランド商品によって、いちやまマートのブランド価値をあげようと考えた。
健康志向のスーパーマーケットを目指したいちやまマート
もともと、健康志向のスーパーマーケットではなかったいちやまマート。現社長の三科氏は2代目社長であるが、父が56歳、兄が46歳という若さでともにがんで亡くなっている。
この際のショックは計り知れないものであった。そこで三科氏は、自分ではいったい何ができるのか…と言う事を考え、健康に関する本を片っ端から読み漁ったという。
それでも、何からはじめるべきかというのがわからず、専門家に相談したところ、
「合成着色料からなくしたら良いのでは?」と言われたという。
三科氏は合成着色料の中でも、タール系色素に注目した。
タール系色素
タール色素はもともとはコールタールから得られるベンゼンやナフタレン、フェノールやアニリンといった芳香族化合物を原料としてアゾ染料(酸性染料)が合成されたためこの名がある。現在ではこれらの芳香族化合物は主に石油精製の際に得られるナフサを原料とした化成品から生産されており、アゾ染料もコールタールを原料とすることはほとんどなくなっている。
当時、タール系色素は、売れ筋商品の中にも多く含まれており、これを撤廃するということは売上が大きく下がると言う事を意味していた。従って、現場担当もなかなか動けなかった。
そこで三科氏は驚きの行動に出た。
「半年後に新聞広告を出そうと思う」
と取り出した広告の原稿に衝撃の一文が以下である。
タール系色素完全撤廃
社長の本気度を社員全員が感じた。
そこから一斉に合成着色料の入っていない商品を探すのに奔走することになった。地道な活動が実を結び大手メーカーからも、「これからの時代、健康が人々の生活には重要になってくる。いちやまマートさんの取り組みに賛同する」と言っていただけ、合成着色料の入っていない商品を開発してくれるようになった。