こんにちは。ひとりで.comです。
2016年11月18日放送の日経スペシャル 夢職人は「進化する蚊帳メーカー三百年続く老舗の秘密に迫る」と題して滋賀県の大塚産業グループを特集します。
[大塚産業グループ]蚊帳から内装材へ。カイゼン運動による変革
大塚産業グループの基本情報
大塚産業グループは4つの基幹企業から成り立つ滋賀県の企業である。基本情報は以下の通り。
企業名 | 大塚産業グループ ・大塚マテリアル ・大塚インテリア ・大塚ソーイン ・大塚クリエイツ |
住所 | 滋賀県長浜市八幡中山町1番地 |
資本金 | 1億1,500万円 (グループ合計) |
従業員 | 215名(グループ合計 男性128名、女性87名) |
創業 | 1700年代初頭 |
売上高 | 305億 |
蚊帳から内装材へ。トヨタ自動車との取引
1700年代初頭。創業当初より蚊帳の製造を行っていたメーカーだ。
蚊帳の歴史は古く、クレオパトラの時代から存在していたと言われる。日本には中国から伝来し、専ら貴族を中心に利用されていた。江戸時代になると、それが庶民の間でも利用されるようになった。
日本においては昭和後期、高度経済成長に伴い、住宅で網戸が普及するようになった。網戸の普及とともに蚊帳の需要は一気に減少していった。
大塚産業グループでは、蚊帳の需要低下に伴い、それ以外の製品開発も進めていった。例えば現防衛省、旧警察予備隊の指定工場となって、寝具を納入するなどした。
また、日本で初めて布壁紙の大量生産に成功し、欧米諸国への輸出を早い段階からはじめて行った。
1950年代にはトヨタ自動車との取引を開始。トヨタ自動車からの要望により、シートの生産やエアバックの袋、自動車内装の天井部分など、内装材分野への進出を広げていくことになった。
カイゼン運動による社員のモチベーション維持
原動力は従業員のカイゼン運動。一案につき200円の報奨金が出るため、従業員のモチベーションは上がり、次々と新しいアイデアが生まれた。「玉石混交だが、みんな自分で考え職場を変えるという意識が統一された」
厳しい時にも諦めず雇用を維持し、人に役立つ製品を作りたいという社長の思いはひとつになった。
「我々が三百年続けられたのは、地域や従業員とともにやってきたから」と社長は言う。蚊帳から自動車の内装部品へ進化した300年老舗、作るものは変わっても変わらないモノ、それは三方良し、近江商人の経営哲学だった。