こんにちは。ひとりで.comです。
2016年12月3日放送のNEC presents Crossroadはミシュランひとつ星を取る「ろあん松田」のそば職人松田慎之介氏を特集します。
ミシュラン1つ星「ろあん松田 」松田慎之介
2代目独自の「蕎麦時」を作り上げたい
兵庫県篠山市。丹波篠山と呼ばれるこの地域にミシュラン1つ星を取り続ける「蕎麦屋」がある。それが「ろあん松田」である。
ろあん松田は丹波篠山という地域にあり、最寄りのJR篠山口駅から車で20分と決して便利な場所にある蕎麦屋さんではない。それでも連日お客さんが訪れる名店である。
このお店を切り盛りするのが2代目主人の松田慎之介氏(32歳)である。もともと父が運営していたお店だが、約1年前に松田慎之介氏が引き継いだ形である。
2012年にミシュランで一つ星を獲得してから、毎年ミシュランを取り続けている。
18年前の1998年、父がこの地を気に入り移り住んできた。集落は5世帯しかない、この山間で父は最初お好み焼き屋を営んでいた。その後蕎麦屋に変わったが、独学で蕎麦を学んだ。おいしいと食べてくれる人がいればそれで良い…という事で続けていたが、2012年にミシュラン1つ星を獲得してからは、お客さんが絶えない人気店となった。
2013年、高級リゾートホテルからオファーがあり、両親が京都府に「ろあん久美浜店」を開店。姉は2015年に大阪に「ろあん大阪堂島店」を開店。一家で3つの蕎麦店を営んでいる。
松田慎之介氏はわざわざ田舎のこの地まで訪れてくるお客さんに対して、最高のおもてなしをしたいと考えており、常にそのおもてなしの方法について模索している。
中学校1年の頃から、武者小路千家のお茶の稽古を続けており、今でも月に3回程度はお茶の稽古を行っている。お茶を飲むまでの一連の動作、作法を嗜むことによって、おもてなしを体得している。
その一連の嗜みの事を「茶事」といったりするが、この茶事になぞらえた「蕎麦事」を自身の店でも提供したい、という。
都会から山奥に入って、この空間で美味しい蕎麦を食べてもらう…その為にわざわざここに来てもらう…この一連で味わってもらうのが「蕎麦事」である。
偉大な父の存在
松田慎之介氏にとって、父の存在は偉大だ。
「父がレベル80ぐらいだとすると、自分はまだレベル5ぐらい」
と父と比較してまだまだ修行が足りないという。
今来ているお客さんは父の蕎麦を求めてやってきている人が多い。もちろんそれは有り難いことであるが、自分の蕎麦を認めてもらいたいと思っている。
父の蕎麦との比較ではなく、自分の味を追い求める松田氏。他店のそばを食べると自分の良いところ悪いところが見えてくるので、他店の蕎麦を食べに行くことも多いという。
京都の隆兵そば。父が家族以外でとった兄弟子。ここの大将である中村隆兵氏は
「修行を終えてからなんとか、師匠の味に近づけようと考えていたが、実はそれは間違いで、いかに自分のお店に合うそばが作れるか…というのを考えるようになり、それによって自分の中で腑に落ちた」
という。
そこから松田氏は新たなメニューを開発する事を決めた。