[未来世紀ジパング]池上彰が緊急解説!”どこよりも早い”北方領土と日露関係の行方 – 2016年12月5日 –

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こんにちは。ひとりで.comです。

2016年12月5日放送の未来世紀ジパングは池上彰が緊急解説!”どこよりも早い”北方領土と日露関係の行方と題して、北方領土問題について池上彰氏が解説します。

 

北方領土問題。迫る2つのタイムリミット

 

戦後70年以上続く北方領土問題。何度も前進しそうになっては、後退するというのが続いている状況。プーチン大統領と安倍晋三首相の2016年12月15日に予定されている日ロ首脳会談を前に、これまでの北方領土問題と2つのタイムリミットについて池上彰氏が解説します。

 

北方領土問題の歴史的経緯

北方領土とは、択捉島・国後島・歯舞群島・色丹島の4島を指します。北海道の北に位置し、その総面積を合計するとおよそ千葉県や愛知県の大きさに匹敵する面積となります。

 

未来世紀ジパング 北方領土
未来世紀ジパング 北方領土

 

 

北方領土問題の発端は1945年に遡る。1945年8月15日、第2次世界大戦の「ポツダム宣言」を受け入れて日本は無条件降伏を行いました。

それから3日後、ソ連と結んでいた「日ソ中立条約」をソ連が一方的に破り、北方領土に侵略を開始。アメリカ軍の進駐がないことを確認しながら、侵略を続け、北方四島を全て日本から奪い取ってしまった。

 

 

 

それから70年もの間、この北方領土については、日本とロシアの間で議論がされているが、未だに大きな進展がないままである。どのような交渉がなされてきたのか、順を追って見ていきましょう。

 

 

北方領土問題歴史年表

1956年 日ソ共同宣言 平和条約締結後に、歯舞・色丹の2島を日本に引き渡す
1960年 日米安保条約改定 ソ連が反発。「2島合意は無効である」ソ連とアメリカが冷戦の最中であり、アメリカは日本に対して平和条約を結んだら沖縄は返さないと言い、ソ連は返還対象の2島にアメリカ軍が駐留すると危機が高まる為、無効とした。
1997年 クラスノヤルスク合意 エリツィン大統領と橋本龍太郎首相のもとで、領土問題を解決して2000年までに平和条約締結を目標とすると合意した。
2001年 イルクーツク声明 エリツィン大統領の引退により、上記は白紙に。その後、プーチン大統領と森喜朗首相の間で日ソ共同宣言を「交渉の出発点」と設定。
小泉内閣 田中真紀子外務大臣が2島返還に反発し、4島返還を求め、日ソ共同宣言が再び白紙に。
2016年 安倍・プーチン ソチ会談 新たな発想に基づくアプローチを進めると発言。

 

 

この「新たな発想に基づくアプローチ」というのが、2島返還の事を指しているのではないかと推定されることが多い。

 

 

タイムリミット1:開発が進む事で変わる北方領土問題への姿勢

 

択捉島・国後島

戦前、択捉島には3,600人の日本人が住んでいた。その際は日本でも屈指の漁場で当時は鮭や鱒などの水産加工が盛んに行われていた。1998年の段階では、舗装された道路が一切なかった択捉島であるが、いまその択捉島が変貌している。街の道路は舗装され、軍需用以外の空港ができるようになった。

択捉島にある最大の街「クリリスク」は別の街のように生まれ変わっている。人口は約1,600人であるが、この街に巨大複合施設が2015年12月に完成した。その中には映画館や温水プール、体育館などが完備されている。これによって島民が娯楽を楽しむことができるようになり、島民の暮らしが良くなってきている。

 

 

択捉島の開発を手がけるのはギドロストロイ社。1991年創業の水産加工会社で、水産加工にとどまらず、建設から金融までを行っている。ここで作られた水産加工品はロシア国内だけではなく、中国や韓国にも輸出しており、売上は100億円にものぼるという。従業員は3,600人ほどで、択捉島の半数以上の人がこのギドロストロイ社で働いているという。

 

 

国後島は北海道から一番近くにある北方領土であるが、元衆議院議員の鈴木宗男氏が造詣が深い。日本の安倍首相も北方領土問題について、鈴木宗男氏に相談をしているという。

国後島の一番の街「ユジノクリリスク」人口は7,100人ほどである。ここには通称ムネオハウス。と呼ばれる施設がある。今はサハリン州が管理するホテルとなっているが鈴木宗男氏は毎年訪れているという。ホテルを利用するのは主に日本人でビザなし交流で訪れた方や拿捕された船民が宿泊したりする。

 

 

ロシアは積極的に北方領土への移住政策を進めており、車や家までも提供しているという。そして島を開発することによって、ここに住むロシア人の島への愛着をもって、北方領土はロシアのものである、という主張をより深めようとしている。現に、暮らしが豊かになっている島民は、島に誇りを持つようになり、約9割の島民が北方領土返還に反対を表明しているという。

 

 

 

 

実は北方領土に行くためには、ロシア政府が発給するビザが必要である。しかし、日本政府は、

日本国民がロシアの査証(ビザ)を取得して北方四島に入域することは「北方領土は我が国固有の領土」という日本政府の立場と相いれないため、これを自粛するよう求めています。

と呼びかけています。

すなわち、ビザを取得してロシアに入国する…という行為を日本政府が認めることは、すなわち北方領土が日本の領土ではないと主張していることになる。

 

 

 

色丹島・歯舞群島

色丹島にはおよそ3,000人のロシア人が暮らしている。月に1 – 2度、ロシアから送られてくる物資が生活物資となる。他の島と異なり、道路も全く整備されていない。島民も島の暮らしに不満を持っている。こういった島の不整備状態が島民への不満につながり、島民の約半数は北方領土の返還を仕方のないことだと考えている、という。

 

 

 

 

タイムリミット2:極東開発とトランプ大統領

 

ロシアの首都モスクワの真反対にあるウラジオストク。ロシアの極東開発の中心地である。

人口はおよそ63万人で太平洋艦隊の本拠地でもある。年間50万人もの観光客が訪れる観光地でもある。北方領土問題の鍵はウラジオストクがもつとも言われいる。

実は開発が進んでいると思われているウラジオストクであるが、よく見ると問題を抱えている。

例えば、アメリカのホテルグループハイアットがホテル建設を2014年からストップしていたり、町中ではマンションの開発が途中でストップしている箇所がいくつも見受けられる。

 

ロシアによるクリミア半島併合により世界からの経済制裁をうけている事が背景にある。この事件をきっかけにアメリカとの対立が深まった。また原油価格の下落により、ロシア経済は危機的状況に陥っており、それが極東開発にも響いているというのだ。プーチン大統領としては、極東開発を進めて市民からの支持を得たい、しかしながら経済制裁や原油価格下落により経済が減衰している。そこで、日本からの援助によって、ロシア経済を上向きにしたいと考えているのである。

 

そんな中、日本は8つの経済協力プランを打ち出し、北方領土問題解決の起爆剤としたいと考えている。その8つの経済協力プランとは以下の通りである。

  1. 健康長寿
  2. 都市づくり
  3. 中小企業交流
  4. エネルギー
  5. 産業開発
  6. 極東開発
  7. 先端技術
  8. 人的交流

 

このまま、高い交渉力を持ったまま日露首脳会談へ臨めると思った矢先にアメリカ国内で予想だにしなかった事態が起きた。それがトランプ次期大統領の当選である。トランプ次期大統領はかねてから

 

「プーチン大統領を尊敬している」

 

と発言しており、今後アメリカによる経済制裁が解除されるかもしれないという懸念が浮かび上がってきている。日本にとっては絶好の交渉材料のちからが弱まってしまう事になる。プーチン大統領はトランプ次期大統領の今後の動きに注目しており、12月15日のプーチン大統領との安倍晋三首相がどのように交渉するのかに目が離せない。

 

 

 

 

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