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2016年12月10日放送の日経スペシャル夢職人は「石の声を聴く城作りのスペシャリスト「穴太衆」の秘密」と題して粟田建設の特集をします。
城作りのスペシャリスト穴太衆の秘密
粟田建設の基本情報
粟田建設の基本情報は以下のとおりです。
企業名 | 株式会社粟田建設 |
住所 | 滋賀県大津市坂本3丁目11-29 |
創業 | 昭和47年10月1日 |
代表 | 代表取締役 粟田純徳 |
資本金 | 10,000,000円 |
売上 | 3,400万(2012年) |
従業員数 | 3人 |
事業内容 | 城郭・社寺・一般邸宅石垣石積及び修復工事 特殊工(曳家、揚揃、素屋根掛工事) 大小宅地造成工事・その他土木 |
穴太衆とは?
穴太衆
穴太衆とは、主に安土桃山時代に活躍した石工の集団を指します。主に寺院や城郭などの石垣施工を行った技術者集団である。石工衆(いしくしゅう)、石垣職人(いしがきしょくにん)とも称す。「穴太」の歴史的仮名遣での読み仮名は「あなふ」である。
出典:Wikipedia
安土城、大阪城、江戸城、熊本城など日本にある城の8割は穴太衆が手掛けたものだと言われている。天下を取るためには穴太衆の手がける石垣が必要だ…と言われるほど、当時はその技術が重要視されていた。自然の石を自然の形で積み上げるその技術は非常に難しく、先代からは「石の声を聴け」と言われていた。
そんな重要な技術を持つ穴太衆であるが、その技術の継承が危ぶまれている。そいうのも、穴太衆として活動している法人は今では粟田建設しかなくなってしまった。従業員も3名しかいない、すなわちこの3人の技術が最後の穴太衆ということになる。一方で確かに、城の修理の依頼数も減っているという現実もある。
そういった状況下で粟田建設も神社仏閣やお城の改修の仕事に加え、一般住宅や大学、博物館などの現代建築に石垣を売り込むことにした。しかし、穴太積みはあくまで口頭での伝統引き継ぎをしており、強度や耐震面において、科学的な証明があるわけではない。従って、一般的な建物に取り入れるにはかなりの制限が出てきてしまう。
そこで、京都大学と連携しコンクリートの壁と石垣の荷重実験を実施、コンクリートより強度が優れていることをデータで明らかにした。また、海外にも目を向け、アメリカの庭園にも採用されるなど、穴太積みの可能性を広げた。
熊本城と粟田建設
2016年4月14日、九州の熊本県を中心としたM7.1、最大震度7の地震が発生した。九州地方での地震としては最大規模であり、熊本県に大きな被害をもたらした。その被害の中でも熊本城の被害も小さくなく、上記写真のように城の石垣が各所で崩れてしまった。
熊本城の石垣もいわゆる「穴太積み」にてできている。この石垣は高さがあがっていくほどより垂直になっていくという特徴をもっているが、これを「武者返し」という。この「穴太積み」は大変難しく、それを修復するとなると、相当の作業になるという。
穴太衆が積み上げた石垣の場合、一部の石が崩れたとしても他が崩れることはないという。ということは、おそらく、熊本城も何回かの修復によって穴太衆ではない人たちが修復を行ったのではないかという疑いもある。
いずれにせよ、今後どのように修復をしていくのか、長期間かつ大規模な工事になることが予想されるという。