[ガイアの夜明け]”冬の味覚”に異状あり!〜カニ・サバ…知られざる危機〜 – 2016年12月13日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2016年12月13日放送のガイアの夜明けは”冬の味覚”に異状あり!〜カニ・サバ…知られざる危機〜と題して日本人に身近なカニ・サバで起こっている激変を特集します。

 

カニやサバが日本国内で食べられなくなる?

 

カニの中国人気で価格高騰

建国を祝う国慶節には中国上海でも家族と一緒に過ごす過程が多い。そんな折、市内の魚市場では慌ただしく働く人々がいた。そこにあったのは、上海ガニ。川に住むカニ。今が一番の旬だそう。家族揃って上海ガニを食べるのが風習。

 

ガイアの夜明け 上海ガニ
ガイアの夜明け 上海ガニ

 

しかし、この上海ガニに異変が起きている。これまで中国では一般的とされていた上海ガニが、タラバガニズワイガニといった輸入ガニにとってかわられようとしているというのだ。これまで、中国ではこういったカニを食べる習慣がなかった。

タラバガニズワイガニは高級ホテルやレストランからの注文が殺到しているという。お客さんに聞けば、日本においてタラバガニやズワイガニのおいしさを知り、それを中国国内でも食すようになってきているという。それによって、中国本土でもこれらのカニが普及してきているという。

 

 

新橋にある「かに地獄」というかに専門の居酒屋。この店では、様々な種類のカニを量り売りをし、煮る・焼くなど好みに応じて食べることができる。

昨今カニの値段が高騰しており、アジア圏内を中心にカニの奪い合いが発生しているという。マグロと同じような現象である。

 

 

東京都中央区にあるアライアンスシーフーズ。カニの輸入では日本トップクラスの海産物の商社である。ここ数年、アラスカではカニの漁獲量が前年の40%減。例年の半分しか在庫がない状態に陥っていた。

カニの漁獲といえば、ロシア・アメリカ・カナダが日本近海における三大産地である。しかし、最大の輸入国ロシアでは、保護の観点から2014年から日本への輸出を制限し始めた。またアメリカも2016年は漁獲枠を4割減とした。市場に出回るカニの数が制限されかつてない厳しさとなっていた。

こういった事情もあり、アライアンスシーフーズでは、新たなカニの産地を探し求めていた。ノルウェーの北、バレンツ海はカナダに匹敵する漁獲量があるのではないかと言われており、アライアンスシーフーズでは数年前から少しずつバレンツ海でのカニを輸入し始めていた。

 

ガイアの夜明け バレンツ海
ガイアの夜明け バレンツ海

 

しかし、バレンツ海からのカニをチェックしてみると…とても売り物として使えるレベルではなく、みそやえらが残ったままでカニの後処理が雑になっていた。みそやえらが残っていると酸化が進み黒くなってしまう。そうすると味も落ち、商品にはならないという。

 

アライアンスシーフーズの調達担当は早速現地に赴いた。ノルウェーでの船員の多くは20代の漁業未経験者ばかりで形成されていた。また、ノルウェーではカニを食べる習慣もなく、船員はカニを食べたことがない人ばかりだったという。

水揚げしたカニを選別していくのだが、脱皮したばかりのカニしか取れない。脱皮したばかりのカニは中身がスカスカで商品価値がほとんどない。そういったカニはすぐに海へ戻すようにしている。

 

また、船員の多くは未経験者で構成されているので、後処理がとても丁寧とはいえないレベルであった。それが、日本で見た品質の実態であった。いいカニが取れても処理が悪ければ商品価値がなくなってしまうため、カニの選別方法や後処理のやり方など、船員に対して徹底的に指導を繰りかえした。

 

漁をはじめて1週間。しかしながらカニの脱皮のシーズンがなぜか去年よりも早く始まり、商品となるカニがとれなくなっていた。未開拓の海に挑んだものの結果は予定の4分の1しか取れず、散々だった。

 

 

更に別のアライアンスシーフーズの調達担当は、12月の年末商戦に向けて、カニの買い付けに韓国釜山へ。韓国人のブローカーと交渉するためである。昨年の1割増しの値段を提示しても、ブローカーは一切取り合ってくれない。取り付く島もないほど高値になっていた。結局、去年の3割増しで交渉は落ち着くことになった。

 

 

 

 

 

養殖で安定供給を。中国漁船の乱獲を危ぶむサバ

サバは日本人が最もよく食べる魚のひとつとして古くは縄文時代から食されてきた魚。現在でもその漁獲量は他の魚と比較しても1位となっている。

 

1位 サバ類
2位 マイワシ
3位 カツオ

 

 

サバは日本海側、太平洋側、日本近海ではどこでも採れる。場所によってはサバはブランド化されており、関サバ八戸前沖サバ金華サバ松輪サバ清水サバ首折れサバといったブランドサバが全国に存在する。

 

その一方で大量に取れるサバはサバ缶などの保存食としても親しみられてきた。そんな馴染みの深いサバにいま異変が起きているという。

 

青森県八戸市。日本有数の水揚げ量を誇るサバの産地。そのサバに異変が起きている。今年の漁獲量が少ないという。水揚げ量は2015年に比べて7割ほど。しかもサイズも小ぶりだという。

 

10年前600グラムのサバが珍しくなかったが去年平均サイズは300グラムとなったという。

一般的に、サバは北太平洋の公海に出ていき、青森県沖に戻ってくるという。その戻ってきたタイミングが漁のタイミングだという。

 

北大西洋の公海に昨今、サバを狙って中国漁船が集結してきている。水産庁が違法な漁猟をしていないか見張っていたところ、日本の沿岸に帰ってくる前に中国がサバを大量にとっていたのだった。

 

 

 

中国福建省石祠、中国でもトップクラスの漁獲量を誇る漁港。船いっぱいにサバが積まれた船サバが水揚げの8割を占める。

 

もともとは野菜や果物の缶詰工場だったところが、3年前からサバを扱うようになったという。およそ70名の従業員が9万缶を1日で製造しているという。売り先は中東やアフリカ。サバの缶詰の輸出は毎年8,000トンずつ増えているという。

 

更に中国国内でサバを増えている人が増えているという。健康を気遣う中流階層にサバ人気が増しているという。人間だけでなく、サバを使ったキャットフードをダイエット食として与える事も流行っているという。

 

サバを取り巻く環境が激減する中、日本でも新たな一手が。サバの未来を救う。

佐賀県唐津市。港町として栄えてきた。50年で最盛期の2割に激減。唐津市の研究施設では減少するサバをなんとか確保しようと九州大学准教授が完全養殖にチャレンジしている。これまで天然サバの稚魚を取ってきて育てるという方式だったが、それを完全養殖している。

完全養殖だと、400グラムの重さになると言う。

佐賀県の地元のスーパーでは、唐津Qサバという名前で売られています(Qは九州大学とQualityを意味している)。この完全養殖サバはまだ年に4,000匹程度の出荷となることもあり、刺し身で2,678円と高級魚として扱われているという。

 

一般に生のサバは「アニサキス」という寄生虫が入ってしまっている事があり、それを人が食べると食中毒になる恐れがあるので生で食べることは避けます。

しかし、生け簀で人口のエサを食べるのでアニサキスに侵される心配はないという。

 

人気チェーンの「板前寿司」。ここで完全養殖のサバを試してもらおうというのです。生のままで食べるのが完全養殖の売り。サバの新しい食べ方。

まだ高価な完全養殖のサバですが、サバの資源が枯渇している中で天然の魚に頼らない完全養殖を増やすことによって、サバの安定供給を実現していきたいとしている。