[カンブリア宮殿]新春拡大SP 百貨店は、まだ死なない!J.フロントリテイリング / 鶴屋百貨店 – 2017年1月5日 –

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年1月5日放送のカンブリア宮殿は「新春拡大SP 百貨店は、まだ死なない!」と題してJ.フロントリテイリング 社長の山本 良一氏と鶴屋百貨店 社長 久我 彰登氏が登場します。

 

業界低迷でも伸び続ける百貨店経営の極意

 

徹底した立地分析と売場の工夫を行うJ.フロントリテイリング

 

松坂屋
松坂屋

 

2017年のお正月。JR東京駅に隣接するのは、大丸百貨店。お正月からデパ地下は大賑わい。1日5万人が押し寄せるという客のお目当ては、鳥取境港で上がったカニチラシなど、お昼のお弁当屋夕飯のおかずなどを主婦が通い詰める。お弁当、その数1,000種類が立ち並んでいるという。

 

ここには、どうしても買いたくなる仕掛けが用意されている。お客さんを呼び込む人気は、お弁当の数ではないという。実は大丸百貨店には、大丸百貨店にしか入っていないブランドがいくつもある。例えば、ポールボキューズや五反田で行列が絶えないミート矢澤というステーキとハンバーグの名店、初めて親子丼を提供したと言われ、東京日本橋で行列が絶えない玉ひでである。

徹底的に初物の店にこだわっているという。

実は初物だけでなく、徹底的な顧客調査によって、新幹線に乗る前の顧客や東京駅近くのオフィスに勤めるサラリーマン向けには1,000円を切る弁当を用意するなどしてデパ地下で年間100億円の売上を作り上げているという。

 

 

バブル崩壊後、様々な業態に価格破壊を起こす新店舗や郊外型モールの登場によって、百貨店は窮地に追いやられている。現に三越は2017年3月に、三越千葉店・多摩センター店の2店を閉店させる決断をした。

 

2010年にカンブリア宮殿でも紹介した東京都大田区でシニアに圧倒的な人気を誇っていたダイシン百貨店も閉店し、今ではドンキホーテに変わっている。

2010年以降、百貨店の閉店店舗数は40店舗以上にのぼるという。全国の百貨店の売上もピーク時の1990年、9.7兆円の売上が2015年には6.1兆円まで下がっている。

 

百貨店 売上高推移
百貨店 売上高推移

 

そんな中、業績を伸ばしている百貨店が大丸松坂屋を率いるJ.フロントリテイリングである。2007年に大丸と松坂屋が経営統合を行い、全国に19の百貨店を抱えるJ.フロントリテイリングは百貨店業界1位の三越伊勢丹HDに迫る勢いとなっている。

三越伊勢丹HD 1兆2,872億円
J.フロントリテイリング 1兆1,635億円

 

この快進撃を牽引しているのが、大丸東京店であり、年間の入店客数は3,700万人にものぼるという。この数は東京ディズニーリゾートの年間入場客数3,019万人を遥かに上回る数値である。

 

 

その秘密こそ、J.フロントリテイリングの売場づくりにある。

 

お土産を買いやすいように1階にスイーツ店を並べている。通常、百貨店の1階と言えば、化粧品売り場が業界の常識である。しかし、大丸東京店は顧客層の分析から、1階にお土産に人気のスイーツ店、2階に化粧品売り場を置いている。実は、この2階に化粧品売場というのも、顧客心理からすると非常に効果的だそうで、1階だとどうしても他の人に見られているのでは…という不安が生じるため、立ち寄りづらいという。2階にあることによって安心してゆっくり化粧品を試すことができるという。

 

また上層階には日用雑貨などを取り揃える東急ハンズとその同層階に近接したメーカー品やスーツ洋品店などを並べる事でお客さんの周遊を生み出している。また5階の婦人服売場には、ラグジュアリーブランドと並んで、丸の内のOL向けにZARAを出店させている。

 

 

愛知県名古屋市栄区にある、松坂屋百貨店も徹底した売場改革を実施することにより、年間入店客数を400万人も増加させたという。

 

通常百貨店では、中層階は婦人服売場となっているが、松坂屋では家電量販店が入っている。実は、栄区には長年、家電量販店がなかった。そこで松坂屋は新たなチャレンジとして家電量販店を入れたという。

 

また、別のフロアのおもちゃ売場は「ポケモンセンター」というポケモン専門のショップが入っている。お客さんの中には「ポケモンセンターがあるから松坂屋に来る」という人もいるほどである。

 

今の時代のおもちゃ売場を考えると、おもちゃ売場がポケモンセンターでも良いはずである。これまでの既成概念を壊さないと前へ進めない。守っていたら衰退する一方

 

J.フロントリテイリング 社長 山本 良一氏は言う。

 

 

 

 

J.フロントリテイリング 社長 山本 良一氏による大丸の改革

 

山本 良一氏は1972年に大丸に入社。最初は食器売場に配属されたという。ここで、在庫の補充を行っている際、ふとした疑問を先輩社員にぶつけたという。

 

この食器、あんまり売れていないようですが、どのくらい売れているんですか?

 

すると先輩はこう答えたという。

 

そんなもんわからん。仕入れは勘と度胸でやれば良い。そしれ売れるものだけで利益を稼げば良い

 

と。それに山本氏は疑問を抱き、ひとり在庫の売れ行きを調査しデータ分析を行い始めた。

 

1990年代、他の百貨店同様、大丸百貨店も利益が減少し、赤字ギリギリの状況にまで陥っていた。その当時の社長から当時営業を取り仕切っていた山本氏は以下のように司令をだされた。

 

最小のコストで最大の顧客満足を実現せよ

 

と。すなわち、仕入れから販売に至る全てのプロセスをお客さんの視点で見直し、生産性をあげる仕事の仕組みを作りなさいという事だった。

 

そこでまず山本氏が取り組んだのが店員の配置の見直しである。当時の売場における店員の配置は、全ての売場に売場面積に応じた店員が配置されており、暇な売場と忙しい売場でも同じ人数の店員が配置されていた。こうした状況を見て、山本氏は全売り場の接客状況を徹底的に調査し、「営業改革マスタープラン」を作り上げた。

 

この「営業改革マスタープラン」では、人の重点配置場所を接客状況に応じて変化させ、商品説明のいらないハンカチ売場から接客が必要な靴売場に配置した。また、当時の靴売り場では、各メーカーの販売員が自社のブランドの靴をメインに売る方式だったが、メーカーの販売員を撤退させ、自社の販売員で構成する売場に変革した。そうすることによって、メーカーの垣根を超えて靴を勧めることができる売場に変化させることができた。

 

こうした変革を実行することによって、赤字目前だった百貨店全体の営業利益をV字回復させることに成功した。

 

 

 

 

J.フロントリテイリング 銀座での新たなる挑戦

 

ギンザシックス
ギンザシックス

 

 

ギンザ シックス。2017年4月に完成予定の銀座通りに面して直線距離115mもある巨大ビルである。J.フロントリテイリングが松坂屋銀座店の跡地+αで新たなビルを開発している。

 

コンセプトは「最高に満たされた暮らし

 

銀座という立地の中で、入居予定のテナントは241店舗にものぼるという。岡山県倉敷市にある平翠軒という絶品を集めたお店や、鹿児島県にある南風農華舎デザートハウスなどが入居する。

 

このギンザ シックスでは、山本氏が「百貨店はやらない」と宣言し、森ビルや住友商事などとタッグを組み、オフィス複合型の商業施設を共同開発するという。

 

 

 

 

地方の百貨店に未来はあるのか?鶴屋百貨店

 

鶴屋百貨店
鶴屋百貨店

 

熊本県熊本市。市の中心部から半径10キロ圏内に3軒ものショッピングモールが乱立している。しかし、客を奪われているはずの商店街は客で賑わっている。

その要因は、「鶴屋百貨店」だ。

この百貨店不況の状況下で、前年から売上を20億円も伸ばし、年商は576億円に達する。

 

2011年、社長に就任した久我氏は、徹底的に地域密着に拘り、業績を回復してきた。その地域戦略はと言うと…

 

例えば、開店前に並んでいるお客さんは、ドアの中の暖かい場所まで通す。また、開店時は役員含めて全員で挨拶を行う。

 

売場を案内してくれるコンシェルジュ・サービス。事前に予約すれば誰でも無料で案内をしてくれる。

 

また、紳士服売場の奥には、500万以上の高級アンプと250万ほどの真空管アンプで奏でるシアタールームを作っている。ここには、奥さんの買い物を待つ旦那さんが時間潰しにやってきている。この場所は予約が入っていなければ誰でも無料で利用することができるという。

 

実はこの場所、百貨店の中でも構造上商品を並べても商売に使いづらい場所があり、その場所を活用して提供しているという。

 

久我氏は「儲からない場所は客のために使う!」という売場改革ポリシーをもって、売場改革を行ってきた。例えば、あまり売上が上がっていなかった着物売場はキッズスペースに変更した。

 

また

利益の源泉は地元からの信用

お客さんからの要望は家族からの要望と思って判断せよ

と言った、信念を掲げている。

 

 

 

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社員のアイディアを活かす鶴屋百貨店の社員意識改革

 

自分たちのアイディアや気持ちで会社を変えていける、そういう会社になれば、社員も楽しくなる…そういった想いを大事にして、社員のアイディアを大事にしている。

久我氏が社長になってから、社員に「カイゼン提案」を出させ、それをひとつずつ解決していった。

例えば、ドアの取っ手が冷たいというアイディアがあれば、取っ手にカバーをつけたり、お釣りは新札が喜ばれる、というアイディアがあれば銀行に交渉して新札をなるべく多く用意する…と言ったように、自分たちのアイディアがひとつひとつ形になり、それがお客さんにとって喜ばれる事で、社員がより会社を好きになり、楽しくなっていく。

 

 

 

地元企業の発展も支える鶴屋百貨店

いま、熊本を中心に人気のお菓子がある。それが「風雅巻き」である。海苔の中に様々な豆が入っている。通宝海苔という熊本の企業であるが、風雅巻きが人気となって、今では直営店を8店舗構え、年商20億円にまで成長している。

このきっかけとなったのが、鶴屋百貨店である。実は発売当初、鶴屋百貨店を通しての販売や催事を繰り返すことで、お客さんにこの風雅巻きが定着し、人気商品となったという。

地域商品を百貨店を通して、全国に発信する。そういった場の提供、すなわちインキュベータとしての機能も持っているのである。