[カンブリア宮殿]ブラックからホワイトへ!”働き方革命”最前線 – 2017年1月12日 –

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年1月12日放送のカンブリア宮殿は「ブラックからホワイトへ!”働き方革命”最前線」と題して、SCSK相談役 中井戸 信英氏、ソウ・エクスペリエンス社長 西村 琢氏が登場します。

 

働き方改革で幸せになる秘訣

 

 

残業減らせば残業代が出る!? SCSKの働き方革命

 

電通の過労死問題など、いま社員の働き方が多くのメディアで取り沙汰されている。

 

過労死認定の目安である月80時間超の残業の業種

1位 情報通信
2位 学術研究 / 専門・技術サービス
3位 運輸・郵便
4位 複合サービス事業
5位 建設

【2015年 厚生労働省調べ】

 

村上龍氏は

日本社会の評価の尺度はどれだけ成果を上げたかではなくてどれだけ頑張ったか、になっている。今もそれが美徳として文化として続いている。それが最大の問題

と指摘する。

 

 

そんな中「働き方革命」が起きている。

それが、情報システム業界第5位、従業員1万1,000人、売上高3,200億円を誇るSCSKである。

この会社では、週1回早帰りの日が設けられている。とある社員の話では、2000年頃は、土日に仕事を残さないよう金曜日は決まって残業をしており、帰宅時間は深夜2時になっていた。それが今では金曜日は17時前には帰宅することができているという。

3年前、当時の代表から全社員の家族向けにある手紙が送られた。その手紙には、

一流企業となるためには家庭生活を充実させることが大切です。職員の皆さまが健康で有り続けるために最大限の支援をします。

そこには、健康を本気で考える経営者の覚悟が綴られていた。

 

SCSKでは、これまで月の残業が100時間ほどだった従業員も今では20時間程度になっている。この施策を仕掛けたのは、上記の手紙の主であるSCSK相談役 中井戸 信英氏である。

 

中井戸 信英氏の前職は住友商事の副社長。2009年に住友商事の子会社の住商情報システムの社長に就任した。その後、2011年同業のCSKと合併し、SCSKの社長となった。社員を激励しようと社内を回ったところ、衝撃的な光景を目の当たりにしたという。月50 – 80時間、毎月残業をしている人がいたり、会社に寝泊まりしている人もいたという。

そこで中井戸 信英氏が取り組んだのが残業半減運動だ。残業を減らすため、まず社員に残業しない日を申告させることとした。そして、「ノー残業」という札を席に掲げさせ、終業時間近くにその人に仕事を振りにくい環境づくりを行った。そして、会議は立って行い、時間制限も設ける事でダラダラ仕事をさせない状況を作り出した。

そして、スマシャレ20報奨金という名目でボーナス12万円が上乗せされる「残業を減らせば”残業代”を出す」という前代未聞の策を打ち出した。

残業時間は減っているにも関わらず、営業利益は6期連続右肩上がりだという。

 

 

なぜ残業時間が減ったにも関わらず、営業利益が伸びるのだろうか?その疑問に対して中井戸氏は以下のように答えている。

 

「最初は業績が下がると覚悟した。いずれはあがるはず、ただしそれは自分が経営責任者の時に成就するかわからない…そのぐらいの覚悟をした。しかし、信念(心の中で)は、残業削減は働くやり方、仕事の仕方、チームワークの取り方、段取りの構え方、心の持ち方を変えれば非常に今までより少ない時間で同じパフォーマンスをあげられる、しかも肉体的・精神的な健康も向上するのでクオリティも上がり、パフォーマンスも上がる。そうだとするならば基本的には生産性は上がるのだから業績はアップしていくはずだと思った。そういったきっかけや施策や環境を提供するのが経営者の責務。」

 

長時間残業している人にとっては、残業代は既に生活費の一部になってしまっている。残業代を減らせば、生活も苦しくなり、仕事も回らなくなるのではないかという不安やプレッシャーを感じるようになる。そういった不安を取り除き、「この施策に乗れば、ひょっとしたら良くなるかも」と思わせられるようなインパクトのある施策を考えるのが重要なのである。

残業で浮いたコストは全部従業員に還元させようと宣言したところ、従業員も本気になって残業を削減させようと動いてくれたという。

 

東京都江東区にあるSCSKの始業時間は9時。まず出社すると、万歩計の数値やお酒を飲んだか、歯を磨いたか、朝食を食べたか、たばこを吸ったか、などSCSKが定める質問に答えることから始まる。

これは、「健康わくわくマイレージ」というSCSK社内の健康管理システムで、健康基準を満たすとポイントがつく仕組みとなっている。

 

健康わくわくマイレージ
健康わくわくマイレージ

 

このマイルが貯まるとボーナス時に多い人で10万ボーナスが追加で支給されるという。

 

心に触れる”従業員ファースト”経営

 

1971年住友商事に入社。高度経済成長期末期、ひとり異彩を放っていた。入社1年目、研修明けに1週間の休みを取った。休み明けに上司から「新人のくせに1週間も休みを取るなんて何を考えているんだ」と言われ、「決められた休みを取って何が悪いんですか!」と食って掛かったという。

そして、入社3年目のドイツ赴任が彼にとってターニングポイントだった。営業先とのアポイント設定時に

「日本の優れた製品を紹介したい。明日の夜時間はありますか?」と電話をかけたところ

「ダメだ。夜は家族と過ごす時間だから残業はしない。夕方までに話をまとめられるか?」

と言われたという。

決められた時間の中で高い成果を出すドイツ人と何かと波長が合い、次々と大型契約を取ることができたという。

 

 

中井戸氏が働き方改革を打った当時、システム開発は完成直前まで作ってはクライアントからの修正依頼や新たな要望追加で作り直し、という作業が繰り返し行われており、それが残業の温床となっていた。

これを最初から複数の人間で開発を行い、途中で細かく逐一クライアントからそして社内の別部署でチェックする階段方式にして、無駄な作り直しを減らしていった。

 

そして社内だけでなく、中井戸氏自身からの要請として、クライアントに対しても「有給休暇取得率100%にご協力ください」と協力要請の手紙を送った。これによってクライアントもSCSKとの仕事のやり方を変えるとともに、自分たちもSCSK方式の残業削減策に取り組んでいった。

 

最近では、官民連携で2月24日から実施される予定の「プレミアムフライデー」。最終金曜日に午後3時の退社を促す施策であるが、確かにひとつのきっかけ作りにはなるが、社員側からすると、それは仕事へのプレッシャーにしかならないのではないかと中井戸氏は言う。

 

 

 

 

 

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ソウ・エクスペリエンス
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