こんにちは。ひとりで.comです。
2017年1月14日の日経スペシャル夢職人は「逆転の発想で突破しろ!攻める鋳物工場」と題して富山県高岡市の株式会社能作を特集します。
株式会社能作の基本情報
株式会社能作の基本情報は以下の通り。
企業名 | 株式会社能作 |
住所 | 富山県高岡市戸出栄町46-1 |
代表 | 能作 克治 |
資本金 | 1,000万円 |
売上高 | 511百万円(平成24年9月期) |
従業員数 | 21名 |
創業 | 1916年 |
事業内容 | 仏具、茶道具、華道具、インテリア雑貨、エクステリア、照明 錫(純度100%)製テーブルウェア、その他鋳物全般 |
株式会社能作と高岡銅器
高岡銅器をご存知でしょうか?高岡銅器とは富山県高岡市の伝統工芸品で、日本における銅器の生産額の約95%を占めている。いわゆるお寺の鐘(=梵鐘)や大仏、銅像といったものに活用されている。
高岡銅器の歴史は古く、1609年加賀藩主が、高岡城に入城し、高岡の街を繁栄させるために鋳物師を呼び寄せたことが起源とされる。明治時代以降、刀などの武器は禁止されたことから日用品や工芸品などの銅器産業にうつっていった。
銅器販売額はバブル経済の最中の1990年(平成2年)に374.5億円を記録して以降減少を続け、2003年(平成15年)にはピーク時の半分以下に落ち込んでおり、職人の高齢化も進んでいる。
株式会社能作も銅器メーカーとして仏壇仏具や茶道具などを手がけていたが、時代とともにその需要は減っていき経営の危機を迎える。
また、工場見学に来たとある親御さんが「勉強しないとこんな仕事することになっちゃうよ」と言っていたことを耳にした能作社長は一念発起。これまでの製造下請け事業からメーカーとして自社製品を開発し、職人の地位をあげようと考えた。
これまでの銅器だけでなく、錫(すず)を活用した製品づくりを積極的に行っていった。今では、錫・真鍮(しんちゅう)・青銅など、鋳物の素材には制限を設けず、テーブルウェアやホームインテリアなど様々な分野の自社ブランド製品を販売している。
錫の「鋳物にしてもすぐに曲がってしまう」という特徴を活かして以下のような食器を販売したところヒットを出すことができた。
自社ブランドの販売も順調だったわけではない。自社ブランドの製品はごく限られたセレクトショップでの販売しか行っておらず、どのように販路を拡大していけば良いかわからず模索している状況だった。
行政や支援機構を訪問した折に、国がそれぞれの地域にある資源を有効に活用するための新しい制度を創設するとの情報を得て、同制度に活用して錫製品の販路拡大につなげようと考え、中小機構主催の展示会への出展を試みた。
そこで、出展した商品の技術が来場者に認められ、それがテレビや雑誌に取り上げられる形となり、株式会社能作の知名度がアップ。そしてまたテレビや雑誌に取り上げられるなど、良いスパイラルに突入し、平成21年には日本橋の老舗デパートに、平成23年には銀座の老舗デパートに直営店を出店するまでに成長した。
能作社長は…
「衰退産業でも、発想を変えれば逆転のヒントはある。そのためには、伝統産業といえども新しいことにチャレンジしなければならない」と言う。
株式会社能作は今年で100周年を迎え、これからも新しいことにチャンレジすることによって伝統を守っていこうと考えている。