こんにちは。ひとりで.comです。
2017年1月24日放送のガイアの夜明けは「シリーズ「地方からの挑戦」③ “知らない町”で再出発」と題して都会から地方に移住する若者とそれを後押しする制度を特集します。
若者の移住歓迎。地方を活性化させる支援制度
【目次】
岩手県遠野市の遠野ローカルベンチャースクール
岩手県遠野市。民話の故郷で「カッパ淵」が有名。夏のシーズンを過ぎると観光客もいなくなってしまう。街のメインストリートの閉店が目立ってきている。
そんな遠野市役所では2016年7月、遠野市に移住して活性化に取り組んでくれる人材を募集した。応募者の多くが大手企業出身者が多かった。プロジェクトは全部で9つ。
(1)ビールプロジェクト(ビール醸造家、ホップ農家)
(2)発酵プロジェクト(どぶろく醸造家、発酵技術者)
(3)地域の可視化プロジェクト(エンジニア)
(4)里山活性化プロジェクト(里山活性化人材)
(5)限界集落株式会社プロジェクト(限界集落存続プランナー)
(6)低コスト住宅プロジェクト(低コスト住宅開発人材)
(7)遠野デザインプロジェクト(グラフィックデザイナー)
(8)多世代交流プロジェクト(企画・運営人材)
(9)遠野の食プロジェクト(カフェオーナー)
遠野市で起業してもらおうというのです。市の募集で具体的な事業内容まで指定しての募集は全国的にも珍しいと言います。その為、10人の募集に400件以上の応募があったという。
そのひとり、藤田紘子さんは、遠野市の食材を使ったカフェを開くプロジェクトに合格した。もともと商店街にあった時計店の閉店に伴い、その場所を活用してカフェを始める。店舗の改修費用は遠野市が負担。更に移住して起業することを条件に月額17万円の報酬と年間30万円の活動資金(支援期間3年)も市から援助されるという。
このカフェで提供するものは遠野市産のものを使う方針というのが、このプロジェクトの条件。従って、藤田さんは農家を回って、カフェで使える農作物の調達に奔走します。
11月中旬、カフェの改修工事が終わり引き渡しが行われました。観光客だけでなく地元の人が集まる憩いの場にしたいと思っていた。12月1日、ついにカフェがオープン。周辺では夜空いているお店が少ないため営業時間は午前11時半から午後9時まで。開店当日は40人以上の来客があり、遠野市に少し活気が取り戻されたようでした。
遠野市からの支援は3年で終わる。それは遠野市民もわかっているため、「3年で終わって出ていくというのは淋しいからやめてほしい」と市民からの信頼も熱い。
島根県浜田市の「浜田モデル」
島根県浜田市。シングルマザーなどへの支援を積極的に行う「浜田モデル」という制度を確立している。
引越し代として30万。家賃補助が月2万円以内。仕事の斡旋も行っており、月15万円以上、養育費として月3万円。中古車を無償で提供し、1年間住むと奨励金として100万円もらえる。
現在の浜田市は10人のシングルマザーを受け入れた。しかしそのうち4人は仕事を辞めてしまい、そのうち2人は浜田市から引っ越してしまっているという。
制度から約1年半。浜田モデルはいったいどうなってしまっているのでしょうか。
浜田市の「ひとり親」移住支援は、人口減少で人手不足が深刻な介護施設で働くことが条件となっています。
取り組みが進むに連れて新たな問題が起こり始めています。これまでに移り住んできた方々と2ヶ月に1回面談を行っています。人によっては、子育てしながらの夜勤が体に負担となり、街から出ていってしまう人も出てきた。
今も1年に2回、この制度の募集が行われ、見学ツアーが開催されている。浜田市も途中で移住を辞める人が出ないように努力を始めている。見学の最後に行われる面談時に、各家族の細かいところまでを聞くようにしている。特に介護施設では夜勤がネックになることが多いため、夜勤の場合は、市のファミリーサポートセンターを活用するように進めている。通常1万円以上かかるがひとり親家庭には市が半額を補助する制度を作った。またこれまでは、夜勤のある介護施設のみでしたが、夜勤勤務のないデイサービスへの就業斡旋も始めた。
若い世代の中で都会から地方に移住したいという人が増えていると言う。いかにこれを一時のブームにせず継続させるかが地方の未来を決めることになるのかもしれない。