こんにちは。ひとりで.comです。
2017年2月13日放送の未来世紀ジパングは「日本人が知らない台湾 トランプ大統領で揺れていた!」と題して台湾の危機を特集します。
蔡英文・トランプに揺れる台湾
【目次】
日本人が大好きな台湾
台湾・新北市にある十份。これまではあまり日本人にも知られていなかった場所である。この場所では願い事を書くとその願い事が叶うと言われる場所がある。その場所にあるランタンに願い事を書くのである。ランタンは150元(日本円で550円)。願い事をランタンに書いて、それを飛ばす。毎年2月、このランタンが1,000個空に浮かぶイベントがある。
2月11日に行われる平渓天燈祭である。このイベントは「世界で参加価値のあるイベント」8位にも選ばれるほどである。
台湾といえば、日本人に最も人気の海外旅行先である。そして、日本人に大人気なのが、「千と千尋の神隠し」の舞台とも言われている九份。観光に訪れたら必ず行ってみたい場所のひとつである。
そんな台湾がいま激変しているという。
花蓮に幽霊ホテルが急増中?
台湾東部にある花蓮。そこにあるタロコ国立公園は観光客に人気の土地だった。しかしいま、観光客もまばらになっている。その要因は蔡英文にあるという。蔡英文とは今の台湾の総統で、中国との間に距離を置くとの姿勢を示し当選した。
そのせいもあって、中国の団体客が台湾への旅行を大幅に制限した。実は、先ほどの花蓮という街は、中国からの観光客が多かった街である。その為、観光客が減り、シャッターをしめる店が増えてきたという。お土産屋さんに留まらず、花蓮にあるいくつものホテルもシャッターをしめてしまった。このようないわば”幽霊ホテル”が多く存在している。
去年、未来世紀ジパングが取材したバス会社を再度訪れた。去年取材した時は、中国人観光客で潤っていて多くのバスを購入したばかりだった。それが今では…今年の春節の予約はゼロだという。
このバス会社は、観光業が立ち行かなくなったため、大きな決断を行っていた。それは…中国向けの健康食品の販売(レモン酵素ドリンク)である。2017年の5月から本格的に売り出すという。この健康食品の為に健康ドリンク製造工場を1億8,000万元(約7億円)を投資したという。
このレモン酵素ドリンクで年間200億元(約740億円)の売上を目指すという。
ひとつの中国で振り回すトランプ現アメリカ大統領
2008年に就任した国民党の馬英九総統は中国との関係を強化する事を打ち出した。それによって、中国政府は台湾への観光を本格的に解禁し、ツアー客が非常に増えた。それによって台湾経済が潤った。
しかし、昨年当選した蔡英文総統は「中国との関係は踏み込まずに現状維持」という方針を打ち出した。それによって、中国政府はこれまで掲げていた台湾への観光解禁をまた閉ざしてしまった。
また、2016年12月2日、蔡英文氏とトランプ現アメリカ大統領が電話会談を行った。台湾の総統つぃては、37年ぶりのことである。その場では、台湾は中国とは別に考えるべきだと発言したにも関わらず、2017年2月には、中国との対話で「ひとつの中国」を堅持すべきだと、発言を翻した。
台湾で100人インタビュー
あなたは何人ですか?という質問を台湾の100人に聞いた。その結果は…
台湾人 | 95人 |
中国人 | 3人 |
ノーコメント | 2人 |
という結果となった。
「一つの中国」をあなたは支持しますか?
支持する | 10人 |
指示しない | 71人 |
わからない | 19人 |
「日・米・中」の中で関係を強化すべき国はどこか?
日本 | 21人 |
アメリカ | 36人 |
中国 | 21人 |
わからない | 22人 |
日本人が知らない…緊迫の島「金門島」
台湾の金門島。上記の地図を見て分かる通り、台湾島から西に位置にしており、本島から270キロ、中国大陸から2キロの場所に位置する。中国側は、福建省の一部と主張しているが、実際は台湾が実効支配しており、台湾軍が約5,000人ほど駐屯している。
1958年、台湾海峡危機の際、50万発の砲弾が中国から打ち込まれたとされる場所である。この事態に当時のアイゼンハワー大統領は「中国が台湾を侵略しようとしている」と非難し、アメリカが台湾を支援。それによって中国は休戦を宣言したのだった。従って、米中にとってこの島は因縁の島なのである。
意外と多い、台湾の軍事力
台湾は、その国の大きさに比較して、大きな軍事力を持っている。軍事費は約1兆円あり、それは年間予算の16%にものぼり、その予算額は世界13位だという。また、そのほとんどがアメリカから購入しており、これまでにアメリカから購入した軍事費は5兆224億円にもなるという。
中国軍 | 台湾軍 | |
総兵力 | 約230万人 | 約22万人 |
戦車 | 7,200両 | 1,200両 |
近代的戦闘機 | 810機 | 329機 |
日本の熊谷組が造った台北101ビル
2016年12月31日の台北市にある台北101で行われたイベント。新年のカウントダウン花火が実施された。500メートルを超えるビルから1万発が発射された。この台北101を建造したのは、日本の熊谷組である。
熊谷組と台湾の関係は実は深い。およそ50年前に作られた徳基ダムを皮切りに、1978年には中山高速道路、1984年には高雄トンネルなど、多くを手がけている。そんな熊谷組がいま手がけているのは台北101のすぐそばに完成予定の「陶朱隠園」という高級マンションである。地上21階、地下5階、総戸数40戸を予定しており、一番高い部屋はひと部屋70億以上にもなる予定だという。
台湾が今後どう中国と向き合っていくのか、というのは、日本にとっても参考になるのではないか?