[クロスロード] ( 東京大学大学院 ) IoA研究の先駆者 / 暦本純一 – 2017年3月4日

クロスロード
LINEで送る
Pocket

 

こんにちは。ひとりで.comです。

2017年3月4日放送のNEC presents クロスロードはIoA ( Internet of Ability )研究の先駆者、東京大学大学院情報学環教授 暦本純一氏を特集します。

 

IoA研究の先駆者が見る人間拡張の世界とは?

 

未来の機械を創出する暦本純一氏

 

日本の頭脳が集結する東京大学。その大学院で教授を務める暦本純一氏。その頭脳は世界最大級の電子工学系の学会が以下のように評している。

暦本は常にみらいの機械を創出している
– 米国電気電子学会( IEEE ) –

暦本氏の考える未来の機械とはいったいなんなのだろうか?

 

例えば、研究員との会話で出てきた「永遠に寝返りをうつことができるベッド」。円筒形の形をしており、いくら寝返りをうってもベッドの場所は動かない。そんなアイディアを形にするために設計図を熱心に書いたりする。

 

また、過去の研究員と行った製品としては、「笑顔にならないと開かない冷蔵庫」といったものがある。笑顔の数が増えると人は幸せになるという心理学者の言葉から発想したもので2012年に製品化し、この冷蔵庫はグッドデザイン賞を受賞した。

元々研究員が「笑顔を判別するシステム」を作り、それが何かの役に立たないか、とアイディアを出したのが暦本氏だった。

 

 

そんな暦本氏がいま最も注目しているのが、「Human Augmentation」=人間拡張 である。人間と機械を一体化することで人間の能力を高める、というものである。

例えば、鳥のように空を飛んでみたい…そんな想いを形にしたのが、Flying Headという人間とドローンの動きを一体化させた装置。まるで自分が空を歩いているかのような感覚を得ることができると言う。更にその場でジャンプすることでドローンが上昇する。リモコン操作でなく、人の動きによってドローンを操作できるため、観光や災害救助などの分野での活用も視野に入れている。

 

また、CameleonMask(カメレオンマスク)というタブレット付のヘルメットをかぶってもらい、他の人にかぶってもらい、都合のつかない遠方の用事に参加することなどが可能な装置である。

 

 

 

スポンサードリンク

サイボーグ009を現実に…暦本純一氏の経歴は?

 

1961年、東京生まれ。子供の頃は落ち着きがなくよく大人を困らせていたと言います。小学校にあがると、科学に興味を持ち、コンピュータの教本を読みふけるようになった。それと同時にあるマンガを読みふけるようになった。それが石ノ森章太郎氏作の”サイボーグ009”。

 

大学卒業後は、電機メーカーに就職。そこで転機が訪れる。当時、コンピュータの研究で最先端を走っていたカナダのアルバータ大学への留学に招待されたのです。そしてカナダに渡って出会ったのが、「拡張現実」という技術。特殊なゴーグルをつけることで実際にはない道案内や場所の説明が目の前に出現。まるで人間の視覚が進化したような技術に暦本氏は衝撃を受けた。

今ではなく、未来を作りたい…そう考え、帰国後会社を辞め、研究者の道を歩むことになった。夢は子供の頃に夢見た「サイボーグを作る事」。

 

今、暦本氏が取り組んでいるのは、新たなスポーツ観戦の方法。これまでのひとつの視点での観戦ではなく、選手視点での観戦、そしてそこからコート全体の視点など、自由に視点を変えて観戦できるスタイル。こうすることによって、より臨場感溢れるスポーツ観戦が可能になると暦本氏は考えている。

まだまだ課題が多いこの実験であるが、そう遠くはない未来に実現することができるのではないでしょうか?