[がっちりマンデー!!]( 邑南町 / 茂木町 / 音威子府村 )村立・町立ビジネスでがっちり! 島根県の山間の町にいる「耕す」シェフって何者?- 2017年3月12日

がっちりマンデー
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年3月12日放送のがっちりマンデーは「村立・町立ビジネスでがっちり!島根県の山間の町にいる「耕す」シェフって何者?」と題して邑南町のレストランAJIKURA、茂木町の美土里たい肥、音威子府村のおとこうを特集します。

 

 

 

島根県邑南町

町立レストラン AJIKURA

 

邑南町 AJIKURA
邑南町 AJIKURA

 

島根県邑南町は人口は1万1千人で高齢化が進んでおり、人口の42%が65歳以上となっている。やはり高齢化と過疎化の問題を抱えている。それを解決すべく町の全面協力で作ったのが、なんとレストランである。そのレストランが里山イタリアン AJIKURAである。

来るのに数時間かけてでも食べたいと県外からのお客さんも多いという。予約制のコース料理を提供するレストランのため、ランチでも客単価は4,000円にもなる。そして、このAJIKURAで出される料理の95%以上が邑南町で取れた食材でできている。中国山地の山あいにある邑南町は昔から農業や酪農が盛んで、ブランド牛の石見牛やチョウザメの養殖によるキャビアなどの提供が可能となっている。

年間およそ5,000人から6,000人のお客さんが訪れている。しかもその8割は町外からやってくるという。

 

 

耕すシェフの研修制度

 

このAJIKURAというレストランだけでなく、”耕すシェフの研修制度”という邑南町独自の制度を制定しており、全国から飲食店の起業を目指す人材を募集し3年間、AJIKURAで調理技術や経営を学ぶ。更に農家が野菜の栽培などを指導し、それでいて、月額16万7千円の給料までもらえてしまうという。お店を出したい人からすると願ったりかなったりの制度である。

ただし、ひとつだけ条件があり、農業と料理をこの制度で学んだ後は、邑南町で起業を目指してもらう事になっている。

この制度がスタートして、5年間で、イタリアン・ラーメン・日本そばと3店舗の飲食店が開店している。この制度のおかげで、邑南町への移住者は約240人にのぼる。この移住者による経済効果は約3億円と言われている。

 

 

 

 

栃木県茂木町

美土里たい肥

 

美土里たい肥
美土里たい肥

 

栃木県茂木町は1万3,000人ほどが暮らすのどかな町。この茂木町で行われている一大プロジェクトが、”落ち葉の買い取り”である。買取価格は1袋20kgで400円。取材の日は、8名が約100袋を集め、トータル4万円、8人がひとりあたり5千円を町から受け取っていた。お小遣い稼ぎに体も動かせるということで、年配の方がこぞって参加しているという。

茂木町がこの集まった落ち葉を何に使っているかというと…落ち葉をたい肥化しているという。茂木町には、町立の有機物リサイクルセンター”美土里館”というものがあり、ここで落ち葉を生ゴミや牛糞などと混ぜ合わせ、たい肥を製造している。

できあがった美土里たい肥は10kg 500円で販売されている。栃木県の農家に人気で、たい肥を作るとすぐに完売してしまうという。

栃木の農家に聞くと、栃木の野菜づくりには栃木のたい肥が最適でお客さんの反応も違うとのこと。また、そのたい肥を使ってできた野菜には、わかりやすい美土里シールを貼って販売することで、地元民からも評判。

美土里たい肥は年間1,200万ほど売れており、経費削減にも効果があった。それは、平成11年にあった牛糞を勝手に畑に撒くことができない法律(=家畜排せつ物法)が関係している。この家畜排せつ物法の制定によって、酪農家が多い茂木町には大きな負担となってしまった。状況によっては、数千万のコストになることもあった。そこで、町立の美土里館を造ることによって、経費を年間8,000万円分削減することができた。

これまでかかっていた牛糞や生ゴミの処理費用が8,000万円あり、美土里たい肥を造るためのコストが5,000万円なので、3,000万のコストダウンを実現し、たい肥の売上1,200万円が加わり、4,200万円のプラスとなったのである。

 

 

 

 

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北海道音威子府村

”何もない”を逆手にとった「おとこう」

 

おとこう 音威子府
おとこう 音威子府

 

札幌から車で4時間のところに位置する北海道音威子府村。人口が800名の北海道イチの小さな自治体である。村の存亡の危機を救ったのが「おとこう」である。

おとこうとは、

北海道おといねっぷ美術工芸高等学校

の事である。

 

現在生徒数は115名であるが、115名全てが音威子府村以外から入学した子どもたちなのである。道内はもちろん、日本全国から生徒が集まってきている”おとこう”。

工芸コースと美術コースがあり、専門的な技術を学んでいる。もともとは普通科のみの高等学校だったが、人口減とともに入学者が一桁にまで落ち込んだ時期があった。そこで村では”どこも真似出来ない高校”を作って全国から生徒を集めようと考えた。個性的な美術工芸高校を作ることで、生徒を集めることに成功したのである。

 

学校の近くに建てられた学生寮で3年間生活をするため、村民800人のうち約2割が学校関係者となる。まさに学校とともに成り立っている村なのである。

 

ではなぜ、全国から生徒が集まるのだろうか。

 

実は音威子府村には村にコンビニがひとつしかない…というぐらい、何もない環境なのである。それが逆に”静かな環境でじっくりと作品制作に打ち込む”ことができると評判になり、全国から生徒が集まっているのである。

 

また、卒業生が音威子府村に戻ってきたり、美術工芸品で賞を取ったりすることで、よりこの高校の評価が高まり、生徒が集まりやすい環境になっているという。