[ガイアの夜明け] ( サンピットバリュー / フレスタ / きむら ) 激戦!地域スーパーの乱 – 2017年3月14日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年3月14日放送のガイアの夜明けは「激戦!地域スーパーの乱」と題して大手スーパーまでもが業績不振に陥る中で、独自の戦略で邁進する地方スーパー(サンピットバリュー / フレスタ / きむら )を特集します。

 

独自路線で大手スーパーに打ち勝つ!その独自戦略とは?

 

 

塾とスーパーの融合:サンピットバリュー

 

サンピットバリュー
サンピットバリュー

 

福岡県うきは市、およそ3万人が暮らす。人口の減少が止まらない街だが、それでも近年、イオンやyou meマートといった大手スーパーが進出してきている。その結果、地元スーパーが閉店するなど、苦戦を強いられている。

サンピットバリューも例外ではなく3年前まで赤字に苦しんでいた。しかし現在、店内をのぞくと大勢の客で賑わっている。いったい何があったのだろうか。

そのカギを握るのが従業員の浅野さん。夕方18時に売場を離れ、店舗の2階に…そこには、受験を控えた中学生の姿があった。実はサンピットバリューでは、中学生を対象とした学習塾を運営している。浅野さんは学生時代、塾講師や家庭教師をしていた経験を持ち、その経験を買われてサンピットバリューの学習塾で講師を担っている。

 

この学習塾が生まれたのは、とあるきっかけがあった。サンピットバリューの従業員がこどもの学力をどうするかで困っていた。

実はうきは市は全国学力テストで福岡県の平均を大幅に下回っていた。そういった事実も相まって、勉強しないこどもたちへの危機感を抱いた浅野さんは、

「学力の低い街では子育てをしたくない、それが人口減少に繋がっている」

そう考え、会社に直談判し、2014年に塾を開講したのである。2014年当初6人だった生徒も今年度は18人に増えている。浅野さんの熱心な指導もありこれまで受講した全生徒が志望校に合格している。

生徒の母親はこどもを送りがてらスーパーに買物に来る。地域に貢献することで地元の人々は地元スーパーを応援したいという機運が高まり、塾を開講したその年に黒字へと回復したのである。

 

 

 

 

 

健康的かつ低価格を追求:フレスタ

 

フレスタ
フレスタ

 

120万都市広島に本社を置くスーパーのフレスタ。現在、64店舗を展開し、売上高は約701億円。店内は大勢の客で賑わっている。

その理由は…

スーパーフードも充実、チアシードやキヌアといった話題の商品も取り揃えている。

フレスタは2014年から「健康スーパー」というスローガンを掲げている。舵を切ったのは宗兼社長。問題意識として持っていたのは、健康寿命である。

健康寿命

健康寿命(けんこうじゅみょう、英: Health expectancy, Healthy life expectancy)とは日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと。

出典:Wikipedia

 

その健康寿命において、広島県の女性の健康寿命は47都道府県でワースト2位。ここに目を向け、健康に拘った商品であれば、少し値段が高くなっても、ニーズはあるはずだと考え、健康に特化したプライベートブランド「Bimi Smile」を開発した。

例えば、お宝トマトという商品。ミネラル豊富な土壌で、低農薬栽培され、強い甘みが特徴。また、目に良いとされるルテインが通常のたまごの4倍入ったたまごなども「Bimi Smile」のプライベートブランド名で販売している。いずれも値段は割高だが、人気だという。

 

Bimi Smile
Bimi Smile

 

フレスタに行けば、健康になれる、そう認知することで客を呼び集めることに成功している。

 

そしてもうひとつ力を入れているのが、従業員の健康である。従業員の健康的な姿こそが、客に説得力を持たせることができるとして、以下の事を従業員で実施している。

  1. 朝礼でオリジナルの体操を実施。
  2. 全従業員4,500人に対して健康目標を持たせている。
  3. 健康診断でメタボリックと判定された場合にはダイエット指導を促している。

 

 

しかし今プライベートブランドに異変が起きていた。少し高い値段に客が敏感になり、売上が伸び悩んでいた。その為、新製品を開発することが急務となっていた。健康的かつ財布にも優しい惣菜の開発。これまでの概念とは相反する考えかたを実現することはできたのでしょうか?

 

 

まず材料として選んだのはネギである。惣菜として利用するため、形の悪いB級品を正規品の半値で仕入れることができるようになった。

 

そのネギを活用して試作品として作ったのは、広島風のお好み焼き。カロリーを抑えるために、そばを入れずにお好み焼きを開発。試作品を社長に試食してもらうと…ボリュームが足りないとダメ出し。再度試作品の作り直しを命じられた。

 

お好み焼きのボリュームを増し、かつカロリーも落とすために考えた素材は…しらすだった。ネギに含まれるアリシンはしらすに含まれるビタミンB1、B6の吸収を助ける効果があると言われているため、広島風お好み焼きにしらすを入れてみることにした。

更に用意したのはイカ。豚肉の代わりに入れることでカロリーを抑え、ボリュームを増すことができるのではないかと考えたのだ。

 

再度試作品を社長に食べてもらったところ、商品化のOKをもらうことができた。

 

早速、2017年2月6日に298円で販売を開始。お客からも、健康的で安いと評判になり、販売初日に用意したお好み焼きはほぼ完売となった。

 

 

 

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プロも鮮魚を買いに来るスーパー:新鮮市場きむら

 

新鮮市場きむら
新鮮市場きむら

 

香川県高松市、人口42万人のこの都市は大手スーパーと地元中堅スーパーがひしめく激戦区。ここで注目されているのがちょっと変わったスーパー、新鮮市場きむら。店に入るとあるのは、市場のような鮮魚コーナー。新鮮な魚がこれでもかというほど並べられており、値段も激安。スーパーではあまり見られない魚が並んでおり、生け簀まである。こうした活きの良い魚につられ、寿司屋やフランス料理点の料理人が新鮮市場きむらまで魚を買いに来るという。

 

これを可能にしているのが、スーパーでは通常考えられない仕入れの方法である。

 

四国にあるのは、高松市中央卸売市場。瀬戸内海であがった魚が次々とセリで落とされる。そこで目立つのが、赤いジャンパーを来たスーパーきむらの鮮魚担当者。通常スーパーは仲卸人に依頼し大量に買い付けて各店舗へ卸すのが一般的だが、スーパーきむらでは各店舗の鮮魚担当が直接セリで新鮮な魚を買い付ける仕組みをとっている。仲卸を通さないため、激安価格で提供できているのである。

 

新鮮市場きむらはもともと妻の家族が1店舗で経営していた小規模スーパーだったが、1970年代後半、婿養子として嫁いだ頃に周辺に大型スーパーがオープンし経営が悪化。そこで1982年、鮮魚に特化したスーパーに転換を図った。

 

鮮魚を目玉に客を集め、他の商品をついで買いを誘うことで、鮮魚以外の売上もあげることができる。この戦略が当たり、現在18店舗、売上高約182億円に拡大している。

 

 

香川県高松市は全国有数のスーパー激戦区。そんな中で新鮮市場きむらは新たな店舗を出店しようと考えていた。この激戦区の中での出店。これがうまくいくかどうかは、新鮮市場きむらにとっての今後の成長戦略を担う重要プロジェクトである。

 

新店舗の初日の鮮魚の売上目標は150万円。ここ数年、この売上を達成した新店舗はないという。それだけ大きな期待が寄せられている。

そこで、今までとは異なる商品ラインナップを取り揃えることで売上目標を達成しようとしていた。トビウオやタイなど目玉商品と取り揃え、赤字ギリギリの価格で提供できるように、交渉に交渉を重ねた。

オープン初日の2月23日、400人以上が開店前から行列ができていた。鮮魚コーナーは開店と同時に大賑わい。そして、そこで魚を買ったお客がスーパーに流れていきスーパー内も大混雑となった。

初日の結果は…鮮魚コーナーの1日の売上は…178万。目標の150万を大きく上回ることができた。店全体でもおよそ1,500万を売り上げ、成功を収めた。

 

 

このように、上記にて見てきた地域スーパーはそれぞれに勢いがあった。これらに共通していたのは、「スーパーとはこういうもの」という固定概念に囚われず独自のアイディアを徹底していること、そして地域に密着した取り組みを行っていることだった。大手に比べて規模が小さい分、アイディアを素早く実現できる事も強みである。そんな機動力こそが、地域スーパーが生き残る鍵となるのではないだろうか?