[カンブリア宮殿] ( 格之進 / 門崎 ) 熟成技術で絶品肉を作り出す肉おじさん!田舎の畜産農家を救う牛肉革命 – 2017年3月16日

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年3月16日放送のカンブリア宮殿は「熟成技術で絶品肉を作り出す肉おじさん!田舎の畜産農家を救う牛肉革命」と題して門崎 社長の千葉 祐士氏が登場。

 

岩手県一関市から熟成肉世界へ – いわて南牛 –

 

 

塊のまま焼く熟成肉「格之進」

格之進Rt
格之進Rt

 

東京都渋谷区の代々木公園の近くにある商店街にあるとあるお店。客が言葉を失うほどうまいと評判の「格之進」というお店。岩手県一関市のいわて南牛を使った焼肉店である。この店の特徴は、その焼き方にある。格之進では肉をスライスせず、塊のまま焼いていく。

値段は100g 2,000円〜4,500円と少し高いが、客を魅了してやまない格之進の肉には秘密があった。

それは、肉の焼き方である。

どこから焼くのかによってに肉汁の出方が変わるという。肉の繊維の方向を見極めて出口を塞ぐ。そしてほどよく全面を焼いたあと、そのまま肉を切ってしまうと、肉汁が出てきてしまうため、アルミホイルで5分予熱を利用して蒸らす。こうすることによって肉の繊維に肉汁が閉じ込められるのである。

 

 

この格之進という焼肉店を運営しているのが、株式会社門崎である。

 

岩手県出身で家畜商を営む家系に生まれた格之進を展開する門崎 社長の千葉氏。和牛のおいしさを多くの人に伝えたいと、敢えて都会のど真ん中に店を出店している。現在、六本木を中心に都内で7店舗を展開。リピーターを掴んでいる。その実力は肉料理の祭典「肉フェス」でも2014年から3年連続で優勝するほどである。

 

その一番のこだわりが肉の仕入れである。宮城県仙台の市場で仕入れを行っている。

肉牛1頭を半分にした骨がついたままの状態の肉を「枝肉」と言うが、その状態の肉が所狭しと並んでいる。

 

枝肉
枝肉

 

肉といえば、A5ランクといったようなランク付けが有名であるが、枝肉についている骨と肉の割合(歩留まり)が良いものがABCで分けられ、更に霜降り度合いによって1から5のランクで分けられている。

 

 


*肉のランク表

肉のランク ← 肉質が良い
5 4 3 2 1

歩留が
良い

A A5 A4 A3 A2 A1
B B5 B4 B3 B2 B1
C C5 C4 C3 C2 C1

 

千葉氏は、ランクの低いA3の肉ばかりを落札する。千葉氏は最高ランクのA5の肉ではなく、敢えてA3の肉を狙い、絶品の肉に化けさせるのだという。

 

 

このA3ランクの肉をうまく熟成させ、おいしい肉にするのが、千葉氏のスゴイところである。肉は長期間寝かせることでタンパク質が分解されアミノ酸などのうま味成分が増加する。千葉氏はこの熟成に向いた肉を選んで買い付けているのである。

枝肉のまま4週間丸ごと熟成させ、部位ごとに切り分け熟成方法を変えていく。

例えば、ミスジは60日間熟成、外ももは真空パック入れ、ウェットエイジングという手法で熟成させる。今までにないおいしい肉の食べ方を追求し続けることで、感動を呼ぶ味を生み出している。

 

 

 

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熟成肉と海の幸のコラボレーション

 

ウニク
ウニク

 

千葉氏は今までにない肉の食べ方を作り出すためなら手段を選ばない。

最近、千葉氏は岩手県陸前高田市にある広田湾で養殖されている牡蠣を大量に買い付けている。この広田湾で見つけた牡蠣を提供するため、六本木に新店舗、カブコをオープンさせた(2016年10月)。自慢の熟成肉と広田湾で取れた牡蠣をあわせて、「牡蠣肉×ぶくぶく」という新たな料理を開発。

 

そんな熟成肉と海の幸のコラボレーション商品で既にヒット商品を生み出していた。それは、熟成肉とウニのコラボレーションである。寿司のようなシャリに薄く切った熟成肉を海苔のように巻き、その上にたっぷりのウニを乗せる。熟成肉で巻いたウニ軍艦である。銀座にある「寿司さいしょ」と共同開発したメニューである。

 

 

 

 

肉のユニクロ?製造小売でいわて南牛を全国へ

 

 

岩手県一関市で家畜商を営む家庭に生まれた千葉氏は、大学卒業後フィルムメーカーに就職。兄が継いだ実家の経営が立ち行かなくなり、27歳で脱サラ。その頃流行っていたユニクロのSPA(製造小売)も出るをヒントに、「肉のユニクロ」だと思い、1999年岩手県一関市内で実家で育てた牛を売るために「格之進」をオープンさせる。

しかし、素人が初めた店に全く客が来なかった。大量に余った肉を自分で食べて生活していた。すると1ヶ月後、なぜか劇的に肉がうまくなっていることに気がついた。それがいわゆる「熟成」である。そこで、どうやって熟成させるとどのような味になるのかを徹底的に研究した。そして、その肉を格之進で提供し始めたところ、一気に繁盛店となったのである。

実はその時、足りなくなった肉をまかなうために購入していたのがいわて南牛だった。そこで畜産農家で起きている状況を目の当たりにした。朝から晩まで家畜をしていても赤字で過ごしている状況を打破しようと、熟成の技術を使って、いわて南牛を売ろうと考えた。

 

2007年熟成肉を武器に東京に打って出る。東京の客は熟成肉に飛びつき、人気店となった。いまやいわて南牛の年間消費量の15%を担っている。農家も安定的な出荷先が出ることに期待を寄せている。

更に一関市役所とも連携し、いわて南牛をアピールするイベントを何度も実施してきた。地域自慢の和牛を最高の味に仕立てて全国に発信しているのである。

 

 

 

ハンバーグを世界に…

 

岩手県一関市の磐乃井酒造。ここで作られているのが、米麹である。この米麹を元にした塩麹を熟成肉に塗ることで、素材の奄美が引き立つという。地元の食材をふんだんに使ったハンバーグを作っている。格之進Fでそのハンバーグを振る舞っている。

 

実はいま、そのハンバーグを日本のみならず、海外にも広げていくべく、ハンバーグ工場の計画を進めている。その建設予定地は千葉氏が通っていた門崎小学校。4年前に生徒数の減少から廃校になっていたのである。その廃校の体育館を工場にしようというのである。

 

このハンバーグ工場を”肉の聖地”にして、日本だけでなく、世界からインバウンドとして呼び込みたいと考えているという。