こんにちは。ひとりで.comです。
2017年3月24日放送のNEC presents クロスロードは「」と題して石黒浩氏が登場。
人間って何ですか?
人間を知るためにロボットと作る?
大阪大学教授の石黒浩氏。彼は、人間そっくりのアンドロイドを作り出したことで有名である。その功績から世界の100人の生きている天才26位に選出されるほどである。これは日本人最上位の順位である。
また、日本人で唯一世界的な科学雑誌「サイエンス」の表紙を飾ったこともある。彼が目指すのは、心があるロボットである。
彼の作品は、自分自身の分身である「ジェミノイドHI」やショップ店員の「オトナロイド」、故三代目桂米朝をモデルとした「米朝アンドロイド」、夏目漱石をモデルとした「漱石アンドロイド」など、その幅は広い。
ロボットの研究者である石黒氏の追求する点は他の研究者とは圧倒的に異なる。それは、人間にしかできない対話ができるロボットを研究している点である。ロボット研究であるにもかかわらず、研究対象が人間であるという点である。
彼の作り出すアンドロイドは、会話する人の言葉を汲み取り、自発的に会話を行う。対話のみならず、石黒氏が拘っている部分が、人間が無意識に行う目線の位置や瞬きの回数。より人間らしく見えるように、瞬きの回数なども制限をしている。
石黒氏がアンドロイドを作る際に徹底的に拘るのは、その見た目。本人に似せるために、モデルとなる人物本人に年度を貼り付け、できた型にシリコンを流し外見を作成する。細かな首や顔の動きなどは、100本以上のパイプから送られる空気圧で調整を行う。
そして、その全てを制御する脳の部分を司るのは、パソコン上のプログラムである。このロボット用のプログラムも石黒氏のチームで設計している。
石黒氏の研究は、海外でも高く評価されており、1ヶ月の半分は海外での講演活動。そんな多忙の中でも決して手を抜かないのは、大学での後進への授業。未来の可能性に対して、ひとつひとつ耳を傾ける。
石黒氏の経歴とこどもの頃からの疑問
1963年、滋賀県に生まれた石黒氏は幼いながらにずっと考えていた事があった。それは怒るという感情。なぜ怒るのかがわからなかったため、怒る練習までしていたという。そんな石黒氏は、1982年、山梨大学工学部計算機科学科に入学し、ロボット作りに没頭した。満を持して臨んだロボカップでは、チーム5連覇を達成するほどの実力だった。
そこから、より人間の根源部分に興味を持つようになったという。考えるって何か、人間とは何か?人々はイマイチそういった事を理解しないままに適当に折り合いをつけてしまっているが、そこを追求していきたいと石黒氏は考えている。
そして、2001年からアンドロイドの開発に着手を始める。
人間とは何か?子供の頃から解けないこの問題に対して、石黒氏はロボットの研究を通して知ろうとしているのです。
アンドロイドのアイドルU
いま、石黒氏が挑んでいるのは、人間を超えるアンドロイドのアイドルの作り出すこと。当面の目標は、動画サイトのニコニコ動画で流れてくるコメントを質問として受け取り、それに回答することである。
これを実現するためには、様々な質問パターンを多くインプットしておく必要がある。多くその質問パターンを覚えることができれば、それを元に返答することができるようになる。
この研究成果の発表当日、マシントラブルが一部あったが、成果は上々。今後は、より精緻に質問に応えられるようにブラッシュアップしていく必要がある。