[ガイアの夜明け] ( バクチャー / 宮崎キャビア ) 日本初の”宝の食材”を生み出す – 2017年3月28日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年3月28日放送のガイアの夜明けは「日本初の”宝の食材”を生み出す」と題してアワビの養殖に挑戦するRBCコンサルタントと養殖のキャビアで世界進出を狙うジャパンキャビア宮崎キャビアを特集します。

 

 

養殖技術で革命を起こす!アワビの養殖とキャビアの養殖

 

 

謎の粉?バクチャーを使って山の中で海の幸アワビの養殖に挑戦

 

岡山県津山市。奈良県吉野町の職員と商工会のメンバー。目当ては、ハウスの中の水槽にある養殖のうなぎである。

通常、うなぎの養殖では、餌や排泄物によって水が汚れてしまうことが多い。しかし、この養殖場の水は無色透明でしかも1年間水を入替えていないという。

 

この養殖場を運営しているのはRBCコンサルタントという企業である。

 

なぜこの養殖場の水はこんなにもきれいなのだろうか。その秘密は、黒い土に隠されている。その黒い土とは「バクチャー」と呼ばれるものである。元々池や川などの水質改善のために作られたもので、明治神宮の池や神戸の須磨寺公園の池などにも利用されている。

 

この土を汚染された池などに撒くと、およそ数週間で水質が改善され、約1年間はその状態を維持できると言うのです。

 

この養殖のうなぎは「つやま青うなぎ」と呼ばれ、岡山県津山市の名産品ともなっている。きれいな水を維持しながら養殖を可能にしたRBCコンサルタントバクチャー。今度はこのバクチャーを使って、より養殖が難しいとされるアワビの養殖に挑戦しようとしている。

 

 

 

バクチャーを活用したアワビの養殖

 

ところ変わって、大分県佐伯市。そこにRBCコンサルタント杉山さんの姿があった。向かった先は港の近くの大きな養殖場。ここで育てられているのはアワビの稚貝。アワビは魚介類の中でも水質の変化に敏感で養殖が難しいとされるもののひとつである。そのアワビの養殖に挑戦するために稚貝を購入しにきたのである。

 

この場所で行われているアワビの養殖では、大型のポンプで海水を巻き上げかけ流しにしたり、週に1度は養殖用の水槽の水を入替えたりとアワビのポンプの電気代だけで月間120万ほどかかるという。その分のコストが単価に反映されいる。また、アワビは陸で育てるのとは別に、海面養殖という方法もある。しかし、赤潮などが発生すると全滅していまうリスクを抱えている。

 

こうした高コスト構造になってしまうアワビの養殖をバクチャーを活用して低価格高品質のアワビ養殖を目指しているのである。

 

 

 

先ほど購入したアワビの稚貝を岡山県西粟倉村へ運ぶ。岡山県の山あいにあるこの場所の川沿いに立つ一軒の倉庫でアワビの養殖を行おうというのだ。近くに流れるきれいな川の水を倉庫までつなぎ、その水にバクチャーを加え、水質維持を図る。

 

 

このバクチャーの主原料は火山礫であり、そこに植物のミネラルを配合して作られている。水の濁りは魚のフンや餌の残りなどの有機物によって発生するが、バクチャーを入れることによって、水の中の微生物が活性化され汚れの原因を分解してくれる。したがって水をきれいに保つことができるようになるのである。

 

 

倉庫を準備してから1週間後、バクチャーを入れた水槽の水質が安定してきたため、いよいよアワビの稚貝を入れる。2年かけて養殖を行う3センチの稚貝と、半年で出荷できるまで成長する6センチの稚貝。大きさの違う2種類の稚貝を一度に養殖を行おうというのだ。

 

アワビを入れてから数時間経過後、水面にアワビの粘液が出てきてしまった。アワビの粘液は、輸送などのストレスを感じたときに出すものでおそらくアワビ自身が何かしらのストレスを感じているという事だと考えられる。結局この日は、一晩状況を見てなんとか乗り越えることができた。

 

 

 

アワビの平均卸価格は1キロ当たり、約7,200円にもなる。国内の養殖ものも生産量が少ないため、値段は高め。まずは平均卸価格を下回るのが目標。コストを安くするためには、狭い場所でいかに多く飼育できるかが肝心であり、どのような棲み家(シェルター)が適しているのかのパターンを検証していく。このパターン検証によってこれまでの2倍の量のアワビ養殖が見込めるようになった。

 

 

初出荷まで1ヶ月に迫った日、養殖で育てたアワビを近くの古民家で料亭を営む方に試食してもらうと意外な落とし穴が見つかった。川の水で水質を安定させたもので作ったからか、味があっさりしていてパンチがないと言われてしまったのである。

 

 

味を変えるためにした仕掛けは、あおさや安い海藻など様々な餌を与えて様子を見ることにした。2017年3月、初出荷直前に西粟倉村の方々にアワビを振る舞うと…以前にも増して味がしっかりと濃くなったと評価をもらった。今回のアワビの養殖では全体の9割が生存し、養殖の方法についても問題なさそうである。

 

今後、より多くの出荷量が見込めるようにより改善に努めていくという。

 

 

 

 

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日本初の海外輸出:宮崎キャビア

 


宮崎県日南市の山間部にチョウザメの養殖場がある。チョウザメから採れる卵を塩漬けしたものがキャビアである。この宮崎県は日本一のキャビア生産地である。県内にあるチョウザメの養殖場は全部で15ヶ所。その最大の養殖場が日南市にある。

 

チョウザメが卵を持つまで短いもので6年、長いものだと10年ほどかかる。現在5,000匹以上を養殖しているが、維持費だけで年間1,000万以上かかっているという。

 

そんな宮崎県のキャビアを一手に販売するのがジャパンキャビアである。社長の坂元さんが案内してくれたのは、キャビアの製造現場である。

 

そこではチョウザメを解体し、中からキャビアとなる卵を取り出す。この日のチョウザメ一匹から2.5kgの卵が取り出せた。それを潰さないように鉄の網で濾していく。濾した卵を並べ、中に混じっている不純物や潰れてしまった卵などを除去していく。チョウザメの卵は一匹一匹形や味が異なるため、その状態に合わせて、塩漬けするための岩塩の量や熟成期間を調整する必要がある。

 

こうした製造工程は、海外では一切教えてもらえずに独自に編み出したという。最後の瓶詰めの工程でも潰れたキャビアが見つかれば除去し、ひとつぶひとつぶピンセットですくって瓶に詰めていきます。

 

こうしてできるのが、宮崎キャビア1983である。およそ12gで7,020円から。ジャパンキャビアの坂元さんはこのキャビアで世界に打って出ることを計画している。その為、新たな加工場を宮崎県に建設。そこには驚きの仕掛けがされていた。

 

加工場内での採卵の状況をモニタリングできる仕組みや加工上の冷凍庫・冷蔵庫の温度をリアルタイムで把握できるシステム、そして、個体ごとにつけられた個体識別番号を明確化し、最終品の瓶底のQRコードが確認できるようにもした。

こうした努力があって、日本製キャビアで宮崎産が初めて海外輸出を認められるようになった。

 

 

そして、本格的に海外輸出するにあたって、坂元さんが考えていたのが、これまでにない旨味の強いキャビアの製造である。

これまでのキャビアは1種類のみの岩塩で熟成させていたが、いくつかの種類を混ぜ合わせ全く新しいキャビアを作ろうとしていた。

世界を相手に戦うためにはインパクトがあって余韻の長い味を出したいと悩んだ末、坂元さんが向かったのは東京文京区にある和食店「くろぎ」。同郷の店主に意見を聞くことができた。

試行錯誤の結果、3種類の岩塩をブレンドして熟成させることにしました。

 

そして2017年3月。世界進出の第一歩として選んだのが、香港。ここで宮崎キャビアを試そうというのです。向かったのは、格式高いザ・ペニンシュラ香港。フレンチの副料理長に、宮崎キャビアの製造工程と説明し試食してもらう。

 

これは驚いた。うちで使っているのより塩分濃度が低いです。卵も弾力があってプチプチしている。口の中でクリーミーな味わいが広がりますね。それでいて、口の中で長い間うまみを感じることができます。

と高評価を頂いた。

 

その後、フォーシーズンズホテル香港では、宮崎キャビアの正式採用が決まった。

 

 

 

養殖や加工が難しいと言われるアワビやキャビア。今回試行錯誤を繰り返しながら、独自の方法で商品化に結びつけている姿が印象的だった。水産資源の確保が今後難しくなりそうな中、今後養殖はより重要になってくると考えられる。これまで培ってきた養殖技術や新しく生み出される技術は日本の強みになっていくのではないだろうか?