[カンブリア宮殿] ( バリューマネジメント ) 歴史的建物を再活用し、地域を活性化! 日本の文化を継承する…再生事業ビジネス – 2017年4月6日

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年4月6日放送のカンブリア宮殿は「歴史的建物を再活用し、地域を活性化!日本の文化を継承する…再生事業ビジネス」と題してバリューマネジメント 代表取締役 他力野 淳(たりきの じゅん)氏が登場します。

 

歴史を残す!バリューマネジメントの文化継承再生ビジネス

 

有形文化財を活用!鮒鶴京都鴨川リゾート

 

 

鮒鶴京都鴨川リゾート
鮒鶴京都鴨川リゾート

 

大阪迎賓館。この建物は京都二条城の白書院を似せて大阪市が建設費10億円をかけて作った。実はこの大阪迎賓館、1995年のAPEC大阪会議のために作られたもので、その後はほとんど一般公開されず、大阪市が数回使ったのみだった。

それではもったいないと、2016年に建物の一部を改装し、予約制のレストランにした。ランチコースで1万円と高級だが、関西の一流シェフが創る創作フレンチは上々の人気となっている。

 

 

 

ところ変わって、京都府鴨川の川沿いに今話題のスポットがある。伝統的な木造建築の5階建ての鮒鶴京都鴨川リゾートという旅館。半年先まで予約で埋まっている人気の旅館である。

 

料理は京都の食材をふんだんに使った創作フレンチで、ランチコースは3,000円からと安くない。

 

ここが人気なのは、料理だけが要因ではない。

 

鮒鶴京都鴨川リゾートに訪れるお客さんは

建物が歴史があって落ち着いている

 

建物が京都らしい古い感じを残しながら洋風な新しい感じも取り入れている

 

と建物そのものが魅力となっている。文化庁の有形文化財にも指定されている。建物の中には、戦前に作られたエレベータや天井に描かれた「群鯉遊泳図」(小村大雲 作)という7匹の鯉。この鯉は見る角度によって、鴨川の水面が天井に反射し、描かれている鯉が泳いでいるかのようにも見えるのである。

 

群鯉遊泳図
群鯉遊泳図

 

また天井がせり上がり、格式高い「折り上げ格天井」と呼ばれる方式が取られた結婚式にも使われる広間があり、京都エリアの結婚式ランキングで3年連続1位を獲得している(みんなのウェディング調べ)

 

かつては高級料亭旅館として栄えたこの「鮒鶴」は創業145年。宿泊はもちろん、宴会場として地元で人気をよんでいた。しかし、バブル崩壊後、経営の危機に陥っていた。そんなときに、バリューマネジメントという会社から提案を受け、今の姿になったのである。

 

このバリューマネジメントという企業は、歴史的な建物を所有者から請け負い、運営を行っている。

バリューマネジメントは2005年設立で、従業員は540人。急成長を遂げているベンチャー企業である。歴史的価値の高い建物をレストランやホテルとして再生し後世に残すことを目的としている。

 

古い建物は非日常的な空間であることは間違いない。記憶に残る場所になった時、人はまた記憶に残る場所に行くから利用者がどんどん増える

 

バリューマネジメント 代表 他力野 淳氏は言う。

 

 

 

バリューマネジメント流 再生手法

 

では、どのように再生するのか…

例えば兵庫縣農工銀行 豊岡支店は1934年築の国登録有形文化財。ルネサンス様式の外観はそのままに、吹き抜けのある銀行のロビーはおしゃれなレストランスペース(オーベルジュ豊岡1925)に改装した。事務室は、壁は床は当時のまま客室に改装した。

 

オーベルジュ豊岡1925
オーベルジュ豊岡1925

 

 

また、兵庫県朝来市にある、木村酒造場は1902年築の国登録有形文化財であるが、いまは落ち着いた雰囲気のホテルに生まれ変わっている(竹田城 城下町ホテルEN)。酒蔵も当時の梁と柱はそのままにレストランとして改装している。

 

竹田城 城下町 ホテルEN
竹田城 城下町 ホテルEN

 

 

現在、バリューマネジメント は9つの歴史的建造物を再活用しており、売上は右肩上がりで、2016年は55億円を突破した。

 

 

 

 

 

篠山城下町ホテルNIPONIA

 

篠山城下町ホテル NIPPONIA
篠山城下町ホテル NIPPONIA

 

兵庫県篠山市にも、バリューマネジメントが手がけた事業がある。何年も放置されていた築100年の古民家を改装した古民家ホテル「篠山城下町ホテルNIPONIA」である。

昔ながらの風情をできるだけ残しながら、静かでゆったりとくつろげる空間につくりあげている。現在篠山では4軒の古民家をホテルに改修しているが、今後30軒まで拡大予定としている。良いホテルが増えれば、観光客も増え、町の活性化にも繋がる。

 

 

バリューマネジメントの仕組みは、オーナーから建物を借り、建物をホテルやレストランに改修し、従業員を送り込み利益をあげる。そして、オーナーには家賃が支払われる。建物を持っているオーナーは、メンテナンスなどを行わずに済みなおかつ、家賃収入を得ることができるのである。お客良し、運営会社良し、オーナー良いの三方良しの仕組みとなっているのである。

 

 

こうした取り組みに注目したのが、千葉県香取市。香取市の佐原地区は、古い町並みが残る観光地。町中にある4軒の古民家を宿泊施設に改修してほしいという依頼が香取市からバリューマネジメントにあったのである。

 

そのひとつが、1855年の幕末に創業した中村屋商店である。現在は、土産物屋となっている。ここの主人はあることに困っていた。

この建物は文化財でもあるので後世に残していかないと思っているが、修理の前に見積もりを聞いたら、個人では難しい金額が出た

実はこの場所は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、建物の保存が義務付けられている地域である。そのため、家の補修費用が持ち主の大きな負担となっているのである。

そこで、バリューマネジメントのちからを借りて、宿泊施設にしようというのである。

 

 

 

 

バリューマネジメントが歴史的建物を有効利用する基準は?

 

では、バリューマネジメントが手がける基準はいったいどういうものなのだろうか、大きく分けて基準は3つあるという。

 

1つ目は、古ければ古いほど良い。建物は造った瞬間から価値が下がるもので、古い建物なので、簿価はゼロ円である。しかしながら逆張りで古くなればなるほど貴重で建物の希少性が高くなる。従って古いものがそのまま残っていればいるほど価値が高いと考えている。

 

2つ目は、経済性。経済性が左右されるものは、アクセス、人工、この2つの掛け合わせで成立する。しかし、人が来ないからこそ声がかかるので、以下に人が来ないところに来てもらうかを考えていく。

 

3つ目は、誰と組むか。オーナーさんの思いや自治体が志していること、町の人々とか緊急期間の人の思いが「やっぱりお金儲けなんだ」とお金がゴールになってしまうとどこかぶれてきてしまう。すると残したいものが残せなかった…という本末転倒の話になってしまう。

 

 

 

 

歴史ある建物を後世に残したい!他力野氏の想い

 

北野異人館 旧レイン邸
北野異人館 旧レイン邸

 

兵庫県神戸市の北野異人館街は、ハイカラな洋館が並ぶ観光名所である。ここにもバリューマネジメントが運営する北野異人館 旧レイン邸という洋館がある。2010年にバリューマネジメントが改修し、レストランや結婚式場として運営を行っている。

 

 

古い建物なだけに建物のチェックは欠かせない。必ず自分自身で行う。この場所はバリューマネジメント社長の他力野氏にとっても意義深い場所である。

 

1973年生まれの他力野氏は、サラリーマンの家庭で生まれ神戸で育った。少年の頃から神社やお城をよく見て回ったという。そして大学3年のとき、人生を大きく変える出来事にあう。

1995年、阪神淡路大震災。神戸の街が壊滅的な被害にあった。目に飛び込んできたのは、幼い頃から慣れ親しんだ神戸の街が瓦礫の山と化した姿である。だが、その中で建ち続ける古い建物を見つけた時、

 

歴史ある建物を未来に残したい

 

そう思ったという。

 

いつか神戸の役に立つと誓った他力野氏は、1996年にリクルートに入社しウェディング雑誌などを担当。そして2005年バリューマネジメントを設立した。

 

 

 

事業スタートからいきなりの躓き:オープン直前に工事ストップ

 

神戸迎賓館 旧西尾邸
神戸迎賓館 旧西尾邸

 

神戸市須磨区に、独立して最初に手掛けた建物がある。それが神戸迎賓館 旧西尾邸である。1919年築で現在は兵庫県の重要文化財に指定されている。

 

いまは人気の結婚式場となっているが、オープン直前にとんでもない事態に陥った。なんとオープン直前の2ヶ月前に急遽工事ができなくなってしまったのである。結婚式場の改修費は約8億円だったが、資金集めを任せていた会社が逃げ出し、工事が全てストップしてしまったのである。この時既に50組もの予約が入っていた。

 

バリューマネジメントの他力野氏は、50組の予約客に1組1組全員に謝罪を行った。また、オープンに合わせて雇っていた20名のスタッフに対しても謝罪を行った。

 

その後、資金集めに奔走し1年をかけて2007年に旧西尾邸を結婚式場としてオープンするまでに漕ぎつけたのである。

 

バリューマネジメントは働きがいのある会社ランキング2年連続2位となっている(約320社中)。仕事に誇りが持てる、トップが信頼できる、などが評価されている。

 

日本には本気で働きたいと思っている人がいて、その環境と向き合っている会社は少ない。その状況を意図的に打破するようにしている。

現在はインターンシップだけで5,000人ほど応募がある。今年の新入社員は40名ほどである。

 

 

 

 

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新たな試みとしてギンザシックスに挑戦。

 

THE GRAND GINZA
THE GRAND GINZA

 

東京銀座にあるギンザシックス。ここでバリューマネジメントの他力野氏は一大プロジェクトを進めている。地上13階、地下6階、フロアの広さは東京ドーム3個分の銀座最大級の商業施設で、241の有名ブランド店が入ったり、能楽堂も用意されている。

実は、最上階の企画から運営までをバリューマネジメントが任されたのである。新しい建物にゼロから手をいれるのはバリューマネジメントとしては初めての試み。

 

準備しているレストランでは、全国津々浦々の料理を楽しむことができる。また茶室も用意されており、外国人観光客も楽しめる空間となっている。そして、結婚式場も用意されている。

 

 

それにしても、なぜバリューマネジメントが選ばれたのだろうか。

 

GINZA SIXリテールマネジメントの山崎氏は

 

今回のギンザシックスのコンセプトとして伝統と革新というキーワードがあり、重要文化財や歴史的建造物の新たな活用をしているバリューマネジメントに共感した

 

という。