[ガイアの夜明け] ( 日本ガイシ / 極東精機製作所 ) “金の卵”を確保する!〜熱い就職戦線2017〜 – 2017年4月4日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年4月4日放送のガイアの夜明けは「”金の卵”を確保する!〜熱い就職戦線2017〜」と題して知るカフェを通して優秀な学生を探す日本ガイシ、デュアルシステムで金の卵を見つける極東精機製作所の取り組みを特集します。

 

知るカフェ?デュアルシステム?就職戦線の新たな取り組み

 

 

知るカフェで学生との接点を


東京大学赤門のすぐ目の前に、”知るカフェ”東京大学前店という一風変わったカフェがある。このカフェ、実は学生限定のお店である。学生は、このカフェに来店すると、学生証の提示を求められる。

 

カフェ内にあるメニューを見ると、最初の一杯目のドリンクは無料となっている。2杯目からも100円という低価格で提供されている。この”知るカフェ”東京大学前店は、東京大学本郷キャンパスに通う学生のうち7割が登録しているという。

 

カフェの中には、企業の名前を映し出すモニターがいくつも設置されている。学生限定・ドリンク無料の秘密がここにある。

実はこのモニターに映し出される企業、知るカフェのスポンサー企業である。その数は100社以上にも及ぶ。年間およそ300万円の協賛金を払うと企業は学生との交流会を知るカフェで開くことができる仕組みとなっている。企業側としては、優秀な学生といち早く接点を持ち、密な関係を築くことが狙いである。

この知るカフェ、今では全国の有名大学の前に11店舗あり、今後も増える予定だという。

 

知るカフェは株式会社エンリッションという企業が運営しているカフェでカフェ自体も学生によって運営されているのが特徴である。最近では、国内のみならずインドにも出店している。

 

知るカフェ スポンサー
知るカフェ スポンサー

 

 


*株式会社エンリッションが運営する知るカフェについては、2016年10月の夢職人という番組でも紹介されており、そちらの記事も参照ください。


 

 

知るカフェ店舗

関東 東京大学
早稲田大学
慶應義塾大学
中部 名古屋大学
関西 京都大学
大阪大学
神戸大学
同志社大学
立命館大学
関西大学
九州 九州大学

 

 

 

 

東京ビッグサイトでは、3月から各企業の説明会がスタートし、3月2日に実施された合同説明会には、319社の企業が出展し、約1万人の学生が来場した。売り手市場と言われる新卒市場において、人材の獲得こそ企業の生命線。

 

 

 

リケジョを獲得せよ!日本ガイシの就職前線

 

日本ガイシ
日本ガイシ

 

名古屋市に本社がある日本ガイシは創業1919年でもうすぐ創業100年を迎える従業員3,700人にも及ぶ老舗企業。

日本ガイシはセラミックス製品を扱う企業で、開発した商品は消費者ではなく企業に売るBtoBメーカーで自動車排ガス浄化用セラミックスでは世界シェア50%を誇る。しかし、一般消費者に触れにくいため、認知度が低いのが悩みのタネである。今年は文系15人、理系60人を採用予定である。

 

2017年2月13日、日本ガイシは大阪で社員が学生に対して自らの経験を語るというイベントをいくつかの企業と合同で行っていた。経団連の指針によると、学生を直接勧誘することは3月1日まで控えることになっているため、あくまでイベントという形での実施となっている。

 

参加企業の中には、トヨタ自動車もや村田製作所といった企業が参加していた。

2017年卒マイナビ調べ理系大学生就職企業人気ランキングでトヨタ自動車は前年の1位から4位に転落していた。村田製作所でも57位。日本ガイシはこれまで100位までに入ったことがない。

 

*2017年卒マイナビ調べ理系大学生就職企業人気ランキング

1位 味の素
2位 JR東日本
3位 資生堂
4位 トヨタ自動車

 

有名企業と同じイベントに出ることによって、多くの学生と接点を持つことができる。一方で、多くの企業の中に埋もれてしまうリスクもある。その中でどのように学生にアピールするのか、1回1回が勝負である。

 

 

翌日、知るカフェ大阪大学前店に、日本ガイシの採用担当がいた。そこには既にLIXIL三菱ケミカルといった企業の採用担当者もいた。

 

メーカー3社による合同説明会を実施していた。各社持ち時間は20分しかない。その中で日本ガイシは、海外の売上が7割をしめており、若いうちから海外に関わる仕事ができる部分をアピールした。

 

理系の学生は、大学から推薦をもらうと一般の学生より早く選考を受けることができる。

 

 

2017年2月27日、会社説明会の解禁日直前に大阪で理系学生を対象とした就活なんでも相談セミナーが企業合同で実施されていた。

 

 

2017年3月1日、いよいよ全国で企業の説明会が解禁になり、優秀な学生の獲得競争の火蓋が切って落とされる。

 

 

デュアルシステムで学生と企業が相互評価:極東精機製作所

 

デュアルシステム
デュアルシステム

 

東京大田区にある東京都立六郷工科高校。2004年創立で生徒数は590人。実はこの学校、全国唯一のデュアルシステム科がある。デュアルシステム科とは、「学校」と「企業」2つの場でものづくりを学ぶ事ができる学科である。

学校では、機械の使い方などを学び、企業に出向いて就業訓練を受ける。3年間で合計4ヶ月以上、最大6社での就業経験を行うことができる。

 

2016年11月、デュアルシステム科の学生が極東精機製作所での職業訓練を受けていた、極東精機製作所は創業1948年、従業員12人で自動車や鉄道関連の部品を手がけている。20台以上の大型工作機械を揃え、金属の精密加工を得意としている町工場である。

 

訓練中は午前8時から午後5時まで従業員と同じように働く。学生がまず任されたのがバリ取りの作業。部品の不必要な部分を削っていく作業である。高校生といえども求めるのは正確な仕事。就業訓練の間、企業と学生はお互いのことを知ることができるため、生徒の6割以上が訓練先に就職しているという。

 

就業17日目には、この工場で最も重要な大型加工機の操作に取り掛かっていた。金属に穴を開けたり削ったりする最もよく使う機械で機械にその手順をプログラムして使うものである。例えば、”M6”と入力するとドリルを交換する、”M3”と入力するとドリルが正回転する。こうしたコードが約600種類ある。

 

就業25日目には、大型加工機を使った課題の集大成。機械にプログラムを組んで課題として出された型を作り上げること。一度は失敗したものの、2度目で成功することができた。

 

 

 

いま工場を支えるのは高齢のベテランであり、将来を見据えたときに若い人材の確保が極東精機製作所にとっては急務だったのである。

 

都立六郷工科高校では現在、約260社の提携先企業を持っているが、大田区には3,500もの町工場があり、常に提携先開拓に勤しんでいる。提携先の多くが新入社員が定着せずに悩んでいる企業なのである。

高卒の離職率は40.9%(3年以内)と高い。デュアルシステム科の取り組みによって、事前に仕事を知ることで離職率を下げようという狙いもある。

 

 

企業にとって大切なのは、学生に知ってもらい、まず選択肢に入れてもらうこと。そしてそれ以上に大切なのは会社の本当の姿を知ってもらうこと。それができなければ、せっかく入社しても定着してくれない。学生と企業、両方にとってベストな出会い、それを実現するための試行錯誤がこれからも続きそうである。