こんにちは。ひとりで.comです
2017年4月27日放送のカンブリア宮殿は「客よし!店よし!地方よし! 自治体公認!アンテナショップ型の居酒屋チェーン」と題してファンファンクション 社長 合掌 智宏(がっしょう ともひろ)氏が登場します。
自治体公認アンテナショップ型居酒屋という新しい業態
【目次】
佐賀県三瀬村ふもと赤鶏
東京都日本橋。日本橋周辺では、15箇所のアンテナショップがある。
富山県のアンテナショップ。中はおしゃれなカフェやバーのような作りになっている。米どころの富山県は日本酒が豊富で、このアンテナショップでは富山県の地酒が17銘柄楽しむことができる。
そんな日本橋の裏通りには、グルメの激戦区がある。そこに店を構える「佐賀県三瀬村ふもと赤鶏」というちょっと変わった居酒屋がある。新鮮な鶏肉を産地から直接仕入れている。あまり聞かない村の名前を店名に入れて、客の興味をひいている。
また別の店は「北海道八雲町」の文字が…。この店では、北海道八雲町産のホタテを仕入れてお客さんに提供している。店にあるしょうゆも八雲町産という拘りぶりである。
実はこの2店舗、自治体公認のアンテナショップ型の居酒屋という新しい形態の居酒屋なのである。このアンテナショップ型居酒屋を作ったのが、ファンファンクションという企業。2006年創業で社員は70名ほどである。現在、日本橋を中心に9自治体が公認した16店舗の居酒屋を運営している。
無名の自治体の公認をもらいPR
なぜ、無名の自治体を選択しているのだろうか?
ファンファンクションの社長、合掌さんは
北海道八雲町を最初に知った時、何に一番感動したかというと聞いたこともない町に素晴らしい産品があることに感動した。そういう名産品を置く店があると面白いと思って作った。
では、自治体公認とは、具体的に何を表すのか…
「連携協力に関する協定書」これをもって公認とさせてもらっている。
という。
ファンファンクションが自治体に代わって街をPRする代わりに、自治体は生産者を紹介するという取り決めである。
八雲町との連携とその恩恵
北海道八雲町は人口1万7,000人の小さな街である。ファンファンクションが八雲町から自治体公認をもらって、今年で8年目となる。八雲町の町長からも、非常に良い取り組みで、期待している、と太鼓判を押されている。その甲斐もあり、八雲町で生産されるものは優先的にファンファンクションに提供されるようになってきている。
ファンファンクションは、八雲町から材料を直送してもらう事によって、築地で購入するよりも3割ほど安く仕入れることができている。更に街のPRとなるため、ふだん東京では見られない珍しい食材も提供してもらえるのである。
そのひとつが、佐々木農園で栽培されている「軟白ネギ」である。八雲町の軟白ネギは北海道以外には流通していなかったが、ファンファンクションに初めて県外で提供したという。
食材を提供している八雲町側で、ファンファンクションとの取り組みをはじめて、成果があったのだろうか。
一番の成果はふるさと納税だという。居酒屋で知ってふるさと納税で応援てくれる人が増えているという。八雲町も返礼品として八雲町産の肉・魚介類・チーズなど20種類以上を用意しているが、2010年にはわずか150万円だったふるさと納税額が、2016年には11億4,600万円となっている。
自治体だけでなく、ファンファンクションの売上も右肩上がりで、2016年度の売上高は15億円に迫ろうとしている。
出店には慎重さが重要
群馬県北部にある川場村。人口はおよそ3,300人の小さな村である。過疎に悩むこの村にファンファンクションの合掌さんがやってきた。
村長の外山さんは過疎化に切実な思いを寄せていた。
しかし、ファンファンクションの合掌社長は、こうした要望に対しても安請け合いはせず、出店には慎重である。その理由を
もし、お店を閉じることに将来なってしまった時の街の人の顔を想像すると、安請け合いはできない。やるからには長く続けることが使命だと思っているので、長く続けるためには何ができるのか、を考えたい
という。
ファンファンクション合掌社長の生い立ちと展開
自治体公認のアンテナショップ型居酒屋という変わった形態で注目を浴びるファンファンクションの合掌社長。1977年福井県に生まれた。1996年、専門学校を卒業後、実家の電気工事会社へ就職。その後事務と福井の飲食店で働いた。その後2005年に東京八重洲で「ホルモン酒場合掌」を開業した。
この時は、まだ今のかたちではなく、いわゆる普通の居酒屋を運営していた。売上は順調で4年で東京に3店舗を展開するまでにはなったが、これといって店に特徴があるわけでもなく内心不満を持っていたという。ちょうどその頃転機が訪れた。
きっかけはある食材との出会い。
北海道八雲町に転勤となった友人が、八雲町の食材を発泡スチロールに詰めて送ってくれたのであった。その味に衝撃を受けたのだった。その後、築地に行けば仕入れられると思い、築地に行ったのだが、八雲町の食材は見つからなかった。
築地にないことは残念だったが逆にそれがチャンスなのではないかと考えた。無名の生産地のPRをしつつ、そこの食材を提供する居酒屋を作る…この形態が実現できないかと思い、すぐに八雲町に連絡し、現地に出向いた。
八雲町職員の反対意見も乗り越え、2009年アンテナ型居酒屋第一号店「北海道八雲町」をオープンした。
合掌社長が作った店は、居酒屋ながらもあのミシュランガイドに紹介される店もある。それが、「北海道厚岸 本店」である。ミシュランガイドの中でビブグルマンと呼ばれる”星の数で格付けしない安くてうまい名店”の欄に掲載されている。北海道厚岸は、水温が低く日本で唯一生ガキを1年中出荷できるという特徴を持っている。
ファンファンクションの独立支援制度
ファンファンクションでは社員の独立支援も積極的に行っている。その支援でオープンしたお店のひとつが「長崎県 五島列島小値賀町」という居酒屋である。小値賀町は17の島々から出来る町で魚介類が豊富。およそ180種類の魚が採れるという。
ファンファンクションの独立支援制度は、勤続3年以上の社員で優れた成績を残したものに対して、会社が最大2,000万円までの融資を実行。独立した者はこれを5年で返済する、という仕組みである。
この制度でこれまで4人が独立し5つの店を運営している。