こんにちは。ひとりで.comです。
2017年5月2日放送のガイアの夜明けは「進化を続ける「道の駅」」と題して、差別化を図る3つの道の駅を特集します。
全国1,117ヶ所を数える道の駅。その進化を追う。
岐阜県山岡町:おばあちゃん市・山岡
岐阜県山岡町。4,300人が暮らす山あいの街。県道を走っていると突如現れたのは、木造水車。これを目印にする道の駅があります。
ここの食堂にはほとんどの客が注文するという注目の定食がある。
それが、
おふくろの味定食:750円
地元で取れた山菜やてんぷらなど、どこか懐かしさを感じる料理ばかり。これを作っているのは地元の女性たちである。しかも全て手作りである。多いときで1日300食の注文があると言う。
ここは、高齢者が作ったものを高齢者が調理して高齢者が販売する道の駅である。おばあちゃん市という名前の由来はここから来ていた。
全国の発酵食品を集める発酵の里 こうざき
千葉県神崎町。人工およそ6,000人あまりの小さな街である。そこへ年に一度5万人の人が訪れる酒蔵まつりという催し物がある。
ここで夢中になっているのが、日本酒の試し放題。ただで、日本酒が楽しめるとあって、人気を博している。またそれだけでなく、塩麹やきとりやみそ玉といった発酵食品であふれている。
そんな神崎町に、2年前にオープンしたのが、“発酵”をテーマにしてつくられた道の駅「発酵の里 こうざき」だ。全国から発酵食品が集められている。
山形県産の塩納豆に石川県産のふぐの子など、その発酵食品の数は600種類にも及ぶ。見たこともない発酵食品につい手が伸びてしまう。
こうした常識破りの品揃えで年間来場者は約65万人。売上は6億2,800万にもなる。
全国から発酵食品を集めてくるのが「発酵市場」の店長・東川慶さん(32歳)。ゴールデンウィークの目玉商品として、魚のメニューや新たな発酵食品を探すことにした。
東川さんが訪れたのは、宮崎県椎葉村。ここにあったのは、「ねむらせ豆腐」という椎葉村の人しかほとんど知らない名産品。1年間冷蔵庫で味噌漬けにした豆腐だという。
ねむらせ豆腐は、水分を絞った木綿豆腐を昆布で包み、さらにガーゼで包む。それを自家製の麦味噌で漬け込み、冷蔵庫で1年間寝かせることでできあがる。
一方、千葉県神埼町の平甚酒店では、米でこうじ菌を増やした米こうじを使って生みそと呼ばれるものを製造している。一般的な味噌は酒精と言われる醸造用のアルコールを加えて、こうじ菌の活動をとめてから出荷する。一方、平甚酒店の生みそはこうじ菌を活かしたままの拘りのみそである。
道の駅を再生:うつのみや ろまんちっく村
栃木県宇都宮市にある道の駅「うつのみや ろまんちっく村」は、敷地面積46ha、東京ドーム10個分という国内最大級の道の駅だ。農産直売所、飲食施設の他に、自社農場やビール工房、さらには天然温泉付きのホテルも備えた“滞在体験型”の施設として人気を博している。
休日ともなれば、1,000台以上停められる駐車場も満車状態になるほどである。
年間142万人もの人々が来場するという。
この道の駅を仕掛けたのがファーマーズ・フォレストの社長 松本謙さん(50歳)である。日産自動車の社員だった松本さんは30歳を前に転職し、施設運営会社で六本木ヒルズなどの立ち上げに関わってきた。
うつのみや ろまんちっく村は1996年、第三セクターが運営する農林公園として誕生した。しかし、集客に苦戦し経営が悪化。2008年にファーマーズ・フォレストが運営を引き継ぎ、再生に成功したのである。
うつのみや ろまんちっく村での成功を機に、ファーマーズ・フォレストの社長 松本さんのもとには全国各地からアドバイスを求められるようになっている。
千葉県南部にある大多喜町。その中にある道の駅が たけゆらの里 おおたき。いま大多喜町ではこの道の駅を柱にした「観光活性化事業」を計画している。そのアドバイザーとして呼ばれたのが、ファーマーズ・フォレストの社長 松本さんなのである。
道の駅を発着点としたツアー作りのために住民から意見を集めるが、どれもガイドブックに載っているようなものばかりでインパクトにかける。早速暗礁に乗り上げてしまった。
そこで更に住民からアイディアを募り、ツアーのメインにしようと考えたのが、大多喜町にある大小様々なトンネルである。
川廻しと呼ばれる技法で、蛇行する川を真っ直ぐにし、蛇行した部分の水をせき止めることによって、その場所を農地に利用するといったもので、江戸時代から伝わる先人たちの知恵でできた農地だったのです。
さらにとっておきのイベンドが用意されていた。それは、川廻しが行われていた土地に掘られていた水路を抜ける洞窟探検。小さな洞窟は川廻しのための大きな洞窟につながっていたのです。歴史と文化、そして冒険心を満たすツアーは、お客さんの心をぐっと掴んでいた。
道の駅が誕生して24年。今は全国で毎年、20もの新しい施設が誕生している。その為、これまでのように、単に地元の名産品を提供するスタイルでは集客が難しくなってくるかもしれない。地元の特色を活かしつつ、個性を打ち出す。道の駅は新たなステージを迎え、私達利用者にさらなる楽しみを与えてくれるでしょう。