[カンブリア宮殿] ( タマノイ酢 ) おいしい!ヘルシー!ユニーク商品を連発する 老舗が生んだチームワーク経営術の全貌! – 2017年5月11日

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年5月11日放送のカンブリア宮殿は「おいしい!ヘルシー!ユニーク商品を連発する老舗が生んだチームワーク経営術の全貌!」と題して、タマノイ酢株式会社 代表取締役社長 播野 勤(はりの つとむ)氏が登場します。

 

ヒット商品を生んだタマノイ酢のユニークな制度

 

 

 

大阪市船場に本店を構える吉野寿司。長い年月をかけてたどり着いたおいしさ、その味のポイントはシャリにあるという。大阪寿司は東京の寿司に比べてシャリの量が多い。したがって、ご飯の味が非常に重要だという。どんな酢を使うかで寿司の味が決まるのである。

 

この店で使っているのは、タマノイ酢という関西のお酢。多くの大阪寿司のお店が使っているというタマノイ酢のまろやか酢である。

 

ただし、その味に惚れ込んでいるのは、大阪だけではない。

東京駅のデパ地下に店舗を構えるセゾンファクトリーは、手作りのジャムやドレッシングがおいしいと評判のお店である。

その一角で試飲が行われているのは、「飲む酢」である。1本1,000円近くするが、これにタマノイ酢が使われている。

 

年間、50万本が売れる「飲む酢」に使われているのはタマノイ酢の黒酢。タマノイ酢のお酢は素材を引き立てる酢のため、フルーツとの相性が抜群なのだという。

 

関東では馴染みが薄いかもしれないが、日本国内における食酢のシェアでタマノイ酢はミツカン、キユーピー醸造につづいて3位となっている(2015年)。

 

タマノイ酢の奈良工場では年間4,000万本の酢を製造している。

そもそもお酢の作り方は、米やとうもろこし、麦、果汁を1次発酵させアルコールを作る。そこに酢酸菌を加え、2次発酵させたものがお酢なのである。

 

お酢の製造方法 タマノイ酢
お酢の製造方法 タマノイ酢

 

聞きなれない酢酸菌。しかし、この酢酸菌がお酢の味に大きな違いを生むのである。また、タマノイ酢で作るお酢はお米のみから製造している。このお米に大きなこだわりをもっている。

※一般的なリンゴ酢はりんご果汁を発酵させて酢を作るが、タマノイ酢のリンゴ酢は敢えてお米を発酵させて、そこにりんご果汁を混ぜ合わせて製造している。

タマノイ酢で作るお酢はどんなお酢でもお米からできるアルコールをブレンドして製造している。こうすることによって、他の製品よりもまろやかな酢を作ることができているのである。

 

 

 

タマノイ酢、次々と生まれるヒット商品

 

タマノイ酢は1907年創業。大阪の中堅お酢メーカーとして伝統的なお酢を作り続けてきた。その一方でこれまでになかった革新的な商品を作り続けてきた。

例えば、1963年に発売した「すしのこ」。世界で初めてお酢の粉末化に成功した。ご飯にかけるだけで簡単に酢飯が作れるとあって、業界を震撼させた商品である。

手軽にお寿司を作ることができるので、若いひとも人気である。

さらに、1969年に販売した「パーポー」。業界に先駆けて発売した中華調味料である。関東ではほとんど知られていないが、関西では定番の中華調味料である。いためた野菜にパーポーを追加するだけで簡単に八宝菜を作ることができるのである。八宝菜のもとだから…パーポー、というネーミングなのである。

そして、タマノイ酢の最大のヒット商品が1996年に発売の「はちみつ黒酢ダイエット」である。お酢を飲む習慣がなかった時代に打ち出した、日本初のお酢ドリンクである。

こうした画期的な商品を生み出すタマノイ酢の本社が大阪にあった。大阪の本社では、社員50名に対してパソコンが10台しかない。いまどき…と思われるかもしれないが、これが様々な効果をもたらしている。例えば、いつどんなメールが来ているかを他の人と共有したり、他の人が持っている資料を確認できたり…結果的に、パソコンをなくしてから、チームワークが増したという。

 

また、タマノイ酢では、新入社員が思ったことを幹部社員に伝えるプレゼン会を実施し、若手でも意見を言える社風を作り出している。

 

こうした若手でも活躍できる現場作りとチームワークがタマノイ酢がヒットを生み出す仕組みである。

 

実際、「はちみつ黒酢ダイエット」は入社2年目の社員が、お通じがよくなる事をうたった「はちみつマイルド センナ」は入社3年目の社員が企画した商品である。

 

 

 

 

人事異動が多い会社:タマノイ酢

タマノイ酢では何の前触れもなく、人事異動が発表される。そして、人事異動が多い会社である。1年ほどで異動になることも珍しくないという。

この多すぎる部署異動の仕組みを考えたのも、播野社長である。

そのきっかけは、バブル崩壊後の絶体絶命の危機である。

 

 

1953年、大阪に生まれた播野氏は、タマノイ酢の創業家の親戚の家に生まれた。本家筋ではなかったが、1969年には父親が社長になり、その10年後に播野氏もタマノイ酢に入社した。

 

しかし、バブル崩壊を機に会社は危機を迎える事となった。バブル崩壊当時、社長は、播野氏の兄だった。その兄が不動産やゴルフ会員権の投資によって15億円の負債を作ってしまったのである。会社は倒産寸前で絶体絶命の状態だった。そんな中で38歳で社長を託された播野氏。

 

社長を託された播野氏は末期的な状況に陥っている現場を目の当たりにした。現状を把握しようと行った幹部会で営業部長が放った言葉は…

 

社長は営業のことには口出ししないでいただきたい

だったという。

縦割りの組織のため、例えば営業でも東京支店と大阪支店がけんかしている…製造と管理と営業の上長がけんかしている…という状況が日常茶飯事に起きていた。

 

こうした状況を変革するために播野氏が考えたのが…

縦割りの組織を壊すために大胆な人事異動を行うこと

だった。

まず、東京と大阪の支店の社員を半分入れ替えた。社員を入れ替えたところ、これまでけんかしていた社員が静かになった。相手の気持ち(状況)に置かれてはじめて状況が理解できる、そういった人たちが増えていったのである。

 

こうした、人事異動による副産物も生まれているという。タマノイ酢の奈良工場では、移動してきた社員の提案で、これまで1日8時間労働、週5日間勤務だったところ、1日10時間労働、週4日勤務と、4年前から週休3日制の”働き方改革”を行っていたのである。

 

タマノイ酢は頻繁な異動のメリットを以下の3点と捉えている。

  • 常に慣れない人がいて社員同士が助け合うようになる
  • 社内に多くのつながりができる
  • 会社全体を意識できるようになる

 

 

 

 

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タマノイ酢のユニークな制度

 

ユニークな制度がたくさんあるタマノイ酢。今話題の”働き改革”でも特徴的なルールがたくさんある。

 

タマノイ酢のルール①:就業時間内に30分運動

本社の中には、スポーツジムがあり、会社の制度として、就業時間内に30分の運動をするルールを作っている。これには播野氏も毎日かかさず行っている。運動後に会議をやると、会議が明るくなるのだという。

ジムには冷蔵庫があり、はちみつ黒酢ダイエットが飲み放題なのだという。

 

 

タマノイ酢のルール②:夜8時までにはオフィスを消灯

オフィスは夜8時前には消灯となり、夜8時までには社員は帰らなければならない。残業を減らすこの制度は3年前に導入し、社員の働き方に対する考え方も変わったという。

 

タマノイ酢のルール③:キャリア制社員

タマノイ酢では、5年間限定で、正社員と同じ仕事を与えられて働く事ができるキャリア制社員という制度がある。雇用形態は契約社員で、残業はない。就業後の時間は自分の夢に向かって活動することができる。

日本語教師になるため、芸術家になるため、教師になるため、などそれぞれの夢に向かいながら、仕事をすることができるのである。

現在タマノイ酢では34人の社員がキャリア制社員として勤務している。

また、5年間勤め上げると、退職金に準じたお金としてボーナス50万〜100万が支給されるのである。

 

 

 

 

 

人間だけじゃない? お酢が発揮するチカラ

 

 

牛の体調管理を考え、牛に「高酸度マイルド酢」を6年前から仕入れている。お酢を牛の飲水に混ぜて使用している。

牛にお酢を飲ませるようになってからある変化があったという。春や秋といった季節の変わり目に人間も体調を崩すのと同じように牛も体調を崩すことが多かったが、お酢を飲ませてから、体調を崩すことが少なくなったという。

さらに、搾乳量が10%ほど増加し、牛乳も濃くなったというのである。