こんにちは。ひとりで.comです。
2017年7月1日放送のNEC presentsミライダネは「新たなコミュニケーションを生み出す?VRの最新技術!」と題して、VRの最新技術を特集します。
様々なゲームやアトラクションなどに活用され、注目を集めているVR(バーチャルリアリティー)、2016年は「VR元年」と言われ一気に注目が集まったが、さらに今年は私たちの生活を変える技術へと進化を遂げている。
NTTドコモが開発しているのは、お互いが離れた場所にいても、まるで近くにいるかのように対話ができるVR。最先端の通信技術とVRの融合によって生まれる新たなコミュニケーションの形とは?
そして日本のVR研究の第一人者・東大の廣瀬通孝教授は、あるプロジェクトを行っている。かつてイギリス皇太子が乗るために作られた専用車両「御料車」。その中の一つの車両をVRで再現し、誰もが車内を見られるように開発中。後世に残すべき財産の保存・普及に加え、体験と共に気持ちも伝えることができる技術、それがVRだと廣瀬氏は語る。
ただ仮想世界を体験して楽しむだけではなく、場所や時間を超えて人と人をつなぐ技術になりつつあるVR。その最新技術に迫る!
VRの最新技術
ゲーム以外にも発展がすすむVRの世界
ゲームの世界では一般的になりつつあるVR(バーチャルリアリティ)=仮想現実という技術。CGなどを組み合わせて仮想の空間を現実のように感じさせる技術の事を言います。
近年そのVRがゲーム以外の世界でも活躍し始めている。
神奈川県横須賀市にあるNTTドコモの研究施設。ここでは、VRを使った新たなサービスの研究を行っている。ヘッドマウントディスプレイをかぶり360度どの方向にも映像が映し出されていた。
さらに両手や指先にも装置を付けると、VR空間の中で指を動かしたり、VR空間にあるものに触って振動を発生することによって、実際にその空間の中にいるかのように感じる事ができるようになっている。
VRの第一人者:廣瀬通孝教授
ところかわって、東京大学。東京大学の廣瀬通孝教授はVR研究の第一人者である。VRという言葉がまだ一般的ではない時代から仮想現実の世界の研究を続けている。レポーターが見ていたのは、空に浮かぶ階段の風景。
実際に階段をのぼっていなくても、脳の錯覚を利用することによって、階段をのぼっているように錯覚させることができるというのである。
360度見渡せるカメラによってその場にいるように錯覚させることができる。そしてここに、少しの段差を用意し、階段のふちがあるように思わせるだけで、階段を登っているような感覚を脳に錯覚させることができるのである。
VRがダイエットにも役立つ?
廣瀬通孝教授は脳の錯覚を利用して暮らしを豊かにできないかと研究を進めている。例えば、VR空間で持つクッキーの大きさを変えることによって、ダイエットに役立つのではないかと考えている。実際に実験してみたところ、実際の大きさよりもVR上で小さくしたクッキーは13枚食べることで満腹感を感じたが、実際の大きさよりも大きくした場合は7枚で満腹感を感じたのだという。
脳を錯覚させる実験は他にも応用研究されていて、写真に動きを与える映像を作ったりもしている。
VR研究の始まりは1968年にアメリカで世界初のヘッドマウントディスプレイが開発されたことに始まる。廣瀬通孝教授はおよそ30年前にアメリカの遊園地で目にした3Dアトラクションがきっかけでこの道に進むきっかけになったという。
10年におよぶ研究の末、1997年に完成させたのが、壁・床・天井がスクリーンになった部屋。この部屋に入った人は、コントローラを使って、この世界を縦横無尽に動くことができるというものである。
鉄道博物館の特別車両「御料車」をVRで再現!
現在、廣瀬通孝教授はさいたま市にある鉄道博物館であるプロジェクトを任されている。それが、天皇など皇室の方々専用の御料車をVRで再現しようというものである。
この御料車は1922年に製造されたものであるが、品質を保つためにガラス張りの部屋に保管されている。しかし、なんとか鉄道好きの方々に中を見せたいと思い、VRで再現できないかと考えたのである。
2台のカメラで撮影した360度映像は、専用のソフトを使って1つに合成し、球体状に加工することで、実際のVRの画像ができあがるのである。