こんにちは。ひとりで.comです。
2017年7月20日放送のカンブリア宮殿は「「安い・新鮮・美味い」で主婦殺到!不思議すぎる人気店の秘密!!」と題してモンテン 社長 髙品 謙一さんが登場します。
主婦熱狂!唯一無二の小売店:おなかすいたの常識破りのオンリーワン経営術
【目次】
スーパーともの差別化。青果と加工食品専門の「おなかすいた」
東京渋谷区の笹塚。沿線に住宅街が広がるこの街はスーパー激戦区。そんななかにあって、笹塚駅のすぐ近くにあるOna casita(おなかすいた)というお店。
コンビニよりもやや狭い店舗ではレジでピークの夕方の時間帯はレジ前に行列ができるほどである。お客を引き寄せているのは、野菜。その値段は、レタス98円、大根78円など、どの野菜も周辺のお店より2〜3割安い。
主婦たちの目当ては野菜だけではない。お菓子や調味料などの加工食品のラインナップも豊かである。あまり見たことがない全国の名産品が並んでいる。一見、食品スーパーのようだが、肉や魚はおいてなく、野菜と加工食品だけの異色の小売店である。
開業して1年ほどだが、現在、関東と関西を中心に10店舗を展開しており、2017年内にあと3店舗を新規出店予定だという。
店舗の中には、埼玉県久喜市にあるアリオ鷺宮の食品スーパーの目の前に出店しているものもある。お客さんは、スーパーに行く前におなかすいたに立ち寄り、その後スーパーに寄る人が多い。しかし、このような形では、スーパーの売上が下がってしまわないのか…。
これが実は反対でスーパーの売上もあがっているのだという。お客さまの選択肢が広がりいい形で相乗効果を生んでいるのだという。
これまで日本になかった店…その正体とは
唯一無二の店作り①:品揃えより”旬と安さ”
おなかすいたの安さの秘密を握る仕入れの現場では、おなかすいたの取締役が市場で旬の野菜を目利きする。旬の野菜は出荷量も多く値段が下がる。逆に旬ではない野菜には極力手を出さない。”野菜の品揃え”よりも”旬で安い”ということを重視する。
大型スーパーがおよそ500種類の青果を並べているのに対し、おなかすいたでは、約50種類。およそ10分の1の種類である。
唯一無二の店作り②:鮮度が落ちた野菜は売らない
おなかすいたの店舗では、時間によって価格をどんどん下げていく。鮮度の落ちやすい野菜は”当日売り切り”を基本としており、次の日に持ち越して鮮度が落ちた野菜を売ったりはしない。したがって、店には冷蔵ケースがない。
鮮度の秘密は売り切り戦略ではない。お客さんは大型スーパーよりも鮮度が良いと口を揃えて言う。
その理由は、スーパーは仲卸を通じて商品を仕入れているが、その仲卸は、スーパーから大量に発注がありそうな場合などは、市場から事前に青果を仕入れておき、自社の冷蔵庫で保管する。そして、必要な時にスーパーに卸すという仕組みをとっているため、どうしても鮮度が下がってしまうのである。
仲卸は、スーパーからの発注に対して、鮮度が悪いときは、少し怒られる程度であるが、数が揃わない時は、ものすごく怒られるのだという。そういうことも相まって、仲卸はどうしても鮮度よりも数を揃えることを優先してしまうのだという。
一方、おなかすいたでは”当日仕入れの当日販売”となるため、スーパーと比較しても鮮度は3日から5日程度差が出るという。
唯一無二の店作り③:常識破りの野菜陳列
他にはないお店づくりにするために、モンテンでは特別なチームを作っている。それが、”匠チーム”である。匠チームは、店舗の商品棚を作るチームである。
ホームセンターで素材を購入し、商品棚を作るDIYのスペシャリストチームである。
このスペシャリスト達は下記のような決してスーパーや青果店にはないような商品陳列を行い、お客さんの目をひいている。
実際、上記のような店舗に変えることによって、売上が10%アップしたという。
モノマネ商売から学んだオンリーワン経営
出店ラッシュが続いた、おなかすいた。阿佐ヶ谷にもオープン予定となっている。出店場所は阿佐ヶ谷の新名所にもなるのではと言われているショッピングストリートのど真ん中である。
いまや、出店依頼が月に10件以上くるほどの人気店となっている。
絶好調と思われるが、実はここまで社長の髙品謙一さんは失敗の連続だったという。
1973年、千葉県木更津で生まれた髙品謙一さん。父親がホームセンターや書店を展開する年商200億円のチェーン店株式会社タカヨシを経営している。その長男として誕生した。1999年にはアメリカの大学院でMBAを取得し、帰国後父親の経営する企業に入社した。
当時、バブル時代のつけで抱えた借金が90億円にも膨れ上がっており、瀕死の状態だったという。そこから出口の見えない苦難の日々が続いた。会社の立て直しを任された髙品謙一さんは、次々と新事業に手を出していく。
カラオケボックスに始まり、マッサージ店、立ち飲み居酒屋など世の中で流行っている業態をそのまま出すモノマネ商売を続けた。しかし、真似をされた本家が怒って、目の前に出店、2番煎じの店は相次ぎ閉店に追い込まれた。
そんな失敗続きの中で唯一調子が良かったのが、スーパーの隅で始めた野菜の産直売り場だった。髙品謙一さんは郊外を中心に直売場を次々に作っていった。
そんなある日、首都圏の商業施設から出店依頼が舞い込んだのである。そこは川崎にある駅ビル。これまでと違い、近くに農家がないため産直ができなかったが、やってみることにした。
この時の野菜は農家ではなく、市場から仕入れたのだが、それでも大盛況だった。この光景を目の当たりにして、”都会の直売所”は商売になる、と確信したのだった。
この時、父親の会社から独立し、2015年にモンテンを設立したのである。
都会の直売所モデルを可能にした取締役の国井さん
この”都会の直売所”モデルを可能にしたのが、モンテンの取締役である国井さんである。国井さんは、青果仲卸の7代目社長で、国井さんがいるから当日入った新鮮な野菜を仕入れることができるのである。
同じ後継ぎであったが、事情は異なっていた。そもそもなぜ国井さんは手を組もうと考えたのか…。
最初は無理だとお断りをしたが、あの気迫、あの状況の中で前に進もうとする馬力に押され、この人だったら一緒にやりたいと思わせるものがあった。
という。
地方の絶品を探し回るモンテンのバイヤー
2017年3月、東京の錦糸町のマルイ錦糸町店に新しいおなかすいたがオープンとなった。看板の野菜はおかず、全国から集めた1,000商品以上の加工食品を置く専門店とした。
北海道コーン茶やみそ半月など、普段見ないような商品を置き、思わず手を伸ばしたくなる一品を置いている。
こうした商品はどのように見つけているのだろうか。
モンテンのバイヤーは、毎月地方にまわって、絶品を探し回っている。地方の場合、その地方のみに展開している地元のスーパーに行くと、その店でしか扱っていないような絶品に出会えるという。
今回目をつけたのが、フルーツ葛きりである。買ったその場で試食を行い、その場で電話。許可がでればその場で交渉に向かうのがモンテンのバイヤーのスタイル。
この葛きりを作っているのが、石川県のオハラという企業。オハラ が製造している「金澤くずきり」は国産の吉野葛を使った独自商品である。地元を中心に販売している商品でモンテンで扱うのにうってつけの商品である。仕入れの価格は、大手のように叩かず、メーカー側に一任するのが、モンテンのスタイル。
さらに注目したのが、谷川醸造の糀のディップソース。米麹と甘酒を合わせて、ショウガやニンニクを加えたソースである。姉妹品に、糀とごまのディップソースもある。
このようにして、年間600種類もの商品を発掘している。