こんにちは。ひとりで.comです。
2017年7月31日放送の未来世紀ジパングは「日本企業が海外でヒットさせた商品が “逆輸入”で続々、ニッポン上陸!」と題してデング熱に対応するシャープの蚊取り空気清浄機”蚊取空清”、エースコックのフォー、イオンのパンガシウスの蒲焼きを特集します。
日本の海外製品を逆輸入!新たな商品開発方法!
マレーシアのデング熱対策に蚊取り空気清浄機
急成長を遂げるマレーシアの首都クアラルンプール。ここでいま深刻な事態が起きていた。もっとも事態が深刻なセランゴール州ではデング熱を発症させる蚊が大量発生していたのである。デング熱はネッタイシマカなどによって媒介される感染症で熱帯や亜熱帯全体で流行している。
いまのところ効果的な対処法がなく、場合によっては死に至ることもあるという。
デング熱の感染者数はここ数年で急増しており、2016年は10万人以上が感染し、200人以上が死に至っている。
感染者が増えている原因のひとつが、経済発展に起因する建設ラッシュだという。工事現場には蚊が発生しやすい水たまりが多く存在し、そこで蚊が卵を生み繁殖するのである。
この深刻な状況を受け、国も動き出していた。それが蚊取りGメンである。保健省がアポなしで家庭の水回りを確認して抜き打ちチェックを行っている。
蚊の幼虫が見つかれば、1回1万3,000円の罰金が課せられる。何度も注意を受けると実刑として刑務所に入れられることもあるという。さらに工事現場などで、注意を受けると工事の中止を求められるという。
そんな中、意外な方法で蚊を退治しようとする日本企業があった。この日、ある商品を家庭で試してもらおうと持ち込んだ。それが、シャープの空気清浄機である。
3日後、状況を見にシャープの社員が訪れると…蚊が17匹ほど空気清浄機で取れていた。効果覿面だった。蚊も取れて空気も取れて一石二鳥である。
この蚊取り空気清浄機が生まれたのは意外なきっかけだった。シャープはマレーシアで空気清浄機を売り出そうとしていたが、まだまだ需要がない状況だった。そんな中、あるマレーシア人スタッフから
空気清浄機に蚊が取れる機能があれば爆発的にヒットするだろう
と言われた。
なるべく殺虫剤を使わずに蚊をとるために、どういう仕組みにするかシャープは熟慮を重ねた。まずはIMR(マレーシア保健省)の協力を得て蚊の習性を研究した。
6年の歳月をかけて完成させた蚊取り空気清浄機の仕組みは以下の通りである。
本体の色は蚊の好きな色の黒。さらに蚊を誘うUVライトを発光させ蚊をおびき寄せる。さらに、空気清浄機の気流を活用し空気清浄機に近づいた蚊は中に吸い込まれる。そして、中についている粘着シートで蚊を捕獲するのである。
2015年に発売し、またたく間に大ヒット商品となった。マレーシアの家電量販店では、月に20台ほど販売される売れ筋の商品だという。3万円以上する商品が目標の2倍以上売れているという。
現在、マレーシアだけでなく蚊の驚異に苦しむ東南アジアを中心とした16の国と地域で販売されている。
この勢いに乗り、これを日本に逆輸入しようというのである。東南アジア向けに作った商品を日本で販売することを決めたのである。
日本での商品名は”蚊取空清”。発売前から話題となり1000件以上の予約があったという。
【人間を殺している生物トップ5】
1位 | 蚊 | 72.5万人 |
2位 | 人間 | 47.5万人 |
3位 | ヘビ | 5万人 |
4位 | 犬 | 2.5万人 |
5位 | ツェツェバエ | 1万人 |
麺大国でトップの日本企業エースコック
ベトナムのハノイ。街でよく見かけるのがフォー。ベトナムの国民的な麺料理であっさりスープと米で作った平打ち麺が特徴である。
さらにベトナムの麺料理として最近注目されているのが、フォーより細いブンという麺である。これを甘酸っぱい汁につけて食べるつけ麺ブンチャーが人気となっている。
ブンチャーが人気となったのが、オバマ大統領である。オバマ大統領がベトナムに来た時に食べたとして一気に人気となったのである。
即席麺大国とも呼ばれる麺大国のベトナムで家庭の味として定番なのが、即席麺である。ベトナムの即席麺の年間消費量は約49億食となっており、日本の約57億食にせまる勢いとなっている。
ベトナムの即席麺市場で圧倒的な人気を誇るのが「ハオハオ」という商品。実はこれ、日本のエースコックが販売している。
エースコックがベトナムに進出したのは、1993年。他社が見向きもしなかった未開拓地に乗り込んだのである。そんなエースコック はいまやハオハオを年間約29億食、シェア50%以上を誇るまでになっている。
そして、いまエースコック が力を入れているのが、デーニャットフォーというフォーの即席麺である。
エースコックがベトナムでの商品開発で気をつけていることは、現地の人の舌を信じるということ。ベトナム人に愛されなければ、ベトナムでヒットを生むことはできない。
この即席フォーに新たな動きがスタートしていた。それが、ベトナムから日本に逆輸入させようというのである。この麺を使って日本で作られているのが、Pho ccori気分である。
売上はこの2年で8倍に増えているという。近年の健康志向もこの売上増を後押ししている。このフォーは小麦のフライ麺に比べるとカロリーが3分の1ほどになるのだという。
逆輸入品の数々
上記以外にも、逆輸入品が数々日本で販売されている。例えばグリコのプリッツ。タイのラーブ味、中国の麻婆味、ハワイのパイナップル味、カナダのメープル味などが逆輸入されている。またゼンパスタ も逆輸入品として人気になったもののひとつである。
ゼンパスタは乾燥しらたきであるが、イタリアでパスタの代わりに使ったところ、ヘルシーだと人気になり日本に逆輸入された。
その他にも、日本生まれのものとして、トランスフォーマーやブルーボトルコーヒーなどがあげられる。
うなぎの蒲焼に異変!?パンガシウス
夏の風物詩として、いまスーパーにうなぎの蒲焼が並び始めている。しかし、近年しらすうなぎの減少などで価格が高騰している。国産うなぎはなかなか手が出しづらくなっている。そんな中、スーパーでは、パンガシウスという白身魚がうなぎの蒲焼の代替品として販売され始めている。この蒲焼きはうなぎの3分の1ほどの価格となる。
パンガシウスとは、ナマズの一種であるという。パンガウスの養殖がさかんなのはベトナムのメコン川下流地域。
この養殖場で、イオンはパンガシウスを買い付けている。イオン がパンガシウスに目をつけたのには訳がある。実はこのパンガシウス、通常フィッシュアンドチップスのフライや、日本ののり弁の白身魚としてよく使われてきた。
しかし、日本ではこれまでなまずの泥臭いイメージを嫌ってか、”白身魚”としてのみ流通してきた。
これをイオン は白身魚とは違う形で日本で流通させたいともくろんでおり、それが蒲焼きであったのである。イオン と言えば、2016年近畿大学が開発した養殖ナマズの蒲焼きを販売したが、国内での養殖だったため、充分な量を確保できず、値段も高めだった。
そこでベトナムのパンガシウスに目をつけたというわけである。養殖から加工までをイオン が管理している。