[未来世紀ジパング] ( 三井物産 / 不二製油 ) 勃発!世界疑似食開発競争 おいしいモノが続々出てきた! – 2017年8月7日

未来世紀ジパング
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年8月7日放送の未来世紀ジパングは「勃発!世界疑似食開発競争 おいしいモノが続々出てきた!」と題して疑似食として注目されている疑似肉・疑似チーズ、そして食糧問題を解決するかもしれない昆虫食について紹介していきます。

 

美味しくなければ売れない時代

 

ビルゲイツ氏も投資するアメリカで大注目の”疑似肉”

 

インポッシブルバーガー
インポッシブルバーガー

 

東京は世界中からおいしいものが集まる街。NY発のシェイクシャックは今年の春には4店舗目がオープンする予定である。

 

また、同じNY発のドミニクアンセルベーカリージャパンはフランス人パティシエによるベーカリー。アイスを焼きマシュマロで包んだスイーツなどが女性に大人気となっている。

 

また、カリフォルニア発のファストフードチェーンであるタコベルは日本から一度撤退したが、一昨年再上陸を果たした。

 

 

アメリカ西海岸でいま注目の店が、ウマミバーガーである。日本の”ウマミ”を全面に押し出し、2016年タイム誌にて、史上最も影響力のあるハンバーガーにも選出された。

ここのハンバーガーの一番のポイントは…植物由来の”疑似肉”を使ったハンバーガーであるという点である。また、コレステロールがゼロで健康的であるということもあり、健康志向のアメリカ人から人気を博している。

この疑似肉を開発したのは、シリコンバレーのベンチャー企業”インポッシブル・フーズ”である。この疑似肉にアメリカの投資家や企業が注目を集めている。あのビルゲイツ氏も巨額の投資をしているのだという。

この疑似肉は、別の会社から家庭用としても作られている。家庭用の疑似肉はビヨンドバーガーと呼ばれる商品である。

 

 

疑似食に出資をすすめる三井物産

 

こうした疑似肉に注目しているのはアメリカ企業だけでなく、日本企業も注目している。その1社が大手商社の三井物産である。三井物産は、ビヨンドバーガーを開発した企業であるサベージ・リバーに出資を行っている。三井物産はこのビヨンドバーガーを日本で販売しようと考えているのである。

このサベージ・リバーのCEOは

今後人口増加が見込まれる中で、これからも我々は肉を食べ続けるだろう。しかし、その肉は果たして本当に家畜からとる必要はあるのだろうか。われわれの技術であれば、植物から代替品を作ることができるのではないか…そこからこの事業がスタートした

という。

 

このサベージ・リバーでは栄養学などの学者が食品開発を行っている。牛肉の構造を分子レベルで科学的に分析し、5年の歳月をかけて完成させたのだという。疑似肉の主な成分はえんどう豆から抽出したタンパク質で、肉汁成分としてサンフラワーオイル、食感にアラビアガム、色味にビーツと全て植物から疑似肉を作り出している。

 

実は、三井物産は他にもおいしい偽物に出資を行っている。

 

サンフランシスコにあるハンプトン・クリークという企業では、卵の疑似食を開発している。これも植物由来で作られている。見た目は少し白っぽいが味や歯ごたえは卵に近い。まだ開発中のため原料が何かは言えないのだという。

植物から作る方が本物の卵よりも水と土地は40%、二酸化炭素排出量は50%も削減できるのだという。

健康そして環境を配慮して作られた疑似食は日本の家庭に並ぶのも近いのではないだろうか?

 

 

ベジタリアン文化が根付くアメリカでは、昔から疑似肉がポピュラーな食材となっている。豆腐でできたハンバーガーや麦が原料のソーセージ、クルミで作られたベーコンなどもある。

 

なぜ、アメリカでは疑似食文化が進んでいるのだろうか。その理由として、

 

1.健康志向

ベジタリアン文化が根付いており、中には健康のことを考えて週に1回はベジタリアンとなるフレキシタリアンと呼ばれる人が増えているのだという。

2.イノベーション

アメリカでは生物学系の研究者が食品ベンチャーに積極的に参加している。健康やおいしさを科学的に分析し、疑似食を生み出している。ビル・ゲイツ氏は100億ほどこうした食品ベンチャーに出資しているのだという。

3.食糧危機

2050年には98億人にもなると言われている世界の人口。その時必要なタンパク質は今の2倍必要だと言われている。そうなると、人口に合わせて牛や豚などの家畜を増やしていくのが難しくなってくる。

 

 

 

 

不二製油の疑似チーズ

 

東京表参道にあるHATAKEというレストラン。流行に敏感な女性客に人気のイタリアンレストランである。

ここでもある疑似食が使われていた。それがチーズである。

チーズの疑似食の原料は、豆乳である。この疑似食を作っているのが、不二製油である。不二製油が作る大豆舞珠(まめまーじゅ)がチーズの代わりとして使われている。


不二製油については、2016年10月のガイアの夜明けでも紹介されております。

 

 

豆乳から作った疑似チーズである大豆舞珠(まめまーじゅ)はチーズよりもカロリーが低く、コレステロールもほとんどないのが特徴である。大豆が原料なだけに美に敏感な女性に人気となっている。

 

大豆舞珠(まめまーじゅ)を作った不二製油 は従業員1,000人ほどの中間材メーカーである。主に食品メーカー向けに材料を製造している。

しかし、なぜ油メーカーが大豆からチーズを作ったのか…それは大豆が油の原料であるからである。

この50年で大豆関連製品を数多く開発してきた不二製油 であるが、去年念願だった大豆を元にしたチーズである大豆舞珠(まめまーじゅ) の開発に成功した。

最大の壁は”臭い”だったという。豆乳も牛乳と同じように発酵させるとチーズのようなものができる。しかし、豆乳の場合、脂肪分を分離させるのが難しくどうしても臭みが残ってしまっていた。

そこで不二製油が5年の歳月をかけて完成させた豆乳から脂肪分を分離する世界初の特許技術がUSS製法(ウルトラソイセパレーション)である。これで豆臭いにおいをなくすことに成功したのである。

 

この不二製油がチャレンジするのは、チーズの生産量・消費量ともに世界一のアメリカへの進出である。不二製油は世界進出の第一歩としてアメリカ最大級の食品展示会”ファンシーフードショー”での出展を行った。このファンシーフードショーは世界各国からおよそ2,600社が出展し、世界のバイヤー5万人が来場している。

食品展示会の中でのチーズは特別コーナーができるほど人気の食材である。世界の一級品が集まるこの展示会で不二製油の疑似チーズが受け入れられるのだろうか?

しかし…来場者の反応はすこぶる悪い…というのもアメリカで疑似チーズはイミテーションチーズと呼ばれ、非常にポピュラーな食材である。

アメリカではココナッツやアーモンドなどの植物をもとに作られているのだが、発酵もさせず作るなど、大豆舞珠(まめまーじゅ)とは作り方が全く異なり、味や食感もチーズのそれとは大きく異なる。

アメリカのバイヤーはこのイミテーションチーズのイメージがついてしまっているため、不二製油大豆舞珠(まめまーじゅ)には見向きもしなかったというわけである。

そこで大豆舞珠(まめまーじゅ)をもって、展示会会場を周り大豆舞珠(まめまーじゅ)食べてもらう作戦に出た。実際に食べたバイヤーは他のイミテーションチーズとの違いに驚きを隠せない。

その噂を聞きつけてか、徐々に展示ブースに人が集まり始め、多くのバイヤーから高評価を得ることができた。

 

さらに、アメリカへの進出を本格化するために、ピザ屋に訪問。実際にピザにして焼いてみると…チーズとの違いがわからないほどの感触を得ることができた。

 

 

 

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食糧問題を解決するかもしれない?昆虫食事情

 

2013年に国連の食糧農業機関が発表したレポートで、昆虫は栄養価が高く、養殖もしやすいため食糧問題の対策に使えるのではないかと提唱している。

既に世界120カ国以上、1,900種類の昆虫が昆虫食として活用されている。あまり日本では馴染みがないように思われるが、実はいま日本でもこの昆虫を活かした食糧の研究が進んでいるのである。

とある大学で限定的に販売されたラーメンがコオロギラーメンである。

コオロギラーメン
コオロギラーメン

 

タイから輸入した養殖のコオロギを鍋に入れ、1時間ほど煮込むと特製のコオロギスープができあがる。この味は…エビのような味がするという。このラーメンを開発したのが、慶応大学4年の篠原祐太さん。

篠原さんは、有名ラーメンチェーン「凪」とコオロギラーメンを共同開発。2年の歳月をかけて完成させた。今後昆虫専門の飲食店も開業していきたいと考えているという。

 

近年、欧米を中心に昆虫食をメインとしたベンチャー企業が増えてきており、2023年にはこの昆虫食市場が約580億円になるとも言われている。

 

ただし、産業として考える際には効率も考えていかなければならない。例えば昆虫が増えることに寄る環境破壊やイナゴなどによる公害が発生することも考えられる。