こんにちは。ひとりで.comです。
2017年8月5日放送のNEC presentsミライダネは「使われていないエネルギーを探せ!」と題して、捨てているエネルギーを再利用する驚きの技術を紹介する。
世の中には使われていないエネルギーがあちこちに眠っているのを ご存知ですか?
私たちが捨てているゴミにもエネルギー、 そして私たち人間の日常の動作にもエネルギーが潜んでいることを ・・・それをうまく取り出し使えたら! そんな新しいエネルギーを生み出す技術にフォーカスします。
東北大・多田千佳准教授は、宮城の名湯・ 鳴子温泉と組んでゴミからガスエネルギーを生み出すプロジェクト を始動!大手メーカーを脱サラした清水敦史さん( チャレナジー代表)は、世界初のどこにもない風力発電を開発。
音や振動から電気を作り出すことに着目した速水浩平さん( 音力発電代表)は、電池要らずのリモコンやスイッチを開発。 なんと高齢者の徘徊問題も解決する秘密兵器まで・・・ いったいどんなミライの技術があるのか、注目です!
当たり前に捨てているエネルギーをどう有効活用できるか?
生ゴミをエネルギーにするene cafe METHAN
宮城県北部にある鳴子温泉。多くの温泉宿が立ち並び、その歴史は1000年以上。古くから湯治場としても親しまれてきた。街の一角に町民が足繁く通う場所がある。そこに余ったご飯を入れ、そのグラム数を記入した紙を事務所に提出した。
ここは生ゴミを持ち込むと100グラムにつき1杯無料で飲めるカフェなのである(ene cafe METHAN)。生ゴミを集めたタンクは温泉の熱で一定温度に保ち、微生物で発酵させる仕組みになっている。こうしてメタンガスを作り出し、お湯を沸かす燃料となっている。
メニューはコーヒー、紅茶、えのき茶など。このカフェの発案者が東北大学大学院の多田千佳准教授。旅館から出る食べ残しを何かに使えないかと考え、この施設を考えたのだという。
いまやこのカフェはしっかり定着し、1日あたりおよそ5キロのゴミが集まってくるという。
さながら、バック・トゥ・ザ・フューチャーの世界のようである。
捨てているエネルギーを活用する発電床
栃木県小山市のとある一軒家。一見、何の変哲もない階段だが、この階段、階段を踏むとLEDライトが発光する仕組みとなっている。この階段には発電床が仕込まれているという。
この仕組みを開発したのは、神奈川県藤沢市にある音力発電という企業。床に伝わる振動で発電をする仕組みとなっており、体重60キロの人の場合、約300個〜400個のLEDライトを点灯させることができるのだという。板の中に圧電素子と呼ばれる圧力をかけて振動させると電気が発生する装置を入れており、それがLEDライトを点灯させるのである。
この仕組みはライターにも利用されている。
これまでは、発電の力が弱く実用化が難しかったが、音力発電ではその効率化を実現。15分の歩行によって、携帯電話を5分通話できるほどの電力発電に成功したのである。
子供の頃から工作が好きだった音力発電の社長の速水氏。理科の授業をヒントを得て、音で発電できるのではと10歳の頃に思いついた。音による発電機を完成させたものの、音のエネルギーは小さく実用的ではなかったという。
そこで、音=振動から応用し、振動で発電させる仕組みを生み出したのである。
いま、速水氏が開発しているのが、発電靴である。この発電靴で高齢者の徘徊対策に使えないかを研究している。高齢者の徘徊問題は年間1万人以上。発電靴に入れたセンサーがBlue Toothを介して、スマホに情報を送信する。それによって徘徊者がどこにいるのかがわかるようになり、徘徊者の発見に役立てたいと考えているという。
台風の風をエネルギーに変えるチャレナジーの風力発電
沖縄南城市にあるのは、風力発電機。これを開発したのは、東京のベンチャー企業チャレナジーの清水氏。
清水氏が目をつけたのは、台風。これまで活用されてこなかった台風のエネルギーを有効活用しようというのです。
風力発電と言えば、羽型のモデルが一般的。しかし強風時は事故や故障を防ぐために停止する仕組みとなっており、台風などの強力な風は有効活用されていないのが現実である。
しかし、チャレナジーの機械は風の影響を受けにくいため台風などでも問題なく、電力を蓄電することができる。
昨年、沖縄に上陸した台風のときにも、通常の風力発言機が軒並み止まる中、チャレナジーの風力発電機はとまらずに蓄電をすることに成功した。
チャレナジーの風力発言機は、通常の発電機と比べて大きくないため、都市部のビルの屋上や公園などでの活用も視野に入れている。
しかし目下の課題は発電量。風車を回すのに電気を使っていることもあり現在の発電量は1kWで生活家電が使えるレベルでしかない。そのため、発電量を増やすための試作機を現在開発中であるという。2020年の実用化を目指している。