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2017年8月17日放送のカンブリア宮殿は「画期的商品&徹底改良で年商1兆4千億円!
客の心をつかむ商品を生む”本質研究”の神髄」と題して花王 社長 澤田 道隆(さわだ みちたか)氏が登場します。
2007年にカンブリア宮殿に登場した花王は、ここ10年余りで売り上げを2000億円以上も積み増し、その改良力に更なる磨きをかけていた!今回はその徹底した基礎研究の強みで、客が欲しい商品を次々と生み出していく知られざる花王の強さを徹底解剖。激変の時代でも勝ち続ける秘密に迫る!
画期的商品&徹底改良の花王
画期的な商品を生み出す商品:花王
日本の家庭に革命を起こしている新商品。それが花王のキュキュットクリア泡スプレーである。子供用のお弁当箱や奥まで手の届かない水筒や洗いにくかったミキサーの歯なども驚くほど簡単に洗うことができるようになった。
このキュキュットクリア泡スプレーは発売から半年でおよそ420万本を売る大ヒットとなっている。そんな便利過ぎる日用品を作り続けているのが花王である。
実はそんな花王だが、思っている以上に日常生活で役立つ製品を多く販売している。とあるご家庭を覗いてみると…
洗濯洗剤のアタック、お風呂掃除のバスマジックリン、ヘアスプレーのケープ、洗顔料のビオレなど日用品はほとんど花王の製品だった。
花王製品は1世帯あたり年間約40個の製品を使用しているのが一般的なのである。
そんな花王の年商は1兆4,500億円にものぼる。
カンブリア宮殿では2007年にも花王を取り上げている。市場規模が大きく変わらない日用品の分野で花王は10年あまりで売上を2,200億円も増やし営業利益も倍増の勢いで伸び続けている。
実は花王、新たな分野でも続々とヒットを飛ばしている。それが…めぐりズムである。内側から蒸気が出て目の周りをあたため、眼精疲労に効果的だという。
花王社長の澤田 道隆氏曰く、このめぐりズムこそ、花王の勝ちパターンを体現しているというのである。花王の基本戦略は”世の中にない画期的な機能の商品を出す”ことにある。
実際、今では定番となっている商品もかつては、世の中にない画期的な商品として発売されたものばかりなのである。
例えば、シャンプーのメリットも発売当初は”フケとかゆみを抑える”という特定の機能をもった画期的な商品であった。そして2003年に発売されてブームとなったヘルシア緑茶も”飲むだけで脂肪を消費しやすくする飲料”というそれまでになかった飲み物である。
花王はこのようにこれまでなかった画期的な商品を生み出し、それをロングセラー商品に変えていく。
クイックルワイパーもそんな商品の一つである。クイックルワイパーは1994年に全く新しい掃除用品として発売された。
このクイックルワイパーも画期的な商品として発売後、何度も改良を重ねることによってロングセラー商品となっている。例えば、ヘッドの部分。発売以来改良を繰り返し吸着力アップを図っている。そして以前のものよりヘッドの厚さも13ミリ薄くなっている。
生み出した画期的商品をロングセラー商品に変える花王流。
その勝ちパターンは
- 従来型から大きく飛躍した商品を発売。
- 改良で性能を上げ続けロングセラーに。
というサイクルを行うことで行っている。
花王の改良への研究は、商品自体だけでなく、商品の詰替パックにまで及んでいる。これまで20年間に及び使いやすい詰替えパックを追求してきているのである。
これまでの詰替製品の一番の課題は詰替時にこぼれてしまうことだった。最新型の詰替パックは差込口にピッタリドッキングさせることができるため、こぼれることが大幅に減った。シャンプーのエッセンシャルをこの詰め替え容器に変えて以降、売上が1.2倍にアップしたのだという。
さらに詰め替えの課題として内容物の残りが挙げられていた。これを解決するために、容器の改修を行った。以下の改良前と改良後の図を見ていただくと、改良後のノズルには容器のノズルの部分の根っこに少しスキマがあできるように設計してある。これによって、内容物が残らないようになったのである。
こうした改良を可能にしているのが、花王の生活者コミュニケーションセンターである。ここにお客さんからの問い合わせや要望が年間22万件も寄せられる。その情報はすぐさまデータ化され、翌日には全国の研究所に届く仕組みになっている。
商品名を検索すると、最新の意見を見ることができるため、それを見ながら次の開発のタネを見つけるのである。
花王のさまざまな分野における本質研究
いま女性たちの心を鷲掴みにしている花王の商品がある。それが最新の柔軟剤:フレアフレグランスである。2015年の日経MJ 柔軟剤ランキングで1位に輝いた商品でもある。
様々な香りが女性からの支持を得ている。
花王には香料開発研究所という香りを日夜研究している研究所がある。いわば香りを極まる集団である。世の中のあらゆる香りを採取する活動を行っている。
ここには、”香りマエストロ”と呼ばれる澤村茂氏がいる。1000種類保有する香料から狙った臭いをピタリと作りあげてしまうのである。
花王には香り以外にもさまざまな研究機関が存在する。例えば泡を極まる集団。泡に関する研究を日夜行っており、泡が瞬時に消える”泡切れ”を追求することによって、2014年にはキュキュットが食器用洗剤部門で国内首位のP&Gを逆転しトップシェアとなった。
香りや泡、繊維、酵素、水、界面、皮膚、毛髪などの本質を徹底的に研究し、その成果を使って消費者が欲しがる商品を作り上げているのである。これが花王のヒットを生み出してきた”本質研究”である。
澤田社長の本質研究とその成果
花王の社長澤田 道隆氏は1981年に入社。研究畑を歩んできた。自身も逆境を本質研究に救われた経験を持つ。それは47歳のとき、2003年サニタリー研究所長に就任しおむつのメリーズを取り扱っていた。
当時のメリーズは競合各社の勢いに太刀打ちできず、事業継続の危機に陥っていた。巻き返しを測るため、訪問調査を徹底的に行ない、肌への優しさがもっとも必要とされているニーズだということがわかった。
そこで徹底的に材質の調査を行い、おむつの形状も見直した。細かい凹凸を持つ形状にすることによって、肌との接触面積を減らし、風通しをよくした。
こうして新型メリーズはその改良によって紙おむつトップシェアとなった。
インドネシアの洗濯事情に挑む花王
世界第四位の人工を誇るインドネシア。この国の女性には大きな悩みがある。それが選択である。いまでも約8割が粉洗剤で手洗いを行っている。
実はインドネシアの水はカルシウムを多く含む硬水であり、汚れが落ちにくいのだという。したがって洗濯機を持っていてもひどい汚れは手洗いを行うのが一般的なのである。そのため、インドネシアの女性たちの手は荒れ放題。
そんな女性たちの救世主が花王のJaz1という商品である。
2014年、硬水でも汚れが落ちるJaz1を開発した。これがいっきにインドネシアで普及し、インドネシアで人気を博している。
2017年イチオシのヒット商品
日々、全国の花王の営業所を回って澤田イズムを従業員に叩き込む澤田社長の2017年夏のイチオシ商品がデオドラントZという商品である。これはこの季節に気になる脇汗をケアする商品である。
これも今までにない画期的な商品である。従来の制汗剤のように汗を止めるのではなく蒸発させるという発想で汗の臭いを防止する。発売から3ヶ月で300万本を販売した。