こんにちは。ひとりで.comです。
2017年8月19日放送のNEC presentsミライダネは「もっと便利に!地域を救う自動運転」と題して、群馬大学がすすめる安価に実現できる地域限定自動運転車の仕組みを特集します。
世界中の自動車メーカーが今開発に力を入れている自動運転。法整備なども必要なため簡単に実現できないものですが、大手メーカー以外でも様々なレベルで、生活を変えるための自動運転技術の開発が行われています。
運転ルートを限定したヤマハの自動運転カートや、群馬大学(小木津武樹准教授)による地域限定の自動運転技術を紹介します。特に高齢化がすすむ地方の現場では、日常の足となる車の自動運転に注目が集まっており、群馬大学は自治体と協力して街中での自動運転実験を開始。
大手メーカーとは違うアプローチで取り組む一般道での走行技術とは?
地域限定自動運転技術とは?
電磁誘導線で動く自動運転カート
沖縄県名護市にあるナゴパイナップルパーク。新鮮なパイナップルやお菓子、ジュースを味わうことができる。ここには子どもたちに大人気の車があります。それがパイナップル号。この車、自動で操縦される。
地面にレールがあるわけでもないのになぜ正確に動くのだろうか。このカートを作ったのはヤマハモーターパワープロダクツ。このカートは地面に埋めてある電磁誘導線に沿ってカートが動く仕組みになっているのだという。
20年ほど前からある技術だが、これまで使われてきたのはテーマパークやゴルフ場などの私有地に限ってのことである。
そして、いまこれとは全く異なる自動運転技術に対して自動車メーカー各社が凌ぎを削っている。そこに割って入ってきたのが、大手IT企業のGoogle。ビッグデータやAI人工知能を活かし安全な自動運転技術の開発を進めている。
群馬大学がすすめる自動運転技術
一方地方大学では、全く異なるアプローチによって自動運転技術の開発をすすめている。その技術を使うことによって、AIなどよりも安価に自動運転を実現できる。
群馬県桐生市の群馬大学でその技術の開発が進められている。その研究をすすめるのが、群馬大学大学院 理工学府 准教授の小木津 武樹さん(32歳)。
小木津さんは市販の車にいくつかの装置を乗せて自動運転技術を実現させようと開発を進めている。
車の上にはレーザーセンサー、そして全方位カメラが取り付けられている。さらにGPSもついているが、これらは大手メーカーが開発をすすめる自動運転車にもついているものである。
大手の自動運転車は、どんな場所でも自動運転が可能となるように様々なセンサーや装置が取り付けられている。一方小木津さんが開発をすすめる自動運転車は、地域限定をコンセプトにした自動運転のため、必要なコンピュータもコンパクトにすることができている。
この自動運転技術、事前に周囲を車で走り、道の形状や障害物の位置などの情報を蓄積し地図を作成する。そして、作った地図の上を再度走り、信号の位置や一時停止の位置、白線が消えてしまっている道などを見つけ、細かく地図にその情報をインプットしていく。
こうすることによって、正確に自動運転ができるようになる。
例えば、自動運転で曲がる際には、
①ウィンカーを出す位置
②一時停止する位置
③頭出しで広く検知する位置
④ウィンカーを消す位置
をそれぞれ全ての道においてプログラムをインプットする。
小木津さんは、慶応大学在学時代に、どこでも走れる自動運転技術の研究に携わっていたが、それから、今すぐにでも自動運転技術が必要な需要があることに気づいた。
それが特に高齢化社会が進む地域や過疎地域である。特に後者はバスやタクシーの維持が困難になりはじめており、大手メーカーがすすめる自動運転技術が実用化されるまで待つことができないと判断。
従って、はやくそして安く自動運転が実現できる研究に絞って研究をすすめることにしたのである。