こんにちは。ひとりで.comです。
2017年8月31日放送のカンブリア宮殿は「お値打ち国産牛で大行列!焼き肉革命児」と題してあみやき亭の会長 佐藤 啓介(さとう けいすけ)氏が登場します。
大手焼き肉チェーンといえば、アメリカや豪州などの海外産牛肉を使うのが当たり前のビジネス。
そんな中、国産牛で勝負をして大行列を作る業界の新勢力が、愛知を地盤に東京にまで拡大する「あみやき亭」。”食肉のプロ集団”として独自のノウハウで成長する、業界の革命児を追う。
お値打ち国産牛で大行列!焼き肉革命児:あみやき亭
安くて美味しい国産牛、あみやき亭
”肉の名門”スエヒロ館というファミリーレストランをご存知でしょうか?週末には午前11時の開店前から行列ができている。お客さんが待ちぼうけしているのはハンバーグ。
国産牛100%で粗挽きの甘みのある肉質が特徴。誕生日にはバースデーケーキを無料でプレゼントしてくれる(要予約)。
そんな大満足のスエヒロ館、以前と今とでは味もサービスも大きく異なるのだという。実は2009年、経営難となり買収されたのである。
あみやき亭 が買収してから売上高は30%アップし、利益は13倍にも膨れ上がった。
あみやき亭 は愛知県を中心に107店舗を構える焼肉チェーンである。既に東京へも進出し、その店も行列ができるほどの人気となっている。
このあみやき亭 、カルビだけで10種類もラインナップがある。さらにご飯もかためとやわらかめのご飯が選べ、炊きあがり30分以内のご飯しか出さない。さらにご飯をこだわりたい人は”かま焚き一番ライス”という席で20分で炊き上げるライスも用意されている。
そんなあみやき亭は、大手焼肉チェーンの一角に数えられるようになり、そのグループ売上高は300億を超えている。
実はあみやき亭、他のチェーンとは全く別の切り口で成長を続けてきた。それが、”お値打ちの国産牛”である。実に提供する肉の8割が国産牛。しかも安い。
そもそも、日本の焼肉市場が拡大したきっかけは1991年の牛肉の輸入自由化だと言われている。アメリカの広大な農場で大量生産された安い牛肉が輸入されるようになり、安さを武器にした焼肉チェーンが拡大していったのである。
そんな中あみやき亭は海外産に負けない価格で国産牛を提供することにこだわってきた。
あみやき亭、国産牛の安さの秘密
なぜあみやき亭は国産牛を安く提供できるのか?その秘密があみやき亭の愛知本社にあった。
本社内にあるセントラルキッチンでは、100人のスタッフが各店舗で使う肉をさばいている。鮮度を保つため、その日に使う肉の量だけさばくのがあみやき流。
さらに、あみやき亭では、塊の大きなバラ肉の状態で仕入れ、精肉職人たちが必要な大きさ・量に切り分けていく。
実は大きなバラ肉は普通に切り分けると6割が廃棄になってしまう。それを職人たちが隅から隅まで丁寧に切り分け商品として使えるように切り分けてしまうのである。
あばらの近くにある部分の肉は通常硬くて使われないが、あみやき亭ではビビンバで使用する肉にミンチとして使っている。
さらに脂身との境目で切り分ける際に出てしまう細かい肉はミンチにしてハンバーグにすることによって大人気商品に生まれ変わるのである。
無駄を削りおいしさを生み出す、それがあみやき亭の流儀である。
同じ産地の肉を大量に買い付けることができる海外産とは異なり、さまざまな産地に広がる国産牛。全国の卸をめぐりお買い得の肉を買い付けるバイヤーがいなければ、安くてうまい肉は提供できない。ここもあみやき亭の強みである。
セントラルキッチンが安さの秘密
実はセントラルキッチンでまとめて肉をさばくことで、更に安くすることができるのだという。それはあみやき亭の店舗にその秘密が隠されている。
例えばとある店舗では、居抜き物件で前のお店から店舗を引き継いだが、その時と比較して厨房の大きさは3分の1となっている。
セントラルキッチンの熟練職人が切り分けを行っているため、店舗の厨房スタッフは、それに味付けをするだけで済む。
これにより、客席数を増やすことができ、収益性がアップし、肉の価格も抑えることが出来ているのである。
あみやき亭誕生のきっかけ
あみやき亭では新店舗オープンの際に必ずと言っていいほどある招待客を呼ぶ。それが店舗近くの児童養護施設のこどもたちである(店舗の場所によって施設は異なる)。
10年以上前から新店舗オープンの際は、子どもたちを無料招待することを続けている。
あみやき亭 会長の佐藤氏は、1950年新潟県南魚沼生まれ。8歳の時父が倒れ寝たきりになった。その為、貧しい生活を送ることになった。中学2年ぐらいから土木工事を行うほどだった。そんな佐藤氏は19歳になった頃、兄が経営する愛知県の食肉販売会社の手伝いをはじめた。
牛肉をまともに食べたことがなかった佐藤氏は、はじめてそのおいしさを知ることとなる。そこで、佐藤氏は肉をさばく生活を続けたのである。
そうした中、特に佐藤氏の印象に深く残っているのが、全国の食肉農家である。少しでも良い牛を育てるため、朝から晩まで丁寧に世話をする農家に心を打たれた。
国産牛がおいしいのは農家の人たちの努力のおかげだと知った。
そんな食肉業界で必死に働いた佐藤氏、45歳のある日、人生を変える出来事が起きた。
近所にできた大手焼肉チェーン。お店に入るとそこで提供されていた肉は、全て海外産の牛肉であった。そこで感じたのは…
こんな肉でこんな価格でこんなに儲かるのであれば、自分がやればもっとおいしい肉を安く提供できるはずだ
と。
そこで1995年、会社を辞め、あみやき亭第一号店をオープンさせた。ほかにない国産牛を4割提供する焼肉店の誕生である。
しかし、開店当初はお客さんの入りも少なく閑古鳥がなく状態だった。閉店後、深夜の街をチラシを持って周り、お店の宣伝を必死に行った。
そうしてようやく客が来始めたのは、はじめてから半年後の話だった。その後人気店となり経営は安定した。
ところが今度は焼肉業界を震撼させる問題が起きた。それが2003年のBSE騒動である。アメリカ産の牛肉は全面輸入禁止となった。多くの大手焼肉チェーンはオーストラリア産に切り替えることを余儀なくされた。
しかし、佐藤氏は全く別の戦略を取る。
いまこそ安心安全に国産牛をアピールするチャンスである
そう考え、国産牛の仕入れを倍に引き上げ、海外産に負けないように試行錯誤を繰り返した。
今までのノウハウを存分に。あみやき亭の店舗再生
近年、街で目にする今までにない焼肉店。例えば上野にある神保町食肉センター 上野店は1時間並んでも食べたいと言われるホルモン焼肉店である。
このお店では朝採れのレバーをその日のうちに提供する。
しかし、ウリはそれだけじゃない。実はこの店、ランチタイム限定で45分食べ放題を実施している。更に驚くべきはその価格。食べ放題が950円である。
一方中目黒にあるのは焼肉いぐち。まるでお寿司屋さんのようなカウンター形式になっている。ここは、自分で焼かない焼肉店である。職人が最高の味になるように焼いた状態で提供してくれるのである。
肉を焼かなくて良いので会話に集中できるのも人気の秘密である。
新宿のブラックホールという焼肉店は、4年前にあみやき亭グループになった。後継者がいないということでアクトグループという会社から買い取ってのである。
あみやき亭グループになってから、扱う肉の種類、店内のあらゆる備品のコスト管理まで徹底的に精査し、人気店に進化させたのである。