[未来世紀ジパング] ( 石谷寿康 / 鳴海健太朗 ) ウナギとマグロ 新たな調達ルートを確保せよ! – 2017年9月11日

未来世紀ジパング
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年9月11日放送の未来世紀ジパングは「ウナギとマグロ 新たな調達ルートを確保せよ!」と題していま資源枯渇が危惧されているウナギとマグロの新たな調達先を求めるニッポンの動きを追う。

その場所はインドネシア。

日本のベンチャー企業が天然の”生マグロ”を釣り上げた4日後に日本の店舗へ届ける、画期的な事業を始めていた。さらにインドネシアでは、ウナギの稚魚”シラスウナギ”も大漁、争奪戦が起こっていた。

 

 

ウナギとマグロ 新たな調達ルートを確保せよ!

 

インドネシアでウナギの養殖がはじまっている

ビカーラ種
ビカーラ種

【出典:http://www.kawasui.co.jp/fs/kawasui/c/gr315

 

日本人が大好きなウナギとマグロ。絶滅の危機に瀕しているこの2つの食材に新たなルートが登場しつつある。

 

ウナギの救世主がインドネシアのボゴール州。首都ジャカルタから車で3時間ほどのところにある場所である。村のところどころには、ウナギを養殖していると思われる池がある。泥で濁った池の底を網で引くと大きなウナギがたくさん釣れる。

インドネシアでは近年、ウナギ養殖ブームとなっている。これまで、農家を営んでいた人たちも養殖のウナギは儲かると知ってから、ウナギの養殖にシフトしている人が増えてきている。

 

なぜ、こんなにもウナギの養殖が流行っているのだろうか…。白いダイヤと呼ばれるウナギの稚魚であるシラスウナギがインドネシア海域では取り放題となっている。日本では厳しく規制されているが、インドネシアでは規制がないという。

ひと晩でおよそ700匹ほど取れるという。もしこれを日本で取引した場合、30万円にはなるのだという。

ウナギ養殖場で育てたウナギは日本に売るのだという。ただし、ここのウナギは日本のものと少し種類が違う。日本のウナギはジャポニカ種、インドネシアのウナギはビカーラ種なのである。種類こそ違うが、味はニホンウナギに近いという。

 

出荷先はこれまで主に日本だったが、最近では台湾や香港、韓国などからのオーダーが増えているのだという。

 

日本人が食べているウナギは、ニホンウナギ・アメリカウナギ・ヨーロッパウナギがメインとなるが、そのどれもが、絶滅危惧種に指定されている。ヨーロッパウナギに関しては、絶滅危惧種のAランクに指定されている。

日本は世界のウナギの70%を食べていると言われている。まさにこれは日本が巻き起こした事態と言えよう。そこで、インドネシアのビカーラ種に熱視線が集まっているのである。

 

 

 

 

 

アジアのウナギ王

 

インドネシア在住の日本人、石谷寿康さんはジャワスイサン・インダを経営している。インドネシアのジャワ島の南にあるスカブミ州に石谷さんの養殖場がある。

インドネシア在住46年の石谷さんが行う養殖ウナギは、他のウナギとは味が大きく異なるのだという。インドネシアで出される一般的なビカーラ種の養殖ウナギは、皮が硬く、身も硬く日本人が満足できるものではない。

 

一方、石谷さんが行うウナギの養殖は特別な方法で行われている。石谷さんは2ヘクタールの養殖池に100万匹ほどのウナギを養殖している。

では一体、他の養殖場と石谷さんの養殖ウナギは何が違うのか。

ひとつめは水である。一般的な養殖場では、川の水を使っているが石谷さんの養殖場では地下水を使っている。川の水を使うと肥料や汚物が混入してしまい衛生的に良くないのだという。

ふたつめはエサである。エサの原料は日本から輸入し独自にブレンドしたものを与えている。これによってウナギの味が大きく変わるのだという。

そしてみっつめは、独自のシラスハウスと呼ばれる建物にあるのだという。詳細は企業秘密であるが、ウナギの養殖で一番難しいのが、稚魚の育て方である。シラスウナギを海水から淡水に適用させるのが難しく通常5割程度死なせてしまうが、特別な方法で7割程度生き残らせることに成功したのである。

 

石谷さんがウナギ養殖を始めたのは8年前。もともと28歳の時に電気関係企業の駐在員としてインドネシアを訪れ河川工事をしている時にたまたまビカーラ種のウナギと出会ったのだという。そして退職後の2009年に独学でウナギの養殖を始めたのだという。

石谷さんは今では加工工場を建設し、蒲焼きにして出荷している。そして日本の栄屋フーズなどのスーパーや飲食店などに卸されている。最近では通信販売も始めた。


 

 

 

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インドネシアからマグロを4日で輸入するFTI JAPAN

 

インドネシア・マルク州の小さな漁村では漁師たちがキハダマグロを手釣りしていた。地元の人達は取ったマグロを塩漬けし天日干しにする。インドネシアでは保存食として食べるのが一般的なのだという。その理由は鮮度の問題。

インドネシアでマグロビジネスを行うFTI JAPANの鳴海健太朗さんは現地の市場の状況を教えてくれた。

市場には南国らしい色とりどりの魚が並んでいる。その中にキハダマグロも市場で出回っているが、鮮度が落ちているので、刺し身としては使えない

以前は製薬会社に勤務していた鳴海さんは3年前にインドネシアのキハダマグロを輸入するビジネスを始めた。

 

天然マグロは水産会社が抑え、冷凍した状態で日本に運ばれてくる。しかし鳴海さんは生のままたった4日間で日本へ輸入する仕組みを作り上げたのだ。

 

日本人が食べているマグロは主に5種類。クロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ(インドマグロ)、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)であるが、前者3つに関しては、絶滅危惧種・危険種に指定されている。後者2つに関しては、まだ多く生存している状態なのだという。

 

特に太平洋マグロに関しては、漁獲のほとんどが幼魚の状態になっているとのことで、減る一方なのだという。マグロの漁業については、江戸時代から社会システムが変化しておらず、規制がされていないのである。

 

そこで重要になってくるのが個別漁獲枠方式である。個別漁獲枠方式とは、1隻あたりで漁獲できる量を決めてしまう事である。そうすることによって、高く売れる成魚を取るようになり、幼魚は残るようになる事が期待されている。

ノルウェーは1980年代からこの個別漁獲枠方式を採用している。最初は漁業関係者から猛反対を受けたが、国民世論が後押しして導入に至った。