[ガイアの夜明け] ( リバティー / リビタ ) 大改革!”ニッポンの宿” – 2017年9月12日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年9月12日放送のガイアの夜明けは「大改革!”ニッポンの宿”」と題して廃業に追い込まれる旅館の再生や新たなホテルの姿を紹介する。

 

外国人観光客の急増などで、日本のホテル・旅館業界は活況を呈している。しかし、それも大都市や有名な観光地が中心で、地方の小さな旅館は、逆に客足が遠のき廃業に追い込まれている所も多い。

そんな中、あえてそれらに目を向け、再生を仕掛け、全国津々浦々まで広がるネットワークを築こうとしている企業がある。小規模旅館向けの業務支援システムなどを手掛ける「リバティー」(静岡市)だ。

その独自の再生手法とは?一方、かつて銀行や仏壇店だった建物をリノベーションし、おしゃれなホテルへと再生しているのが、京王グループの不動産会社「リビタ」(東京・目黒区)。そのユニークな試みが今、感度の高い人々や外国人客に受けているという。

これまで目を向けられなかった場所にあえて着目し、「客を呼ぶ」旅館・ホテルへと再生する人々を追った。

 

大改革!”ニッポンの宿”

 

小さな宿のHP支援を行うリバティーの宿再生へのチャレンジ

 

河津七滝
河津七滝

 

静岡県河津町、街の観光名所のひとつが大滝。落差30メートルの滝である。滝壺のすぐそばには温泉がある。数々の映画やドラマの撮影地としても有名である。その露天風呂を含め、東京ドーム10個分の敷地を有しているのが天城荘である。

しかし、そんな有名旅館がいまとんでもないことになっている。名物の五右衛門風呂は錆びついてしまい、120畳の大広間はもう何年も使われていないのだという。

天城荘は最盛期には年間10億円売り上げていたが、2017年に3億以上の負債を抱えて破綻し、買収された。

天城荘を1億円で買収し、再建を目指すのが福原良佐さんである。大改革のコンセプトはリゾート。若者にも客層を広げようとするのが狙いだという。

 

福原良佐さんの会社、株式会社リバティーの本社は静岡市にある。設立は1985年、社員約80人で年間の売り上げは8億円ほど。現在、3,000件の宿と契約しており、宿のホームページ作成と管理運営を行っている。

さらに集客のサポートまで行っている。リバティーは契約している宿の空室状況を把握し、大手予約サイトへの掲載を代行してくれる。空き部屋が埋まらない場合は宿に対してプランの提案を行っている。

契約料は月額2万円とその他集客サポートで売り上げた宿泊代の5%を手数料として売り上げる仕組みとなっている。

例えば、福島県の住吉館は、ホームページを改修し、ネットでの売上を8倍にした。

サポートはネット上だけではなく、2ヶ月に1度は顧客の元に訪れ、状況把握を行います。大手予約サイトなどで行われる口コミの得点をあげるためにアドバイスなども行う。

 

福原良佐さんには、壮大な夢がある。それは、小さな宿を連携させて大規模なホテルチェーンに対抗するというものである。

 

2017年6月6日、リバティーは世界最大級のオンライン旅行サイト”エクスペディア”との商談に臨んでいた。エクスペディアは世界43万件の宿と提携している。日本を統括する責任者自らが商談にやってきたのである。

 


エクスペディアは、海外から日本にやってくるインバウンドの需要を獲得しようと地方の宿の獲得を目指しているが、多くの宿がリバティーのシステムを利用しているという情報を聞きつけ、提携したいと提案してきたのである。

 

そんな福原さんにとっても天城荘の再生は大きな挑戦。これまで数多くの宿をサポートしてきたが、今回は宿の経営の全責任を負う。自らの手腕が試される大仕事である。

 

これまで32年間、小さな宿をサポートしてきた経験が活かされるが一方で課題も山積みである。ホームページは写真を並べただけ、料理は長年イノシシ鍋を推したまま、さらに25歳の若女将にも問題があるのだという。

25歳の若女将、田中智与さんは天城荘の前経営者の孫で東京生まれ東京育ち。旅館業とは無縁の生活を送っていたが、それまで女将をしていた叔母がなくなり急遽宿を手伝うことになったのだという。

 

2017年1月から正式に天城荘の若女将となった。リバティーに経営権が移ったのはその2ヶ月後だった。若女将の田中智与さんからしたら寝耳に水の状況だった。今回、リバティーの福原さんは、旧経営陣であった若女将はそのままとした。

その理由について…

若女将の田中智与さんは天城荘のシンボルなので、彼女にシンボルとして頑張ってもらい、そして経営者になってもらいたい

と話していた。

 

しかし、若いがゆえにベテランとの軋轢も生まれていた。

 

 

そこで福原さんは、若女将に対して福島県にある東山温泉に女将研修に行かせた。研修に訪れたのは、芦名という1975年創業の純和風旅館。レトロな雰囲気が人気で予約が取れない旅館として知られている。

福原さんとは20年来の付き合いだという女将の和田美千代さん。

お客さんが到着すると女将が一番にお客さんに近づき自ら荷物を取るなど率先することがあったかと思うと、ひたすら黒子に徹することも。また、暇さえあれば掃除なども行うなど、若女将の田中さんが旅館で行っていた動きとは大きく異なっていた。

 

女将の和田美千代さんは

本来は自分でやらなければいけない仕事を、従業員に代わりにやってもらっているという感覚を持つことが大事。そう考えると、やってもらって悪い…と思えるようになる。

と話す。

 

 

再生がはじまって5ヶ月…りばてぃ リゾ・音 AMAGISOにはかつての賑わいが戻りつつあった。再生の成果は徐々に出始めており、夏休みに入り、満室の状況が続いていた。

ホームページは魅力的な滝をドローンを使って撮影し臨場感を出した。長年変わらず飽きられていた料理は旬の食材を使った料理に変更した。

そして新たに作った食事処ではいろりを作った新鮮な海の幸でお客さんを喜ばせていた。

 

そして…若女将は宿の顔として積極的にお客さんと話をする一方、裏では仲居さんの仕事を手伝うようになっていた。これまでの若女将とは見違えるような仕事ぶりだという。

 

夏がひと段落すると、福原さんは、黒字化の見込みが立ち思い切って臨時ボーナスを出すことにしたのである。

 

宿の再生…それはひとえに人材の再生にあったのです。

 

 

 

 

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仏壇屋をリノベーションでホテルに…ザ・シェアホテル

 

HITCHI金沢
HITCHI金沢

 

加賀百万石の城下町、石川県金沢市は北陸新幹線が開通したことから観光客が2014年の598万人から2016年の950万人と一気に1.5倍に増加した。

その市内に2017年3月オープンしたHATCHI金沢というホテル。フロントには多くの外国人観光客の姿があった。外国人に人気の格安ホテル。カプセルホテルのような部屋はシェアードルームズという名称で1人1泊3,800円、3人泊まれるプライベートロフトは1室8,800円となっている。

長期滞在の外国人観光客や日本の家族連れに人気となっている。

実はこのホテル、もともとは仏壇屋だったのである。築51年のビルを大改装しホテルとしたのである。地下には共有キッチンも設けており、宿泊者の交流場にもなっている。

 

このシェアホテルズを手がけるのは、株式会社リビタという企業。2005年創業で社員は約160人の不動産会社である。得意とするのは、中古物件を大改装するリノベーションである。

マンションや一戸建てなど、これまで手掛けた物件数は2,500以上。東京都原宿には大手電力会社の独身寮をリノベーションしたザ・シェアというマンション。家賃はおよそ10万円からで建物の6階には住人の共有スペースも用意しており、30代を中心におよそ60人が暮らしている。

 

株式会社リビタは全国でシェア型賃貸住宅を18棟1,219室を運営している。そのノウハウを活かしホテル事業に参入したのです。

 

株式会社リビタは、石川県金沢市に新たなシェアホテルを建設しようとプロジェクトを進めていた。もともと繊維を扱う商社が入っていたビルを大規模にリノベーションしようというのである。リノベーションでは、まだ使える配管材などは積極的に再利用するため、新築でホテルを建てるよりも費用は3分の2で済むという。

 

さらにこのホテルに若者を呼び込もうと、金沢市の和菓子屋さんや金属細工を手がける工房などと手を組みより金沢らしさを出そうとしているのである。

 

2020年までに全国に10軒ホテルをオープンさせる計画を持っている。

 

KUMU
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