こんにちは。ひとりで.comです。
2017年9月23日放送のNEC presentsミライダネは「3Dプリンターで変わる生活」と題して、肩を3Dプリンターで作る慶應義塾大学の田中浩也教授、3Dプリンターで臓器を作る富山大学の中村真人教授を特集します。
3次元のデータをもとに、樹脂などを積み重ねて立体物を作る「3Dプリンター」。
最近では誰もが3Dプリンターを使えるカフェや工房ができ、スマホケースやフィギュア、自作のロボット、足りない部品など、各々好きなものを手軽に作れる時代に。
しかし、3Dプリンターで作れるのはそれだけではない。慶応義塾大学の田中浩也教授は、病気や事故で体の一部を失った人に向けて義手や義足を作る技術を研究。
3Dプリンターだと個人の体にピッタリ合うものが作れるうえに、3次元データがあるため作り直すのも簡単だという。さらに、元小児科医の富山大学・中村真人教授は、3Dプリンターで人工の血管や臓器を作るという夢のような技術に挑戦中!
「世界中の臓器移植を望むたくさんの患者を救いたい」そんな想いから生まれた驚きの技術とは?
医学の世界が3Dプリンターで大きく変わる?
鎌倉で3Dプリンターを自由に使えるラボが大人気
大仏で有名な古都鎌倉にちょっと気になる企業がある。それがFabLab Kamakuraである。明治時代の酒蔵を再利用した作りになっている建物である。そこでは、3Dプリンターを使って、それぞれが作りたい形のプロダクトを印刷していた。
3Dプリンターでは、プラスチックなどで立体物を作り上げることができる。
このFabLab Kamakuraは3Dプリンターを使ってものづくりを楽しむことができるNPO施設で、6年前にオープンした。
あらゆるモノを形にしてしまう3Dプリンターがいま医療の世界で革命を起こそうとしている。
実はこの3Dプリンターの技術というのは、30年前に日本人の小玉秀男さんが開発したものなのだという。
そして、3Dプリンターの技術が年々進化しており、近年メーカーなどが新商品を開発する際の模型作りに3Dプリンターが用いられています。
さらに3Dプリンターは宇宙でも大活躍。例えば、宇宙に行く際に大事な工具を地球に忘れた場合にも、3Dプリンターで代替できる工具を作れてしまう。そのため、スペースシャトルなどにも3Dプリンターが搭載されているのである。
肩の代わりが3Dプリンターで作れる?
慶應義塾大学では、3Dプリンターの研究が日々行われている。3Dプリンターの第一人者、慶應義塾大学環境情報学部の田中浩也教授(42歳)。この研究室では、日本で2番めに大きい3Dプリンターがある。
3Dプリンターを使うことによって、複雑な形状の物質が作ることができるため、軽さと強度を持ち合わせた資材を作ることができるようになった。それによって、建設現場への応用を期待している。
さらに…体にピッタリあうものを作ることができるということで、義手などの開発も研究を行っている。
この研究に協力している倉澤奈津子さんは、肩に骨肉腫ができ、肩を切除せざるを得なかった。その後、市販の肩パッドを使っていたが、形状も大きく、自然な風合いにならず、好きな服を切ることができなかった。
そこで、研究室では、3Dプリンターを活用し、反対側の肩を反転させて倉澤さんの肩にピッタリあう義肩を作ることに成功した。
NPO法人の理事長を務める倉澤さんは、これまで片側だけで担ぐトートバックを用いていたが、重みを分散するリュックを使いたいと考えていた。
しかし、現状の義肩では、リュックの紐がずれ落ちてしまう。
そこで、研究室では、改良版を開発。たった1日で作った改良版でリュックが落ちないような新たな義肩を作ることができてしまった。
細胞から臓器を作る3Dプリンター
富山大学では中村真人教授が驚きの研究を進めていた。4年もの歳月をかけて作った3Dプリンターでは、血管に似たチューブを開発することができるのだという。その材料は生きた細胞である。
35歳まで小児科医をしていた中村教授。多くの重い病を抱えるこどもたちにあってきた経験から、自らが医学を進歩させる道への転身を決心したのである。
そこで考えたのが生きた細胞から臓器を作るということである。生きた細胞から作ることによって、こどもの成長に合わせて臓器も成長してくれるのである。
もともとは家庭用プリンターにヒントを得てできた考え方で、家庭用プリンターというのは、0.025mmのインクの集合体なのである。その0.025mmというのは、細胞の大きさと同じだという。ということは、それを立体的に表示できるものが作れれば、細胞でできた臓器を作ることができるのではないかと考えたのだという。