[ミライダネ]( エイビット / 地中センサー ) ゲリラ豪雨から身を守れ!? 防災の新技術 – 2017年9月30日

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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年9月30日放送のNEC presentsミライダネは「ゲリラ豪雨から身を守れ!? 防災の新技術」と題して、川の氾濫や土砂災害を予測する最新技術について紹介します。

 

今月、台風18号が日本を縦断し全国で猛威を振るいました。7月には九州豪雨があるなど今年も各地で予想を上回る豪雨が、大きな被害をもたらしました。

「なんとか被害を食い止められないか」各地で技術者が立ち上がっています。

東京・八王子では地元のメーカーが、低コストの水位監視システムを開発。市と共同で小さな水路にまで設置して川の氾濫を防ごうと動き始めました。一方、土砂崩れに悩まされてきた地域では、土の中の水分量を測定するシステムを導入。

危険な斜面の水分量を測定しながら、土砂崩れを予知するというもの。果たして、その実力は?

 

 

ゲリラ豪雨から身を守れ!? 防災の新技術

 

雨の様子が予測できるYahoo!雨雲レーダー

 

秋は台風の季節。2017年9月の台風18号は、観測史上初めて本土四島すべてに上陸し、死者4人という被害をもたらした。

Yahoo!雨雲リーダーアプリでは、今いる地点の雨雲の動きを表示することができる。

 

Yahoo!雨雲レーダー
Yahoo!雨雲レーダー

 

以前までは、1キロ四方の雨雲の様子がわかる程度だったが、3年前からは250メートル単位で雨雲の様子を表示できるようになった。しかも、雨雲の動きは6時間先まで予測することができる。

 

しかし、短時間で大量の雨をもたらすゲリラ豪雨を精度高く予測できるまでには至っていない。これを解決しようとする技術がいま注目を集めている。

自然災害を予測する最新技術に密着する。

 

 

”水の街”八王子で水位計の設置をすすめるエイビット

 

東京都八王子市。都心からは約1時間ほどの自然豊かな場所である。八王子は川が多く、水の街とも呼ばれている。多摩川などの大きな川が18つ、支流を含めると数え切れないほどの川が市内を流れている。

そんな水の街、八王子では、2008年8月28日に記録的な集中豪雨が起こり、1時間に135ミリという大量の雨をもたらした。八王子市内の大きな川は国土交通省が管轄しているが、小さな川は市が管理している。

大きな川では水位計が設置されており、水位が上がった際には市に連絡が入るようになっているが、小さな川では、その設置費用も課題となっており、なかなか設置が進んでいない。水位計の設置には1台数千万円ほどかかってしまうという。

小さな川にも安く簡単に設置できる水位計を設置できないか…

 

八王子のエイビットという会社がその課題に挑戦している。

エイビット 水位計
エイビット 水位計

 

上記機器の下についているラッパのような部分から超音波を発生させ、その跳ね返り具合で水面の高さを計測し、それをデータで送ることによって、水位のデータを集めるという仕組みである。

この水位計であれば、取付期間は約1時間、費用も50万以内で設置が可能となっており、国が設置する水位計よりも格段に安く、素早く設置が可能である。

バッテリーも3年以上継続するもので管理も楽になっている。今後、市内の30ヶ所に設置する予定となっている。

 

八王子市と水位計を共同開発したのは、創業31年の株式会社エイビット。通信機器の開発が本業の会社である。

 

 

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土砂災害の予測をする地中センサー

 

長野県塩尻市は山々に囲まれた場所で、昔から土砂災害の被害に悩まされている街である。2006年、長野県を襲った集中豪雨により床上浸水4棟、住宅全壊5棟という被害がもたらされた。

信州大学総合情報センター教授の不破泰教授は、こうした土砂災害の被害を減らそうとする取り組みをすすめている。

それが山の地面に設置されたセンサーである。このセンサーによって、土の中の水分量を図ることができるのである。

これまでは、降った雨の量から土の中の水分量を予測し警報を出していたが、このセンサーを使うことによって、より精度高く土砂災害の予測をすることができる。

 

水分量が9割を超えると、塩尻市に報告があがるような仕組みとなっている。

 

こうした土の中の水分量を計測する取り組みは他の地域でも行われており、長崎県諫早市もその一つの例である。ここでは、NECが開発した計測装置が用いられている。この計測器では、水分量ではなく、安全率という土木業界で使われる指標が用いられている。

土の重さや土の隙間の水圧力、土の粘り気、摩擦の強さなどをもとに安全率を割り出し、その数値を元に土砂災害のリスクを報告している。