[カンブリア宮殿] ( 桔梗信玄餅 ) 行列のできる地方銘菓スペシャル② 老舗菓子店が挑む常識破りのベンチャー魂 – 2017年10月12日

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年10月12日放送のカンブリア宮殿は「行列のできる地方銘菓スペシャル②老舗菓子店が挑む常識破りのベンチャー魂」と題して桔梗屋4代目・相談役 中丸眞治(なかまるしんじ)さんが登場。

 

日本の土産菓子市場は、約2兆5千億円。

毎年、数えきれない程の新商品が世に出ては、消えていく。そんな業界で、約50年も売れ続けるロングセラー商品が「桔梗信玄餅 」だ。

きな粉餅に黒蜜をかけて味わう山梨県の名菓。その製造・販売を手掛けるのは山梨県に本社を構える桔梗屋。明治22年創業の老舗菓子店。桔梗屋は菓子の製造だけでなく、飲食店の運営や、ホテル、テーマパーク、ブライダル、さらに自社農園まで持つ等、幅広い事業を展開。ベンチャー精神で、常に挑戦し続ける老舗和菓子店のサバイバル経営術に迫る。

 

行列のできる地方銘菓スペシャル②

 

50年ロングセラーの桔梗信玄餅

 

東京駅にある諸国ご当地プラザというお店。ここには全国のお土産が売られており、万が一地方でお土産を買い忘れてもここでお土産を買えるとあって、新幹線での帰京客に非常に重宝されているお店である。

沖縄で販売されている紅芋タルトや秋限定の岩手のかもめからの秋便りぶどうなど全国のお土産が販売されている。

 

この諸国ご当地プラザの人気お土産ランキングは…

【第三位】

静岡県:こっこ

 

 

【第二位】

京都の生八ツ橋


【第一位】

桔梗信玄餅


桔梗信玄餅は発売から50年経つ超ロングセラー。きなこをたっぷりまぶした餅に黒蜜をたっぷりかけて食べる素朴なお菓子。

2017年JR東日本の「おみやげグランプリ2017」にてお菓子部門の金賞を受賞した。

 

その人気のお菓子を作っている会社は、山梨県笛吹市にある。桔梗信玄餅が作られる本社兼工場では、朝5時半から大行列ができていた。その行列は100mを超えるほどである。ここで行われているのは桔梗信玄餅の詰め放題である。

この桔梗信玄餅の桔梗屋本社工場は山梨でも屈指の観光スポットで年間160万人が訪れるという。365日年中無休のためいつ行っても工場見学ができるのだという。

 

桔梗信玄餅の生産工程

 

桔梗信玄餅は、国産の餅粉3種類をブレンドし特注の機械で蒸していく。2時間後にはトロトロのお餅ができあがる。ひと晩寝かせて適度な硬さになった餅をひと口の大きさにカットし、3個ずつ箱に入れていく。

そして、国産大豆で作ったきなこをたっぷりまぶしていく。1日に使われるきな粉は400キロにもなるのだという。最後に特製の黒蜜容器をセットし、包装作業をすれば桔梗信玄餅の完成である。

1日に12万個作られる桔梗信玄餅の仕上げの包装はすべて人の手で行われている。

 

工場見学の最後には、包装体験が390円でできる。包んだ桔梗信玄餅は4個お土産として持ち帰ることができる。

 

桔梗信玄餅という名前…実は武田信玄とは一切関係ないのだという。ただ、山梨県が誇る歴史人物:武田信玄にあやかって桔梗信玄餅という名が付けられたのである。

 

 

桔梗屋の概要

山梨県に本社を構える桔梗屋は創業1889年(明治22年)。伝統的な和菓子を中心にお菓子の製造を行っている。贈答品から普段のおやつまで、桔梗屋のおやつは地元の人達に愛されてきた。

現在では、全国に24店舗を展開している。

客の好みや時代に併せて新商品を開発しており、信玄餅プリンや桔梗信玄餅アイスどら焼きなど、信玄餅をもとにした桔梗信玄餅シリーズはいまや13種類にもなる。

 

さらに近年、桔梗屋は和菓子屋の枠を越えたビジネスを展開している。イタリアンレストランやアルプスの少女ハイジをテーマにしたテーマパーク、天然温泉施設やホテルまで運営している。

いまやグループ会社は12社にもなり、従業員はグループ全体で930人、年商は93億円に達している。

 

 

明治時代の創業当時から地元では評判だった桔梗屋。1949年、中丸眞治さんは桔梗屋4代目として生まれ子供の頃から和菓子作りを手伝っていた。

1960年代、高度経済成長がはじめると食生活が欧米化し、洋菓子が需要を伸ばし和菓子が衰退しはじめた。売り上げは下がる一方で年末の支払い時には支払いを延ばしてもらうため頭を下げることもあった。

中丸眞治さんは、このままでは桔梗屋は潰れるのはないかと感じた。中丸眞治さんは受験勉強をしながら、どうやったら桔梗屋が潰れずに復活できるかを考えていた。そんなある日、仏壇に供えてあった安倍川餅を見て

これ…土産菓子になるのではないか

と考え、1968年に桔梗信玄餅を発売。中丸眞治さんは明治大学でマーケティングを専攻し、卒業後に桔梗屋に入社した。

そして45歳の1995年に4代目社長に就任した。48歳のときに更にマーケティングの知識を深めるべく明治大学大学院に入学し、本を執筆するまでに研究を深めた。

 

その知識を活かし、山梨県北杜市にテーマパークを設立。もともと山梨県が花の産業振興のために作った山梨県立フラワーパークだったが、毎年億単位の赤字を出していた。そこで2006年に再建に手をあげ山梨県から運営を引き受けたのである。

スイスを思わせる雰囲気から「ハイジの村」と命名し、今では年間20万人が来場する人気のテーマパークとなったのである。ハイジの村に隣接して作ったのが、クララ館という宿泊施設である。ここもかつて赤字だった公共施設で桔梗屋が運営を引き受けている。

コンセプトを明確にすることにより客を呼び赤字から黒字の施設に転換させたのである。

さらに山梨県立美術館や山梨県立富士湧水の里水族館などの公共施設の運営にも携わっているのである。

 

 

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山梨を応援する事業展開

 

山梨県笛吹市にある野菜畑。桔梗屋の自社農園である。ここはもともと耕作放棄地。土地を刈り上げることで農家も喜ぶ。さらにリタイアしたシニア世代も積極的に採用し、現在34人のシニアを雇用し、彼らはリタイア後の人生を謳歌している。

農園で作った野菜を食べてもらうためにイタリアンレストランも作った。1番人気は自社農園の野菜を使ったサラダバーで、これ目当てで訪れるお客さんも多いという。

 

この秋、桔梗屋はさらなるチャレンジをはじめる。山梨のぶどうを使った新しい菓子作りをしようとしている。地元のフルーツを使って菓子を作るのでは、桔梗屋としては初めての試み。桔梗屋が仕入れるのは、いわゆる訳あり商品。

農家の収入となりにくいものを仕入れることで地元の農家を助けたいという桔梗屋の思いが込められている。

山梨フルーツ王国 ボンボンヌ
山梨フルーツ王国 ボンボンヌ

 

2017年9月に販売を開始。ラベルには山梨農園応援菓と記載されている。