[ミライダネ] ( モリタ / ロボット消防隊 )消火するのは人間じゃない!? 最新の消防技術 – 2017年12月23日

ミライダネ
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年12月23日放送のNEC presentsミライダネは「消火するのは人間じゃない!? 最新の消防技術」と題して、消火活動の最先端を紹介します。

 

冬になると起きやすくなるのが火災。しかも近年、大規模、且つ、1週間、10日と消火に時間のかかってしまうものが目立っています。様々な化学物質が建築資材として使われ、水による敏速な消火が難しくなっているのが実情。こうした状況に対応すべく新しい消防車、想像を絶する消火技術が生まれているのです。

水に代わって火災現場で活躍するのが、なんと泡!

迅速な消火が可能で、使う水も少量。消防隊員の体力も維持できる理由とは。また、美術館やデータセンターなど、繊細なものを取り扱う場所では、水による破損など二次災害を防ぐため、水も泡も使わない消防技術が誕生。その驚きの消火方法とは?

人工知能搭載のロボット消防隊も誕生。火災現場の偵察から消火まで、ロボットが行う世界初の技術とは!?私たちを火の危険から守る、最新の消防技術に迫ります!

 

消火するのは人間じゃない!? 最新の消防技術

 

国内シェア57%の消防車メーカー:モリタ

 

1年前に起きた新潟県糸魚川で発生した大規模火災。強風に煽られ、炎は次々と燃え広がり、40,000㎡、約150棟の被害となった。冬は火災が多く発生する時期、2016年の1月から3月までの火災発生件数は実に11,152件にも及ぶ。空気が乾燥しているため、火が燃え広がりやすくなる。

 

そんな火災に立ち向かう企業が、兵庫県三田市に本社を構えるモリタという企業。国内シェア57%の消防車メーカーである。年間およそ60台製造している。

モリタは1907年創業の100年企業で時代のニーズにあわせた消防車を作り続けてきた。

例えば、先端屈折式消防車。はしごの先端がおじぎをするように折れ曲がる。これによって、建物のベランダなどから人を救出する際、電線などの障害物を避けられるようにしているのである。

 

先端屈折式はしご車
先端屈折式はしご車

 

さらに、はしご付消防自動車。はしごの長さが54mも伸びる。ビルの高層化がすすむ日本で大いに役立っているのである。

 

また、今後主流になっていくと期待されているのが泡による消化である。火は酸素を吸収して燃える性質があるため、水で消そうとしても酸素に触れてしまうとなかなか消化することができない。そこで、泡を吹きかけ、火と酸素を分断し、消化を行うのである。

 

Miracle CAFS Car
Miracle CAFS Car

 

この泡のもととなっているのが界面活性剤である。洗剤などにも使われる成分である。さらにこれによって、水の節約にもなるという。通常消防車1台が積める水の量は1,500リットルでおよす10分間放水することができる。しかし、この泡を活用することによって放水時間が40分になるのだという。さらに、泡を使うとホース自体の重さも軽くなり、消防士への負担も軽減されるのである。

現在、全国の消防車のうち、2,000台がこの泡の消防車となっているという。

 

 

消防技術の進化過程

 

江戸時代、消防の技術はそれほど発達しておらず、手動のポンプを利用して消化を行っていた。しかし、2メートルほどしか水を飛ばすことができなかったため、大規模な火事の際は活用することができなかった。そこで江戸時代には、火事が起きた際、それ以上広がらないように、周囲の建物を壊すという方法で延焼を防いでいたのである。

1870年代(明治時代)になって、イギリスから蒸気ポンプ車が輸入されるようになり、今の消防の先駆けの技術が使われるようになった。そして、大正時代に入り1917年、株式会社モリタが国産初の消防ポンプ自動車を製造したのである。

そして、1933年には、木製のはしご付消防自動車を開発し、消防技術の最先端を走り続けてきたのである。

そんなモリタがいま開発しているのが、ミラクルN7という消防車である。この消防車は、水を一切使わないため、美術館や図書館などといった水を使えない場所における消防に役立っているという。

仕組みは単純で、このミラクルN7は酸素濃度を低下させる仕組みを持っている。火は酸素濃度が14.5%以下になるとつかなくなる。この特徴を活かし、酸素濃度を低下させることによって消化を行うのである。

ミラクルN7
ミラクルN7

 

 

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消防庁がすすめるロボット消防隊


三重県四日市市で行われた消防庁による石油コンビナートでの消火実験。ここでは、ドローンを含む人工知能を搭載した4体のロボットがお披露目となった。

 

人間が近づけないほどの大規模な火災に対して、ロボットを活用した消火活動を必要とされるのである。もともとのアイディアはアニメのサンダーバードから思いついたものである。4体のロボットがそれぞれ、偵察、経路確保、消防などといった役割を担っており、連携して消火活動にあたるいわばロボット消防隊である。

 

2018年の実用化に向けて、実験を推し進めている。